十五年式小型乗用車カルス

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15th Year Type Light Vehicle Carrus


【概要】
十三年式偵察車ロリカを本体部分を流用した、4人乗りの小型乗用車である。
軽く、ある程度の悪路走破性もあり、更に安いことから、大量に生産され、前線で消費されている。
十一年式四輪自動貨車と共に、最も民主連邦軍で普及している車両であり、将兵に最も近い兵器の一つなのである。


【開発経緯】
十三年式偵察車の存在は、民主連邦陸軍に大変なるインパクトを与えた。
このよくできた兵器は、隣国であり同盟国でもあるアストメリア共和国からライセンス生産したものであったが、速く小回りが利き、生産コストも低いという化け物のように優秀さを誇っていた。
何よりも恐ろしい事はこれが共和国軍では半世紀以上前に使用され、博物館で置かれていた骨董品であったということであったが、それはともかくとしてこの優秀な車両を偵察車程度で留めておくのも勿体ない話である。
既にロリカを一部改造した弾薬車も配備されていたが、その使いやすさに将兵は更に絶賛した。
同車をより汎用的に使える乗用車にしよう!という声は日増しに高まっていったのである。

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〈ロリカ弾薬車。重い弾薬の運搬に苦しめられていた将兵にとってありがたい存在だった。〉

将兵の声を無視する事に定評のある上層部としては珍しく、この要望に乗り気であった。
民主連邦の輸送能力は常にパンク気味であり、特に鉄道輸送後から末端へ物資が届くまでが壊滅的に滞った。
それはさながら血管が塞がり、末端の神経が死んでいくがごとしであった。
既に四輪自動貨車のほか、陸軍には十年式中型乗用車があったが、この車両の走破能力は低い。
乗用車が乗り付けられない低インフラの戦地へは、多くは馬匹、時には人力で輸送しており、さながらその光景は到底近現代の軍隊と言えないものであった。

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〈前線の物資集積所。民主連邦の兵器が刷新されるほど、必要な物資は加速度的に増えた。〉

早速陸軍兵器局は、低調だが堅実な仕事ぶりに定評のある銀星重工に、十三年式偵察車を改造した汎用自動車を製作することを命じた。
銀星重工としても、楽な仕事であった。
主な仕事は弾薬輸送車の後部を改修して、座席を取り付ければよかっただけなのだから。
他にもオープントップにしたり、重機関銃用の銃架を取り付けたりしたが、基礎は殆ど変わっていない。
それほど初期設計が優秀だったのである。

銀星重工設計陣は、3ヶ月という驚異の開発速度で試作車を完成させた。
4人乗りという少ない搭載能力ながら、親譲りの走破性、そして生産性にいたく満足した兵器局は、早速生産を指示した。
こうして本車は劇的な生産速度で、瞬く間に部隊に普及したのである。


【性能】

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乗員は4名。2名なら100km/hというかなりの速度を出すことが出来る。なお二輪駆動である。

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後部には十二年式重機関銃を乗っける銃架を装備。簡易的な偵察や追撃任務にも使用された。

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発動機は前部のクランクを回してかける。他国軍では絶滅した、古式ゆかしき風景である。

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後部には牽引器具が取り付けられている。数字は部隊番号だ。


本車両は他国と比較していろいろと原始的な車両だったが、それが幸いして全体的に堅牢な設計であり、またすぐ壊れてもすぐに修理することができた。
馬力が低く、そもそも発動機自体旧式であったが、そもそも民主連邦国内ではその程度の車両しか民間に普及していなかったため、哀しいことに特に問題はなかったと言える。
むしろ兵士にとって扱いやすい代物と言え、一部の一般歩兵でも直せたぐらいである。

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〈フィールドキッチンを牽引するカルス。まことに将兵に近い存在であった。〉 

4人しか乗れないことは確かにネックであったが、6人乗りの十年式中型乗用車が補完した。
歩兵連隊に一定程度割り当てられ、偵察や連絡、輸送に移動と様々な局面で酷使されたのである。
大量に生産されたカルス小型乗用車は、民主連邦軍の行くところ、戦地に大量に持ち込まれ、大量に酷使され、敗退して大量に放棄された。
またつつがなく兵役を務めた車両は民間に安価に払い下げられた。
その結果として、多くの本車両を民主連邦の街角で観ることができるのである。

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〈歩兵連隊には必ず付属した。歩兵部隊だけではなく、海軍や内務軍でも用いられた。〉




【開発後記】
ポポさんに作っていただいた車体をそのまま流用し製作した民主連邦のジープです。
主な改良点はオープントップにして座席を付けたぐらい。本当に基礎設計が優秀ですね。
とても作りやすいので、たくさん製作しちゃいました。こういう車両は数があると、雰囲気が出ていいものです。






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FS-1 汎用戦闘機コルウス

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FS-1 Fighter Bomber Corvus


【概要】
民主連邦海軍が堂々誇る単発単葉固定脚の戦闘爆撃機。
強力な発動機を搭載しており、優れた搭載力と力強い飛行能力を持つ。
これさえあれば空中戦も爆撃も偵察もできると意気込んだが、勿論そんなことはなかった。
単座型と複座型が存在するが、どちらも駄作機であることは変わりはない。
汎用的ではあるが、大体において平均未満の性能なのであった。
しかし確かに汎用的ではあるので、海軍航空隊の主力として現在君臨している。


【開発経緯】
初の国産戦闘機、撃Ⅰ型戦闘機「グラディウス」の成功は、海軍首脳部を発奮させた。
陸軍にはかっこいい全金属製単葉戦闘機があって、海軍にはない。これは耐え難い状況である。
栄えある海軍航空隊にも、全く新しい新鋭戦闘機が欲しかった。
かくて汎用戦闘機構想「NF1/17」が始動したのである。

しかも構想が進み始めた時期に、ちょうどいい形で性能の良い発動機の生産余剰があった。
天ノ川皇国が誇る最新鋭空冷発動機のライセンス版、「アリエルA型」が余っていたのである。
元はと言えばこのエンジンは撃Ⅱ型戦闘機「サウニオン」に搭載されるものであったが、高価で、操作性が難しく、また事故も多いことから、当初の予定と比較して生産数が激減していた。
それと相反して発動機は、海王自動車のほかにも銀星重工や赤星発動機が肩代わりして生産していたため、機体と比べて過剰気味に納入される羽目となっていた。
せっかくの最新鋭発動機が倉庫で埃を被る憂き目に逢っていたのである。

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〈「アリエルA型」空冷発動機。民主連邦が持つ最強の発動機である。〉

どうせならこれを使おうということで、海軍は強権をもって余ってた発動機を買い集め、民主連邦一の巨大軍需企業、銀星重工に最新鋭戦闘機の注文とともに下げ渡した。
その際に「海王自動車側も新鋭戦闘機を製作する用意がある」と連絡してきたが、何を作ってくるかわからず、海軍側はとても怖かったので、景気よく無視したのであった。
その点前線将兵の期待には応えないが、確実に要望を期間内で形にしてくれる銀星重工には抜群の安定感と信頼感があった。

海軍側は優秀な発動機に物を言わせて、多用途に使える全金属製単葉機を夢見た。
戦闘機としては強力な武装を持ち、爆撃機としては抜群の搭載量を誇り、偵察機として敵機を振り切る優速性を持つ。
既に陸軍が全く同じ構想を夢想し、惨敗していたのだが、全くの別組織である海軍は当然そんな事は知らない。
殄Ⅰ型ピルムを設計した銀星重工は熟知していたが、彼等も賢いので当然そんな事は言わない。
かくして駄作へ向かう喜劇の幕は開かれた。

銀星重工側は海軍の意向を受けて、撃Ⅰ型の武装を遥かに上回る20mm機関砲を2門取り付けた。
更に爆弾ラックや増槽を取り付け、更に偵察/爆撃機用に複座型も併せて製作した。
その配慮のきめ細かさにおいて、足りないのは前線部隊に対する配慮だけであった。
いろいろ取り付けたので、機体重量が当初より遥かに上回り、引き込み脚にすると折れるということで、固定脚となった。

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〈量産されるコルウス戦闘爆撃機。銀星重工は民主連邦随一の生産施設を有していた。〉

こうして受注から8ヶ月という順調な速度で試作機が完成、固定脚のせいで速度は当初より遥かに下回ったが、それ以外は要求項目を満たしていたこと、そして調達費用が低く安価であることが決め手となり、正式に量産されることとなる。
正式量産型はカラスを意味する「コルウス」と名付けられたが、カラスより遥かに重く、カラスより頭が悪かった。
本機は撃Ⅰ型戦闘機と並ぶ、民主連邦軍を代表する戦闘機となったのである。


【性能】

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乗員:1名
武装:20mm機関砲×2(複座型+13mm機関砲×1)
    100kg航空爆弾/焼夷弾×4 500kg航空爆弾×1

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「アリエルA型」発動機は大馬力であったが、重量過多であるため、固定脚となった。
太い固定脚は前近代性を演出するが、未整備の野戦飛行場でも着陸することができた。

20mm機関砲を2門も載せている。搭載弾数が80発と少なく、使いづらかった。
ただし大威力を誇り、地上攻撃で敵に脅威を与えることができた。
のちに代わりとして主翼に13mm機関砲を取り付けたタイプも生産された。

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複座型。後部座席に13mm機関砲の回転砲塔を取り付けたので更に重くなった。
開発コンセプトは全方位に攻撃できる戦闘機!だったが、勿論そんなことはなかった。
後部機銃座は民主連邦陸軍でも随一の危険地帯である。
単座型と比較して、わずかし機体全長が増加している他、目立った違いは見えない。

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単座型。やたら頑丈であり、整備しやすいのは本機の優れた点である。
その点については、整備兵に大いに好まれた。
単座型は戦闘機として、複座型は爆撃/偵察機として使用される傾向にある。


【運用】
海軍航空隊の主力として、ベリサリウス中型爆撃機と共にあらゆる民主連邦の軍事行動に従事した。
とりあえず何でも使えるので、戦闘から爆撃に偵察とあらゆる任務に使用された。
しかし爆撃機としてはベリサリウスに搭載量に大きく水を開けられ、戦闘機としては陸軍のグラディウスに速度で大きく劣るという、性能的にいいところはない飛行機であり、素直に駄作といえた。
本機が秀でているのは汎用性と、量産性、そして頑丈な部分であった。

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〈陸軍との共同基地にて駐機するコルウス。重いため離陸するのに時間を要した。〉

戦闘機としては鈍重であり、往々にして対空砲火の犠牲となった。
華南共和国内にて行われた軍事行動で最も喪失数が多かったのは本機である。
その分地上を這う将兵に近い存在であり、地上軍と連携して爆弾や銃弾を雨あられと放り込んだ。
グラディウスが純粋な制空戦闘機なら、本機は軽爆撃機寄りの戦闘機と言えた。

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〈裏側は特徴的な固定脚のほか、爆弾や増槽が装備されている。〉

作れば作るだけ海軍航空隊の戦力にはなるため、多少の低性能には目をつぶって量産された。
コルウスは生産された分だけ、前線に配備され、使い潰された。
本機は民主連邦の後進性と、残酷な合理性を示す一端でもあるのだ。

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〈炎上墜落するコルウス。少なくない数が対空砲火により撃墜された。〉




【開発後記】
ぬぬつきさんからいただいた発動機があまりにいい感じだったので、発動機から立ち上げて作ってみた単葉戦闘機です。
単葉単発で固定脚、一時期流行った型式ですが、レゴ作品ではあんまり見ない気がします。
かなりお気に入りの作品です。我ながら鈍臭く、鉄の塊感が出た雰囲気にとても満足しています。





プロフィール

けーにっひ

Author:けーにっひ
駄作兵器と失敗兵器と旧兵器が大好きな人。
ロマン溢れる歪んだ兵器をレゴで作るのが趣味。
コメントいただけると嬉しいです。
どうかよしなに。

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