十一年式四輪自動貨車

十一年式四輪自動貨車
11th Year Type 4 Wheels Truck

【概要】
民主連邦陸軍が運用している四輪自動貨車…もといトラックである。
装甲が施されていなかったり馬力が低くいろんなところでガタが来たりとあるが、将兵の貴重な脚である。
構造も簡易なため量産や修理も比較的楽なのも嬉しい。
その汎用性のため、本国のみならず華南共和国軍や、果ては海軍陸戦隊まで使われている。
今日もその足を活かして民主連邦軍を陰で支えているのだ。


【開発経緯】
馬しかなかった民主連邦軍の泣き所は機動力であった。
今までは、物資の輸送や砲の牽引は馬で十分だったのである。
民主連邦軍の兵士にとって、乗馬は欠かすことのできない技能であった。

しかし、近代戦争とは総力戦であり消耗戦である。
上層部は今のような輸送方式だと、民主連邦が総力戦をはじめたとき到底物資の供給がままならないだろうと判断した。
そこで、銀星重工に四輪自動貨車-すなわちトラックの生産を命じたのである。
ひとつの条件…安価で量産できるという条件だけをつけたのであった。

委託を受けた銀星重工は徹底的な簡略化とコストカットを志向した。
部品は既存の民生車両からなるべく流用する、整備性を重視し壊れにくい設計を目指した。
民生車両を参考にした結果、命令からわずか3か月で試作型が完成したのであった。
こうして民主連邦待望のトラックは完成した。
四輪機動貨車が正式名称だが、将兵たちにそんな名前が覚えられるわけもなく、単にトラックと呼ばれている。

進撃する四輪自動貨車

この車両の最初の評判は上々であった。
今まで歩かなければいけなかった将兵たちは、いまや車で楽々といけるのである(ごく一部であったが)。
しかしレゴソウル国XS501のライセンス版である十年式中型乗用車が軍にいきわたるとある衝撃が現場の間で走った。
トラックなのに普通の乗用車であるXS501と搭載人数が変わらなかったのだ。
「四輪自動貨車のメリットは・・・」将兵たちの間にこのような疑問が駆け巡った。
搭載量の少なさは根本的な問題だったが、大型のトラックを作るには資材も技術も無かったのである。

そしてもうひとつの問題が発生した。
初の実戦参加であった華南事変のことである。
兵員保護用の防弾板が施されているにもかかわらず、機関銃弾が鮮やかに片側を貫いたのである。
将兵たちの乗員拒否が相次いだ。
「歩いたほうがまだ安全だ」彼らは口々にこう言った。

将兵たちに愛されたトラックは「紙細工」と呼ばれ、冗談の対象となったのである。
「敵の銃弾はこの四輪装甲車の装甲を貫通するかね?」「いいえ、閣下。銃弾は片側を貫いて、中を飛び回るだけです!」
このようなジョークが前線で流行った。
次期生産型になると、生産簡略化のためそもそも防弾板すらつけなくなった。

しかし銀星重工の圧力により、民主連邦政府は代わりのトラックを持つことができなかった。
そもそも大量生産できる設備を持っているのが、この国では銀星重工しかないのである。
問題は初めて本格的な軍用車を持った民主連邦将兵が調子に乗って最前線を本車両で突撃した事にあった。
ほんの数年前まで自動車が軍隊ですら普及していなかったのである。その反応は無理もなかった。
トラックはそういう使い方をするものじゃない。
そのうち正しい理解が芽生え始め、結局普及したのであった。

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〈密林地帯を疾走する本車。悪路が多いため、たびたび車両は泥に呑まれ全損した。〉

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〈車高が高いので少々乗るのが面倒である。荷台には6人乗ることができる。〉

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〈出荷される兵士達。背中には背嚢と哀しみを背負う。〉

現在、恐らく最も量産された民主連邦軍車両は本車だと考えられる。息が長い兵器である。
そのため生産時期ごとに微妙にマイナーチェンジしており、最も最新の車両は前車輪にマッドガードが取り付けられている。
兵士達とって最も身近な車両であり、武器弾薬や兵士を前線に運ぶという、地味ながら軍隊の根幹を左右する重要な任務を務めたのである。

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〈補給地で待機する四輪貨車群。戦場で大量に消費された。〉



【製作後記】

いろんな国家の車両やインディー・ジョーンズシリーズを参考にしつつできたトラックです。
作ってから人があんまり乗らないことに気づいた哀しきトラックです。
モデルはWW2ソ連のトラックです。ちょっとレトロな感じがお気に入りです。
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No title

どうも、こちらでははじめまして。
ベルヴァルト帝国のコルネリアス7世です。

遅ればせながらトラック拝見しました。
自分もこういうタイプのトラックが好きです。
レトロですが、あえて我が軍の中型トラックも、
こういったボンネットタイプに「更新」してしまったほどですw

以前から拝見していますが、設定なんかもウィットがあって楽しませていただいています。
もしよろしければ相互リンクしていただけますでしょうか?
ご返事お待ちしております。

No title

コメントありがとうございます。貴国のサイトを早速登録させていただきました。
やっぱりボンネットタイプはいいですよね・・・というよりも自分はWW2期や以前の兵器は一生懸命に働いてる感じがして好きです。愛を感じますねw
貴国のサイトはよく拝見しています。レポ等に前線の雰囲気を感じますね。いつか真似してストーリーを書きたいなぁ、と思ってます。
プロフィール

けーにっひ

Author:けーにっひ
駄作兵器と失敗兵器と旧兵器が大好きな人。
ロマン溢れる歪んだ兵器をレゴで作るのが趣味。
コメントいただけると嬉しいです。
どうかよしなに。

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