十一年式重戦車 プラエトリアニ

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11th Year Type Heavy Tank Praetoriani


【概要】

民主連邦陸軍が誇る重戦車。
凄まじい火力と絶望的な機動力を誇る。
戦車としては世界でも最大級である。
量産は当然進んでおらず、戦車旅団に少数配備されている。
強力な兵器だが緒戦は工兵の働きによって支えられている存在である。


【開発経緯】

民主連邦陸軍の正式戦車「八年式中戦車ホプリタイ」の正式採用から3年。
改造に改造を重ねてきたホプリタイにも限界が露呈し始めた。
例えば主砲でも初期型57mm→最新型100mmと格段の(そして無理やりの)改造を行なってきた結果、そもそもの構造上の限界が出てきたのである。
既にエンジンに悲鳴が聞こえ、足回りにガタが出始めたのであった。

そこで民主連邦陸軍はより強くより高性能の戦車を求めた。
各国MBT級に引けをとらない性能を求めたのである。
早速陸軍省は新型戦車「甲」計画を上奏、予算の獲得に動き始めた。
破印津陸軍大臣は執念に燃えていた。

最初、兵器局は各国MBTの性能を参考に重量50t程度、主砲120mmの近代的戦車の開発を考えていた。
技術が許すならば自動装填装置やリクライニングシートによる劇的な車高低下も見込んでいたのである。
兵器局の高官たちはほくそ笑んだ。これで我が国もようやくまともな戦車を持てる、と。
しかしその計画を聞いた民主連邦の最高指導者、日虎大統領の一言によりすべての計画はコペルニクス的転回を迎えることとなる。

彼はこう言った。「武器をたくさん載せれれば強くね?」と。

これで決まりだった。
重量50t、主砲120mmの近代的戦車は大統領の意向による計画の大幅修正により重量300t、二連装主砲180mmの超大型多砲塔戦車となった。
反対も抗議も無駄であった。批判者は全員西太広洋の離島に左遷されたからである。
こうして上記の性能を要求しつつ、銀星重工に開発命令を出したのであった。

しかしここで銀星に対抗するおもわぬ勢力が名乗りを上げた。
天才工学者、フェルナンド・ポルッシェ率いる海王モーターズである。
同会社はそもそもモーターカーの生産を主としており兵器は開発したことがなかった。
しかしポルッシェ博士は、電気の力を利用することによって300tの戦車でも公道を時速80kmで走ることができると豪語したのである。
この発言は兵器局、というより大統領の興味を大いに惹いた。

そこで兵器局は銀星と海王、二つの会社を争わせてよりよい方を採用しようと考えたのである。
期間は二ヵ月後。戦車試験場での走行テストである。両社は徹夜で作業したのであった。

こうして二ヵ月後。二つの300t級重戦車が戦車試験場に運ばれた。
大統領以下閣僚たちは海王の試作型戦車に胸をときめかせつつ見学した。
まずは銀星の試作型が走行を披露した。
水冷式エンジンを二基装備することによってその300tもの巨体をなんとか動かせることに成功したのであった。
時速は15km。当然、大統領たちにあまり関心はなかった。

そして待望の海王試作型の走行試験が始まった。
しかしモーターがうなり声を上げて走り始めたのもつかのま履帯が地面にめり込み始めた。
履帯は細切れとなり、土を盛大に巻き上げ、ついに制御不可能となり溝に盛大に突っ込んで静止した。
一瞬の出来事であった。その日の午後一杯は乗員の救出に当てられた。
兵器局はこれを鑑み、銀星の試作型を正式採用したのであった。

大事故
〈事故の様子。シンガボーロタイムスより切り抜き。〉

調査の結果、海王の車体には1000箇所を越える重大な問題点が指摘された。
しかし海王の試作型に搭載された主砲塔自体は優秀なものだったので銀星の車体にそのまま載せる事にしたのであった。
民主連邦軍待望の重戦車が誕生したのである。

試作砲塔
〈海王試作型砲塔。右下ですましているのがポルッシェ博士。〉

プラエトリアニ
【重量:300t 武装:180mm戦車砲*2 75mm歩兵砲*1 20mm機関砲*1 7.7mm機関銃2*3 12.7mm対空機関銃*1】

名称はローマ帝国の近衛兵、プラエトリアニからとられた。もちろん将兵には定着していない。

正面から
〈正面から。よく見ると75mm歩兵砲があることがわかる。〉


比較
〈八年式戦車ホプリタイとの比較。とんでもなく大きいことがわかるだろう。〉

内装2
〈運転席はなぜか左右二つある。リスク分散と補充兵の行き先である。〉

水冷式エンジン
〈エンジンルーム。二基の水冷エンジンは大切に扱ってあげないとすぐ息を上げるから要注意である。〉

乗員
〈驚きの乗員10名。戦車長1 砲手2 無線手1 機銃手3 運転手2 副戦車長1。別名をデパート戦車という。〉

随伴兵
〈両端にはなぜか随伴兵用のスペースがある。マニュアルには随伴兵を二名つけるように書いてあるがそんなこと誰も守らない。〉

【実戦】
進撃!
〈兵と共に進撃するプラエトリアニ。官報切抜きより。〉

こうして最強の攻撃力と最強の防御力を併せ持つ(と見られた)プラエトリアニはすぐに実戦へと送られた。
場所は華南共和国国境である。実戦テストでさまざまな問題点が発見された。

まず目的地にたどり着くのが大変であった。
時速15km。その上無理な重量を走らせようというから履帯はすぐに外れた。
その上燃料も大食らいするから前線では嫌がられた。
結局この戦車の後方には常に工兵の乗る軽機動車と燃料車がついて回ることになった。

破損

もっとも攻撃力は素晴しかった。
敵軍のトーチカに向けて発砲、命中したら最後コンクリート破片を空中高々と舞い上がらせた。
しかしその威力を劇的に示した事件は次のようなものである。

ある日、華南において作戦行動中のプラエトリアニは敵戦車を発見した。
プラエトリアニでの敵戦車撃破はまだ経験していなかった戦車長は意気軒昂、早速砲兵に発砲を命じた。
発射!しかし一発目は地面にめり込んだだけである。

あわてた敵戦車は近くの建物の物陰に逃げ込んだ。
業を煮やした戦車長は建物ごと敵戦車に二発目を発砲したのである。

すると驚くべきことが起こった。建物を貫通、そして敵戦車に命中したのであった。
敵戦車の砲塔は空中高々舞い上がった。大勝利である。
その報告を聞いた上層部は早速撃破跡を見に行った。
そのすさまじい現場はプラエトリアニの攻撃力を物語るものであった。
ただひとつ問題があった。撃破された戦車は味方だったのである。戦車長が誤認してたのである。

大事故2
〈こうして華々しいデビューを飾ったプラエトリアニ。少数生産のため本国にとどまっている。〉

【詳細】
詳細1

①主砲180mm二連装戦車砲。まさかの人力なので砲手は二人がかりである。一発発射すると再装填にとんでもなく時間がかかるので二発でなんとかけりをつける。二発同時に発射すると車内のいろいろなものが吹っ飛ぶ。

②7.7mm二連装機銃塔。敵歩兵の恐怖の的。前部の機銃塔の下に運転席があるので発砲すると熱い薬莢が運転手に降り注いで甚だ不評である。後部の機銃塔は基本やることがない。

③アクティブ投光機。2km先まで煌々と照らす威力を持つ。目の前に立つと低温やけどするので注意が必要である。

④副砲75mm歩兵砲。やたら射角が狭い。再装填速度は短いが対戦車戦闘能力は低いので帯に短し、たすきに長し、である。歩兵や非装甲兵器いじめにはもってこいの代物。

⑤20mm機関砲。一応航空機も狙える。

⑥12.7mm対空機関銃。副戦車長が操作する。重いマガジンはあんまり嬉しくない。

詳細2

①後部ハッチ。砲弾はここから入れる。あと主砲の発射煙がすごいので換気するとき便利である。

②エンジンルームの蓋。何かと重い。

③車体後部は手抜いたためこの戦車にしては装甲が薄い。

④エンジンの排熱口。常に無理して動いているためかなり熱い。

詳細3

①巨大燃料タンク。これぐらいの量がないとまともな作戦行動ができない。

②主砲弾。二人がかりで運ぶ。場合によっては三人がかり。弾頭だけでも60kgある。

③副砲弾 一人ですべて操作する。扱いやすい。

④副砲後部。

⑤戦闘室を囲う重装甲。全周250mmの鋼鉄板である。この装甲が破られた記録はまだない。

⑥自爆用ラック。敵に渡ると大変なことになるためである。

⑦対戦車兵器ラック。使い捨て対戦車無反動砲が入っている。戦車なのになぜ置いてあるかわからない。



【開発後記】
考案から1年かけて作った多砲塔戦車です。モデルは悪役1号・・・かな?
キャタピラが一番お金かかりましたね・・・あと地味にサスペンションついています。結構気に入ってる作品です。


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No title

(開発にまつわるドラマは相変わらずネタ塗れなのでスルーしつつ)
こうして改めてまとまった写真で見ると、国連安保板で見たときより、その大きさがよく分かりますね。
存在感が凄まじいです。

細部まで色々作りこまれていて、DULの兵器の中でもトップクラスの大作ですよね。
実用性はともかく、でかいことは良いことだと思いますw

No title

感想ありがとうございます!
半年ぐらいずっとWCOで作る作る言って作らないのは国威にかかわるので・・・w
おっしゃるとおり一番の大作ですね。キャタピラの調達に一番時間がかかりました。でもどうしても作りたかったので・・多砲塔には「多いほど強い」という究極の(バカな)夢とロマンが詰まってますから。
確かに実戦にはほとんど役に立ちませんねw使えて要塞潰しとか示威行動とか?
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けーにっひ

Author:けーにっひ
駄作兵器と失敗兵器と旧兵器が大好きな人。
ロマン溢れる歪んだ兵器をレゴで作るのが趣味。
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どうかよしなに。

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