撃Ⅱ型戦闘機サウニオン

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Type Ⅱ Interceptor Saunion


【概要】
民主連邦陸軍航空隊が誇る小型の要撃戦闘機。
撃Ⅰ型グラディウスと比較して、高速性と重武装に特化している。
特筆すべきは推進式という極めて野心的な機体を持つことである。
その機体形式は良くも悪くも(大体は悪くも)本機の尖った性能を生み出した。
価格や整備性の観点から、本機はごく一部の部隊にのみ配備されているが、その未来的な外観から人気は高く、陸軍航空隊に於いてたびたび人民に向けて喧伝されている。


【開発経緯】
民主連邦における航空技術にとって、撃Ⅰ型グラディウス戦闘機の成功は大きな変革をもたらした。
他国からのライセンス生産とはいえ、今後の規範・スタンダードとなったのである。
撃Ⅰ型は陸軍航空隊の中心を占め、あらゆる戦場で姿を現す戦闘機であった。

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〈前線飛行場にて出撃を待つ撃Ⅰ型グラディウス戦闘機の様子。〉

そんなグラディウスは、軍需企業の最大大手である銀星重工が生産を司っていた。
その一方、民主連邦には他にも軍需企業が存在した。海王自動車と赤星発動機がその代表である。
両企業は戦闘機に関しては未経験であり、グラディウス製造の下請けをやっていたのみであった。
当然ながら両社はその状況を肯定せず、独自の軍用機を作る一心で機会を虎視眈々と狙っていたのである。

先に抜け出したのは海王自動車であった。
そもそも海王自動車はやたらと早くやたらと燃費の悪くてかっこいいスポーツカーを製造する自動車メーカーであったが、その無駄に高い技術力を生かして陸戦兵器を中心とした設計生産をおこなっていた。
その主任設計者フェルナンド・ポルッシェ博士は、精力的な独自交渉により天ノ川皇国の最新鋭空冷発動機(1200hp)のライセンス生産権を入手したのである。
その背景には航空技術の発展を狙った軍兵器局による甘めの裁量があったといわれる。
いずれにせよ銀星重工に対抗できる発動機を入手した海王自動車は独自の軍用機を試作することにした。
しかも野心的なポルッシェ博士の強い要望もあり、いきなり作るのは一線級の戦闘機からである。
海王自動車設計陣は撃Ⅰ型戦闘機にとって代わらんとする新型戦闘機を目指したのだ。

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〈天ノ川皇国からライセンス生産を果たした「アリエルA型」星型空冷発動機。極めて強力だった。〉

撃Ⅰ型は汎用性が高く優秀な戦闘機であったが、徐々に不足点も前線から指摘されていた。
主な問題点として挙げられていたのは航続距離の短さ、そして武装の貧弱さである。
それらの改善を踏まえ、海王自動車は特に高速性を重視した設計にすることにした。
スピードに拘るあたり、やはり彼等は生粋の走り屋であり、自動車会社であった。
ポルッシェ博士は「最高速度でグラディウスを100km/h以上凌駕する」と豪語。まさに野心の塊であった。
そんな海王自動車に対し、それなりに興味を抱いた民主連邦軍兵器局は、新型戦闘機の開発予算並びに試作機生産の補助金を珍しく気前よく与えたのであった。

稀代の天才設計者にして独創的思考の塊であったポルッシェ博士は、機体配置として何と推進式を採用した。
試作機生産の下命を出してから半年後、兵器局の高官達は海王自動車で木製モックアップを見学した。
そのあまりに特異な機体に驚愕し、何名かは失神し、残りの大部分はそもそも飛ぶのか懐疑的であったという。
喧々諤々の高官達に対して、ポルッシェ博士は推進式のメリットを滔々と述べた。
・洗練された胴体になるため、空気抵抗が少なく高速性を発揮できる
・コクピット周りが広くとることができ、特に前方視界が良好である
・機首に大口径機銃を配置することができ、重武装かつ命中率の向上が見込まれる
などであった。
理路整然とした説明に、兵器局の高官達もなんだかよくわからないけどまぁいっか!と開発続行を指示した。

そして更に半年後、ついに試作機は首都プノンペンネ近郊の飛行場にて姿を現した。
未来感溢れる銀色に輝いた推進式の機体は、見学しに来た軍高官達を唸らすものがあったという。
その期待は飛行場から飛び立ち、澄みゆく青空を飛翔しても裏切られることはなかった。

最高速度は撃Ⅰ型を優に100km/h超える600km/h以上を叩き出した。
上昇・加速性能も申し分なく、また武装も大口径機関砲(20mm相当)の搭載に成功していた。
まさにポルッシェ博士は当初の大言壮語を実現したのである。
それは海王自動車の技術力の高さを証明するものであった。

後に撃Ⅰ型戦闘機と比較検討し精査した所、旋回性能以外はほとんど勝っているとされた。
問題となったのは製造コスト(撃Ⅰ型の2倍程度だった)だったが、高性能ぶりに十分元は取れると判断された。
性能にいたく満足した陸軍航空隊は早速本機を正式採用、「撃Ⅱ型サウニオン戦闘機」の名称をつけ、海王自動車に逐次量産を命じたのであった。量産1号機は2カ月後に前線部隊に配備される。
前線部隊の将兵たちはその先進性と空想科学じみた本機の姿に民主連邦の未来を感じた。
もちろん、これでそのまま終わればよかったのだが、ここは駄作兵器が跳梁跋扈する民主連邦である。
当然配備されてすぐ後に様々な問題が噴出することになるのであった。


【性能】
推進式という野心的な機体選択は、ある程度の成功を収めたのは間違いない。
事実本機は当時民主連邦軍が保有するどの軍用機をも凌駕する速度であった。
ひたすらに速度を求めた自動車会社の面目躍如といったところである。
また武装も申し分なく、大型機に対する20mm翼内機関砲、そして機首の13mm機関砲は中心軸に沿っていたため命中率が良く、パイロットの多くから好評を得たのである。
他にも一体型曲面キャノピー、改良された照準装置や無線機等、様々な新機軸が盛り込まれていた。

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〈連邦の空を飛ぶサウニオン戦闘機。流線形を基調とした美しいラインがそこにはある。〉

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〈広々としたコクピット内部。操作機器周りはかなり洗練されていた。〉

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〈横からの様子。ライセンス元ではもともと爆撃機用の発動機だったため、かなり大型である。〉

本機はその高性能を鑑み、まずは首都の最精鋭防空部隊から配備されることが決定された。
もっとも、やたらと高価でやたらと複雑であり、また海王自動車の生産体制が不満足な規模であったため、量産当初の予定と比較して遅々として進まなかった。
それでも「アリエルA型」星型発動機を銀星重工や赤星発動機に生産を一部肩代わりしてもらう等して、どうにか量産体制は軌道に乗ったのである。
まとまった数が供給できるようになったのは試作機量産が半年後である。

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〈溌溂と空を飛ぶ撃Ⅱ型サウニオン。翼内には必殺の20mm機関砲が搭載されている。〉

栄光に輝いたサウニオンの名声。しかしその一方異変は着実に前線部隊にて起こり始めていた。
配備されてからしばらく後、衝撃的な報告が陸軍航空隊司令並びに兵器局へ舞い込んだ。
一か月で配備されたサウニオン戦闘機のおよそ半分が事故で損耗していたのである。
更に残り半数の機体も整備にてこずり、現在飛行可能な機体はわずか30%に過ぎなかった。
幾人かの将校が失神し休職する中、兵器局は前線部隊の将兵たちに聞き取りを開始した。

操縦員達は異口同音にその操縦の不安定さを口にした。
推進式の機体はいきなり失速するという厄介極まりない状況を引き起こしていたのだ。
わけもわからないまま失速する上、脱出しようとすると後ろのプロペラに巻き込まれる事故が多発していた。
既にパイロットの間では「全自動挽肉生産機」という極めて有り難くない名前が冠されていた。
後にこの問題は修正され、脱出時は火薬カートリッジにより発動機ごと後方に脱落させる方式が採用された。

地上作業員達は発動機の信頼性が絶望的であることを次々と兵器局に伝えた。
機体の後ろにあるため、発動機の冷却が不完全であり、最悪の場合文字通り「止まる」代物だったのだ。
それを防ぐためには頻繁な整備点検が必要であり、その信頼性の無さは24時間に1回の整備が前線飛行場にて義務付けられるほどであった。
もちろん、それは発動機自体のせいではなく(ライセンス元の天ノ川皇国軍では、むしろ故障が少ないと称されるぐらいだった)、根本的な機体構造の欠陥にあったのだ。

海王自動車は極めてデリケートなチューニングに優秀な作業員を擁していたため、噴出する問題に気が付かなかった。
後に以上の問題点を踏まえた改良型が現在の生産機になっているものの、根本的な問題は推進式の機体構造にあるのだから、あまり状況は変わっていないといえる。
ある海外の軍事評論家は「レースカーの理論をそのまま持ち込んでしまった失敗兵器」と評している。

【運用】
操縦や整備に重篤に問題がある本機ではあるが、カタログデータ上ではかなりのスペックであるため、一応正式な迎撃戦闘機ということで今日も民主連邦の空を元気に飛び回っている。
しかしそもそも調達費用が高価であり、またパイロットに高度な技術が要求されること、整備保守要員が多くとられることから一部の航空部隊(首都をはじめとする重要拠点等)にのみ配備されている。
配備数はグラディウスと比較して、極めて限定的である。
また、本機の数ある欠点の一つに、機体バランスの異常からやたらと降着装置が破損するというものがあり、整備された上位の飛行場にしか発着陸できず、更に配備先を狭めているのであった。

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〈問題の降着装置。僅かな振動で根元から折れ胴体着陸を余儀なくさせるお茶目な代物である。〉

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〈多発する離着陸事故。もはや見慣れた風景であった。〉

それでも現在のところ民主連邦陸軍航空隊で最も能力が高い戦闘機であることには変わりがない。
慣熟した操縦手が一撃必殺を念頭に扱えば撃Ⅰ型グラディウスより強力な迎撃力を有するのである。
撃Ⅰ型とⅡ型はいわば民主連邦でのハイローミックスと言えることもできるだろう。
もっともその半分は欠陥機で構成されているのだが。

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〈飛行場にて並ぶ撃Ⅰ型とⅡ型。大体同じ大きさだ。〉




【開発後記】
天ノ川皇国のぬぬつきさんからいただいた発動機があまりにも雰囲気が良かったため、発動機剥き出しの推進式戦闘機を作ってみました。
推進式の戦闘機はかっこいい発動機が映えるのです。
モデルはSaab21とか閃電とかXP54とかいろいろな推進式戦闘機を参照しつつ楽しく作りました。
理想は高いけど、現実に打ちのめされる設定こそ、推進式戦闘機が醸し出す試作機感にふさわしいと思うのです。














FBS-1戦闘飛行艇ラルス

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FBS-1 Fighter Flying Boat Larus

【概要】
民主連邦海軍が堂々配備・運用している戦闘飛行艇である。
飛行艇を戦闘機としてそれなりに勘定しているあたり軍の後進性が表れている。
しかし多くの島嶼を含む民主連邦にとってかなり便利な兵器であることもまた事実である。
制空任務に使われることは滅多になく、偵察や哨戒、連絡や救援任務で運用されることの方が多い。


【開発経緯】
民主連邦。
その国土は入り組んだパインドネシア半島を中心に無数の島嶼によって成り立っていた。
その領海と経済圏と利権と威厳を守護する民主連邦海軍は、その複雑な地形に対処せねばならなかったのである。
海軍の存在価値を強く認識している(というか大統領自体が海軍出身であった)政府は、莫大な予算を使えもしない駄作兵器と共に海軍の拡充に充てていたが、それでも膨大な海岸線と島嶼群はなお余りあるものがあった。

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〈部隊の閲兵を敢行する日虎大統領。彼の海軍拡充の意志は並大抵たるものではなかった。〉

地形上の弊害による制約は様々な所で影響していたが、その中でも深刻であったのは補給整備の問題である。
南方に置かれた基地は不足しておりかつ整備もままならず、到底万全な国防とは言い難い状況であった。
基地という名前でその実態は将兵はわずか数人、小銃が数丁、手漕ぎボートが一隻、粗末な小屋が一棟のみという散々たる様相が末端のあちらこちらでみられた。
それら遥か彼方辺境の島々への勤務は、海軍組織内での懲罰人事として一部では使われていたという。

そういう有様であったから、飛行場を有した前線基地等はその母数に比して相当数に少なかった。
また書類上では飛行場が「ある」にもかかわらず、実際は「ない」もしくは「使えない」という例も多く、不足なく使用できる飛行場となると更に少なくなったのであった。
極端な事例では、現地部隊の将校達が飛行場設営の費用を着服していたため、記録ではある飛行場が全く存在せず、飛来した味方航空機が全く着陸できず、仕方なく海に不時着したということもあったのである。

幸いにしてちゃんと存在する前線飛行場でも多くは未舗装であり、ヤシの木々を切り開いて造成した所が殆どであった。
少なくない数の飛行機が着陸時に破損したり劣化したりしており、海軍上層部としても深刻に捉えていたのである。
そこで飛行場を使わない飛行機…すなわち飛行艇を新しく配備しようと考えたのも割と普通な道理であった。
しかもどうせなら迫りくる敵航空機を屠り、制空権も握ってしまおうということでいきなり作るのはばりばりの戦闘飛行艇である(戦闘艇というジャンル自体旧式なのではないかという理論はいつものごとくこの国では無視された)。

早速兵器局から民主連邦軍需企業の雄、銀星重工に要求仕様書「FB1/16」が提出されたのであった。
大まかな要求は二点であった。
一点目は敵戦闘機に追随できる機動性と速度(400km/h以上)を持つ事。
二点目はある程度の余裕積載量を持ち、物資や人員の輸送を行える事であった。
結局いつもの通り軍上層部による絵に描いた餅的な要求である。

銀星重工はそれに対し、当時社内で持っていた最強の発動機である「デネブB型」(1300馬力)を投入した。
この水冷発動機は、依然進められていた大型重爆に搭載しようと試作されたものだが計画が頓挫した上、やたら巨大化したせいで持て余した結果、倉庫の奥底で眠っていたものである。
この大型発動機を戦闘艇に載せようと躍起になった結果、設計は発動機を起点として進められたのであった。

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〈「デネブ」発動機を囲む銀星重工社員達。体躯と比してその巨大さがわかる。〉

他にも流線形を志向した艇体、新型の主翼形状等、どうにもならないものをどうにかしようと奮闘した結果、仕様書提出から1年後に完成した試作機では、戦闘艇としては驚異の最高速度400km/hを達成したのであった。
この結果にいたく満足した民主連邦海軍は、早速銀星重工に試作機の量産を明示したのである。

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〈精悍で美しい艇体。銀星重工設計陣の無駄な努力の賜物である。〉


【性能】
いろいろと気を遣って設計されたため、飛行艇としてはかなりの高速性を誇る。
といっても水上戦闘機にすればよかったのでは程度の能力である。
しかし飛行艇型式にした結果、胴体に容量の余裕ができたため、人員が4人も乗った。

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〈内部の様子。見えにくいが操縦手と後部機銃手の間には無線機手が乗る。〉

武装は13mm機関砲を2挺装備した。
前方機銃は前方向に約100度の角度をつけて志向することができるが、前方機銃手は剥き出しであるため、常に風が当たり、時には敵の弾が当たり、更には操縦手の視界を著しく制限するという欠点を持っている。
後方機銃はそれに比べると遥かにましである。90度の旋回が可能である。
わずかながら命中率を高めるため、照準には倍率を変えることができるスコープが何故か取り付けられた。

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〈剥き出しの前方機銃席。海軍飛行隊でも随一のスリルを体験することができる。〉

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〈艇内と後方機銃。一段下がって無線機やちょっとした机も備え付けられている。〉

発動機はわずか1基でそこそこ大きい艇体を持ち上げる。その分、艇に比例してかなり巨大である。
乗員は常に強い振動と騒音に晒されることが特徴である。
的が大きいためよく被弾し停止し、往々にして墜ちるという。

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〈後方から。弱点である発動機周りは堂々と晒され、敵兵にとって格好の的となった。〉


【運用】
「FBS-1戦闘飛行艇ラルス」(ちなみにFBS-1は銀星重工(Silver Star Arsenal)によって作られた制式1番目の飛行艇(Flying Boat)という意味の略である)と名付けられた本艇は、特に南方の諸飛行隊を中心に配備された。
ようやくまともに使える航空機が来たと前線部隊ではそれなりに好評であったという。
桟橋を整えるだけで前線飛行場として機能したからである。
ただし発動機周りの整備は面倒であり、多くの整備兵が天を恨みながら揺れる艇の上で作業したという。

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〈南方の碌な設備がない島々でもラルスなら降り立つことができた。〉

戦闘飛行艇という名前であったが、本機はむしろ偵察・観測や輸送、洋上での救援任務で重宝された。
今まで飛行機が配備できなかった場所でも運用することができたのも相まって、南方の部隊にとって空の目であり続けた。
しかし速度および機動性は普通の陸上航空機と比べると当然低く、まったく太刀打ちできないのは容易に想定できる。
現状南方や西方の島嶼部では平和を享受しているがために活躍できているのであって、戦闘地域に投入されたら一たまりのないことは明らかなのであった。
それでも本艇は今日も緑の島々と碧い海を背景に、民主連邦の国益を守護せんと今日も飛び続けているのである。




【開発後記】
大好きな映画『紅の豚』を観て早速欲望を昇華せんと作った飛行艇です。
水上飛行機と比べて明確な流線形なのが大好きです。あと剥き出しの機銃も推しのポイントです。
結構に気に入っている作品で、よくオフ会に持っていったりしています。






十六年式特殊弾頭迫撃砲

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16th Year Type Tactical Nuclear Recoiless Gun

【概要】
民主連邦陸軍が少数配備・運用する大型の無反動砲。
極めて特殊な弾頭…すなわち核弾頭を歩兵部隊が発射するために作られた。
とどのつまりは核兵器なのである。
ある意味民主連邦軍の無神経さを最も端的に表した兵器と言えるだろう。
一応は通常弾頭を使用し、普通の重迫撃砲としても運用はできる。


【開発経緯】
世界各国の軍隊の中でも民主連邦軍ほど倫理観にかけた軍隊はないであろう。
この恥知らずの軍隊は、化学兵器を堂々と保有していたし、そのことを公言すらしていた。
国軍にとって最優先は戦闘を少しでも有利に進めることであり、また民主主義国家でもないため体面を繕う必要すらなかったのである。

そんな国が頂点にして究極的な兵器である核兵器に手を出すのは無理もない問題であった。
既に民主連邦海軍では核兵器を運用しており、陸軍が運用するのも時間の問題であった。
どうしようもない基礎技術力の低さは、隣国であり同盟国であるアストメリア共和国の高水準な技術力によって非公式に支えられ、民主連邦は核技術に関しては先進的に特化した歪な軍隊であったのである。

民主連邦陸軍は慢性的な火力不足を自覚しており、その対処法として手っ取り早く核兵器を運用することを考え付いた。
歩兵部隊や砲兵部隊は、機械化の遅れから軽量な砲を中心としてせざるを得ず、不徹底な砲撃から甚大な損害が突撃部隊に出ていることが従来から指摘されていたためである。
そこで陸軍兵器局は敵前線に大穴を開ける程度の戦術核兵器の配備を思いついたのであった。
歩兵部隊が運用できるような、軽量で簡易な核兵器が欲しかったのである。
当然ながら、そんな極小サイズの核兵器の開発なんて民主連邦では土台不可能であったため、いつもの通りにアストメリア共和国の最先端軍需企業、STUD SYSTEMS(以下SS社)に非公式で依頼することになったのであった。

野砲
〈陸軍で平均的な火砲である75mm歩兵砲。当然ながら低威力であった。〉

誉れ高いSS社開発陣は恐ろしい技術力を見せつけ、わずか半年で核兵器の小型化とその発射装置の試作に成功した。
試作兵器は民主連邦に持ち帰られ、核弾頭の使用も含めた実験が行われたが、それは凄まじい威力だった。
ただし民主連邦軍の末端兵士は核兵器なんて知る由もなく、実験に参加した多くの兵士が過剰に被爆したという。
いずれにせよ、この実験結果に狂喜した民主連邦高官達は早速量産を指示したのであった。

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〈試験場にてその破壊的な威力に呆然とする兵士達。ガイガーカウンターは鳴りっぱなし。〉


【性能】
核弾頭は炸裂した地点から半径300mの人員を即死させる威力を誇る。
この限定的な高殺傷力により、敵の塹壕含める防御地点を一挙に無力化させるのが目的であった。
ちなみに核弾頭はすべて輸入により手に入れており、その保管施設までもSS社によって構築されたという。
なお前線部隊に配備したところ、末端の兵士達が木箱に本弾頭を入れて保管し、放射能漏れするケースが幾たびもあったため、現在はその保管用の箱までもが特注で輸入されている。
唾棄すべき極めて特殊な弾頭を使用する以外は、少々大きな無反動砲といったところである。

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〈発射地点に就く兵士達。彼らの多くは既に汚染されている。〉

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〈核弾頭が納入される様子。末端の兵士は放射能に関する知識を持ち合わせていなかった。〉


【運用】
歩兵部隊が使う一方、弾頭の保管や調達が難しいため、一部の部隊しか保有していない兵器である。
調子に乗った民主連邦陸軍は一人用の戦術核弾頭発射機までも試作したが、射手の安全上数百メートルもの遠距離に飛ばさないといけない機構を持たないといけないため、とても重くなってしまいあまりにも実用的ではなかった。
また放射能漏れも酷く、非人道的なことに定評のある民主連邦ですら試作兵器どまりで終わったのであった。

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〈試製個人用核兵器。重すぎて射手がよろめき、自爆しかけたので中止となった。〉

流石の民主連邦陸軍も未だにこれを戦場で用いたことはない。国際的非難は必至だからである。
ただし本国が侵略される等、危急存亡の事態には容赦なく用いられるであろうと考えられる。
そうなった場合、敵も味方も苦しむことは必至であろう。




【開発後記】
アストメリア共和国のポポさんに作っていただいたデイビークロケット的な戦術核兵器です。
省略されたパーツで大変かっこいいですね。
1950年代後半から60年代前半の核兵器をとにかく多用するロマンと滅亡間近あふれる世界が大好きです。
個人用核兵器は露骨にフォールアウト4の影響とか受けています。

十二年式重機関銃

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12th Year Type Heavy Machine Gun


【概要】
民主連邦軍が配備する制式重機関銃。誉れある国産兵器である。
口径は7.7mm。既に配備されていた七年式歩兵銃改と同じ弾薬を使用する特徴を持つ。
歩兵部隊の頼れる相棒であり、万年火力が足りない軍を支える存在である。
ただしとてもとても重い。弾薬も含めると更に重い。


【開発経緯】
民主連邦軍の根幹を通底する思想は精神主義、そして銃剣主義であった。
例えどのような防御陣地であろうと、精兵による鋭い銃剣による突撃は万難を排すと考えられていたのである。
諸外国から見れば顧みられもしない遅れた発想であったが、当の本人達は極めて真面目であった。
勿論そこには末端の一兵士の居場所は存在しないのであった。

しかし数度に渡る華南共和国内での戦闘は理想を打ち砕き、19世紀的ロマンを粉砕した。
そこは現実が支配する戦場であったのである。
劣った戦略を持つ民主連邦派遣兵達は泥の中にのたうち、銃弾になぎ倒され、骸を晒した。

敵対する軍閥勢力の中で最も猛威を振るったのは機関銃であった。
特に口径12mm相当の西方の国から輸入された重機関銃は破壊的な性能を持ち、唸る作動音を聞くだけで民主連邦兵を震え上がらせた。
この恐ろしい重機関銃は歩兵突撃を粉砕するだけでなく、貫徹力の高さにより装甲車両さえ葬ることができたのである。

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〈重機関銃により破壊された民主連邦陸軍装甲車両。背面ならば十分に撃破することができた。〉

以上の散々たる結果を鑑み、民主連邦兵器局は歩兵部隊が使用する機関銃の配備を大慌てで決定することにした。
そして早急に大量に数が要り、恒久的な整備が必要なことから、国産にすることも併せて決められたのである。
いつものように陸戦兵器に定評のある銀星重工に出された「新型機関銃」の要望書の大枠は次のようであった。

・補給上の観点から歩兵銃と同様の弾薬を使用すること
・銃身の長寿命化を狙い水冷式にすること
・安定した射撃を可能とするため三脚式にすること
・2~5名の歩兵で運用できるよう三脚を折り畳み式にし、重量を抑えること

この要望は特に精密技術に劣る民主連邦工業力ではなかなかに野心的なものであった。
つまりはコンパクトな機関銃が出来ない訳であったため、必然的に重機関銃となった。
そして工作精度も全体的にあまりよくなかったので、量産しても不良が出にくいように余裕を持たせて設計し、更に重くなったのであった。
様々な他国の様々な機関銃を参考にし、場合によってはパクリつつ、銀星重工開発部は何とか半年後に試作品を兵器局に提出したのであった。
兵器局は満足し正式に量産を開始、兵士の受難はここから始まったのである。


【性能】
本機関銃は量産性と整備性に振り切って設計されたため、信頼性は極めて高かった。
本国の熱帯雨林、華南共和国の峻険な山岳地帯や極寒の戦場、どのような場所に運び据え付け射撃しても滅多に故障しなかったという。もちろん他の兵器は頻繁に故障したが。
前線の兵士達はその無故障性に喜び、「唯一の友人」「戦友が動かなくなってもこれだけは動く」等と絶賛された。
また、歩兵銃の弾薬を使用する設計も好評であり、兵站上の問題を劇的に解決した。

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〈射撃を敢行する民主連邦兵。本機関銃は2名ないし3名で運用された。〉

十二年式機関銃最大の問題はやたらと重量過多なことであった。
重量の主な要因は銃身であった。巨大な外筒が纏わりついていたためである。
外筒には銃身を冷やすために水がたっぷり入っており、それがさらに取り回しを低下させた。
民主連邦の未熟な工業力は熱に耐える特殊鋼の量産もままならなかったのである。
結果としてなるべく負担を与えないように外筒が巨大化したのであった。

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〈3名で運搬することができた。どのパーツも30kg程度あって足腰を効率よく痛めることができる。〉

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〈射撃状態の様子。本機関銃はベルト式給弾が主であった。〉

他にも射撃手が照準で狙うと左手で引き金を操作せざるを得なくなる、でかくて目立つ等細かい欠点はたくさんあった。
初の国産機関銃上いろいろと致し方ないことであったのである。


【運用】
十二年式機関銃は急ピッチで量産され、歩兵20名につき1挺という割合で配備された。
これにより、民主連邦陸軍歩兵は飛躍的に火力が高まったといえよう。
歩兵火力だけはやたらと高い軍隊だったのである。

一個大隊
〈歩兵20名で重機関銃が1挺配備された。この数が民主連邦陸軍の基本単位である。〉

一方で派生型は多くなく、ほとんどが歩兵部隊によって使用された。
装甲車や飛行機の防御機銃にする案もあったが、とにかく重く取り回しが良くなかったので敬遠されたのである。
ただし、即席でたびたび本機関銃が輸送車両や貨車に取り付けられている例はしばしばみられる光景である。

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〈四輪自動車に備え付けられた十二年式機関銃の例。取り回しは凄く悪いはずである。〉




【開発後記】
たった数パーツだと製作したとは微妙ですが重機関銃です。
兵員に一定割り当てる感じがいいです。やはり近代軍隊の基本ですからね!



殄Ⅰ型重戦闘機ピルム

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Type Ⅰ Heavy Fighter Plane Pilum


【概要】
民主連邦陸軍が保有する双発重戦闘機。意気揚々な国産機である。
空力的に洗練された流線形でスマートな機体が特徴。
主な任務は制空だが、何と一機で制空・爆撃・偵察と様々な任務ができるように設計されている。
戦闘機としても重武装である。とってもお得だ!
もちろんそんな都合のいいことがなく、重篤な問題を抱えながら本機は今日も元気に民主連邦の空を飛び回っている。
ちなみに「殄」は長距離を飛び、敵地を制圧する制空戦闘機につけられる名称である。

【開発経緯】
撃Ⅰ型戦闘機「グラディウス」の運用に成功した民主連邦陸軍。
グラディウスの量産により民主連邦航空技術の基礎は構築されたことは疑いない。
いよいよ満を持して設計から量産まで国産化する時が来たのであった。
グラディウスは優秀な戦闘機であったが、要撃戦闘機的な色彩が強かった。
大馬力エンジンで小柄な機体は敵地に打って出て、敵戦闘機をあらかた落とし、制空権を奪取するような任務には向いていなかった。特に航続距離が足りなかったのである。


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〈撃Ⅰ型戦闘機「グラディウス」。いろいろと小型なため航続距離はなかった〉


外征を志向した軍隊である民主連邦陸軍兵器局は、それではいかんと長距離戦闘機を国産化することを決定する。
そして遠隔地で重武装を発揮できる余地が多いと判断し、新型戦闘機は双発機とすることにしたのであった。
使用するエンジンは「グラディウス」にも使われた大馬力空冷エンジン「シリウスA型」である。

その一方で民主連邦陸軍は貧乏な軍隊である。
陸軍上層部の幾方面から「どうせ双発機にするなら多用途に使えるようにしよう」という声が上がった。
事実発動機の出力には余裕があった。
そのため陸軍上層部、前線司令官、機甲部隊、歩兵部隊と様々な将官から出る様々な要求をほぼ際限なく仕様書に盛り込んでしまったのであった。
届かないのは最前線に立たされる将兵の声だけである。

こうしてできた要求仕様書「F1/16」に受注メーカーである銀星重工は目を剥いた。
主な要求をまとめると「戦闘機・爆撃機・偵察機として満足に使える双発重戦闘機」というものであった。
律儀な銀星重工設計部はすべて実現しようと躍起になって取り組んだ。

遠隔地を駆け、敵航空機を叩き落す双発重戦闘機としては後方に大口径の機関砲を搭載した。
爆撃機としては速度を稼げるように流線型を志向し、複数個所に防御機銃を搭載した。
そして偵察機としては長時間飛べるように胴体下部に大容量燃料タンクを装備した。
設計は要求に沿おうと極めて総花的なものとなったのである。

製作された試作機は流線形を志向したため双発機としてかなり飛行性能が高い機体となった。
特に高速性は申し分なく、単発単座の撃Ⅰ型戦闘機に匹敵するぐらいであった。
問題点は後方の視界確保のため双垂直尾翼式にした結果安定性が不足していたぐらいで、これも垂直尾翼を一枚付け足すことで解決した。


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〈試作翼と武装を公開する銀星重工設計陣の様子。着実にフラグは積み重なる〉


これはいけるぞと陸軍兵器局は早速銀星重工に量産を命じたのである。
主要任務は制空なため戦闘機という名称だが、場合によっては爆撃も偵察もできることを当然見越してのことであった。
これにより複数機種の航空機をわざわざ配備運用することもなくなり、極めて効率よくかつ経済的に大航空部隊を編成できる。
陸軍上層部はそんな(捕らぬ狸の皮)算用を立てていたのである。

こうして生産し順次配備された殄Ⅰ型双発戦闘機は前線将兵から「何か凄い最新鋭の戦闘機が配備されるらしい」と大変な期待を一身に受けたのであった。
その全金属性の近代的でスマートな姿はその期待に全身で応え、歓喜の声で迎えられた。
しかしその声が絶望と怨嗟の声になるまで時間はかからなかったのである。


【性能諸元】
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【乗員3名 武装20mm機関砲×1 13mm機関砲×3 100kg航空爆弾/焼夷弾×4】

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二基の「シリウス」空冷発動機。
基本的には撃Ⅰ型戦闘機と同じものだが、双発にするため回転方向の調整など小改造を施したためB型と呼称される。

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偵察機としての運用を見越して広い視界を確保するため、大型のキャノピーが機首に配置されている。
しかし操縦席は機銃席の後ろにあるため絶妙に見えない。
防御用武装として13mm機関砲が最前方に1挺装備されている。

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必殺の後部銃座は20mm長機関砲。
後ろから追ってくる戦闘機を追い払うどころか一撃で屠れることを狙い搭載された。
弾数が一弾倉20発、更に交換も含めて80発しか搭載しておらずいろいろと不安が残る銃座である。

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主翼を展示公開した写真。楕円翼が特徴的である。
翼内機銃は13mmが1挺ずつ搭載されている。
小型爆弾(100kg相当)も合わせて4発載せることができる。

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流線形が美しい本機。
試作型・初期生産型はそれに合わせて引き込み脚だが、後に着陸時やたらと主脚が折れ、以降固定脚になってしまった。
速度はあんまり変わらなかったから気にしないことにしている。


【実戦】
満を持して実戦に投入されたのは民主連邦陸軍の多くの他兵器と同じく華南共和国内の敵対軍閥との争いであった。
ろくな航空戦力を持たない敵勢力に対し爆撃は効果的と考えた軍上層部は、早速本機を爆装させ威風堂々出撃させたのであった。


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〈前線飛行場でグラディウスと共に待機するピルム。中期生産型なので固定脚である〉


結果はあまりにも惨めなものであった。
まず爆弾搭載量が爆撃機としては僅か100kg×4と到底少ない内容であった(ちなみに撃Ⅰ型戦闘機は100kg×2が搭載できた)。
いくら大編隊を組んで爆撃を仕掛けたとしても打撃力が乏しいことが判明したのである。

また戦闘機としても鈍重で、敵の対空砲火をよけつつ爆撃、そして機銃掃射なんてことは不可能なことが明らかとなった。
単葉戦闘機相手だと容易に後ろをとられてしまうことが判明したのである。

そして最も重要な欠陥として偵察任務用に搭載した胴体下部の大容量燃料タンクは被弾すると容易に漏出し、最悪の場合火だるまになるということがわかってしまった。
意気揚々と爆撃に向かったピルムの少なからぬ数が被弾炎上墜落し、僚機が燃え堕ちる様相を見た他の搭乗員の士気は軒並み下がり、乗機拒否が相次いだという。
結局のところ戦闘・爆撃・偵察に使える多用途機なんてものは全て幻想にすぎなかったのだ。
後に残ったのは中途半端で高価な駄作機なのであった。

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問題の胴体下部燃料タンク。
大容量だが対空砲火に当たりやすく、簡単に火が付く。


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〈横から見た本機。後部の長20mm機関砲が目立って印象的である。でも弱い〉


それでもたくさん量産してしまったこともあり、また航続距離だけはそれなりにあるため現在も主要な航空部隊に配備されているという。
将兵からの愛称は「火の鳥」である。



【開発後記】
器用貧乏な万能双発戦闘機、1930年代中ごろにありそうな感じを狙って作ってみたものです。
特に前面キャノピーがいい感じになりました。なかなかスマートでかっこいい!って感じです。
開発方面の参考はフランス軍のBCR計画辺りを基にしています。
グダグダ感も含めてなかなか好きなお話ですね。
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Author:けーにっひ
駄作兵器と失敗兵器と旧兵器が大好きな人。
ロマン溢れるいろいろと歪んだ兵器をレゴで作るのが趣味。

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