機動十五年式七糎半野砲

無題
75mm Mobile Infantry Gun 15th Year Type


【概要】
民主連邦陸軍で新しく採用された軽野砲。
アストメリア共和国からライセンス生産された対戦車砲を基に再設計されたという経歴を持つ。
以前使用されていた機動九年式野砲と同規格の弾薬を使うが、段違いの軽量化に成功している。
取り扱いの簡便な野砲となったため、歩兵連隊に装備する連隊砲としての役目を担う事となった。
量産も簡便であり国庫にも優しい仕様である。
もっとも近代化された軍隊が歩兵砲自体を使うかははなはだ疑問ではあるが…。
しかし歩兵火力に乏しい民主連邦陸軍にとっては貴重な存在であることは間違いない。


【開発経緯】

一斉砲撃
〈機動九年式野砲の一斉射撃〉

今まで民主連邦陸軍の主力野砲として機能してきた機動九年式野砲。
その量産性、そして高い信頼性から歩兵部隊直属の野砲として重宝されてきた。
近代国家の軍隊としては絶望的に火力が乏しい民主連邦軍を、表から裏から支える存在であった。

もっとも配備から数年すると現場からの問題点が噴出し始めた。
最大の問題は装甲兵器相手にほぼ無力であったであったということである。
その他にも重量が過大であり歩兵部隊には追随できない、背が高く隠蔽が困難であるということが判明し始めた。
以上の事を判断して機動九年式野砲の生産は終了したのである。

こうして新しく完成したのが十四年式軽量噴進砲であった。
軽量かつ大火力のロケット砲を歩兵部隊に付属しようと考えたのである。
実際にこのロケット砲は各大隊に配備され、大隊砲として使われるようになったのである。

しかしこの砲にはいろいろ問題点がありすぎた。
発射すると砲自体が跳ねるなど技術的にもいろいろ問題があったが、兵站的にも問題があった。
問題視されたのはロケット弾自体が通常の弾薬と比較して高価かつかさばるということである。
一方機、動九年式野砲はやたらとたくさん配備されたという事もあり、廃止後も弾薬がかなり余っていたのである。
民主連邦兵器局は機動九年式野砲と同じ規格の弾薬を使うが、軽量化した歩兵砲を開発することを決定した。

糸口は思わぬ方向から現れた。
隣国の最先端軍事技術国家、アストメリア共和国から軽戦車砲のライセンスが届いたのである。
この戦車砲(十四年式試製37mm対戦車砲)は民主連邦でも少量が試験生産され、一部戦車砲は実戦でも使われたが、その軽量さに高い評価が現場からなされたのであった。
この大砲の砲身を改造して75mm歩兵砲を作れないか?兵器局はそう考えたのである。

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〈アストメリア共和国の37mm対戦車砲設計図から抜粋。〉

改造は順調に進んだ。
アストメリア共和国自体の設計が優秀であったため、砲架が頑丈であったのが最大の理由である。
また赤星発動機による新型の注退機によって砲身の大幅軽量化に成功したのも一因である。
こうして生産の第一陣はほどなくして各部隊に届けられたのであった。

野砲
【武装:75mm短身歩兵砲*1 必要人員3名】

野砲2
〈後部から。方向展開や俯角も労せずに行うことができる。とにかく軽いのだ。〉

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〈歩兵2名で運ぶことができる。四輪自動車でも牽引することが可能である。〉


【性能】
軽量さと頑丈さを兼ね備えた構造であり、前線では概ね好意的に迎えられた。
機動九年式野砲より軽く、仰角・俯角もより自由度が高かった。
そのため曲射することができ、射程距離も以前と比べて格段に上がった。
もっとも、現場では直射で使用することが多かった。

生産性も高かったため、民主連邦陸軍の顔とばかりに大量に配備された。
そのため本砲は砲兵ではなく歩兵が扱うという特徴を持つ。
各歩兵連隊に1門配備された。いわゆる「連隊砲」である。
これにより歩兵が直接砲を用いるという悲願が叶った。
民主連邦陸軍は歩兵火力が高いことに定評があるのだが、その重要要素を構成するのが本砲であり、そのドクトリンを体現する存在ともいえる。

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〈砲高が低下し、発見率や被弾率が低くなった。写真はうだるような密林で構えた砲兵陣地。〉

また砲身部分のみを取り出し戦車や装甲車備え付けの砲としても使用された。
その汎用性は海軍の艦自衛用の武装としても採用(無断コピー)されるほどである。
ただ歩兵砲というジャンル自体が生き残っていることは、砲兵火力や航空支援が不足しており、歩兵部隊のみで対処せざるを得ないという民主連邦軍の懐事情を示すともいえよう。

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〈例えば十六年式重戦車コローニアの側面砲は本砲をそのまま使用している。〉

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〈コンパクトであったため、装甲列車の側面砲にも使用されている。ここを撃たれると弱い。〉


【運用】
本砲は例によって華南共和国北西部の反政府勢力掃討のために極秘で持ち込まれ使用された。
そもそも民主連邦軍が表立って鎮圧に当たるのは政策上あまり好ましくないと考えられた。
そこで一個歩兵連隊がひそかに帝国に上陸、鎮圧作業に当たった時に本砲は初めて用いられた。

インフラが整っていない華南共和国北部で軽量な本砲は重宝され、市街地でも歩兵部隊に随伴する事ができた。
しかし短砲身であり、装甲を破壊することは設計段階から期待されていないため装甲兵器相手には無力であったのである。

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〈市街地戦での様子。狭い路地でも持ち込むことができた。〉

民主連邦陸軍で普遍的に配備された機動十五年式野砲は、同国が関わる何れの戦場でも普遍的に見ることができる。
どんな過酷な環境でも動作不良を起こしにくいことから、将兵から愛されし存在であると言えよう。
うだる熱帯雨林でも、酷暑の砂漠でも、凍える山岳地帯でも、むせる市街地でも、ありとあらゆる場面において、陸軍将兵を支援し、時には骸と共に戦場に放置されたのである。

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〈3名1班で運用される。時には簡易的な野戦陣地を設けて使用された。〉

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〈突撃を掩護するために前線に引っ張り出されている本砲の様子。〉




【開発後記】
歩兵大隊直属の歩兵砲。なるべく軽くかつ砲身を短く造ってみました。
しかし元のアストメリア共和国の設計が素晴らしいですね…この機構はまねできない。
ほとんど砲身だけいじったものです。





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