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装甲列車

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Armoured Train

【概要】
民主連邦軍が世界に堂々と誇る鉄道警備の切り札。
特に先頭砲車の有する厳めしい外見と恐ろしい車幅は世界でも類をみなく、極めて特徴的である。
強力な攻撃力と防御力を誇るが、維持する費用も見た目通りベラボーに高く、運用する内務軍は運用コストに息切れしながら今日も何とか走らせている。


【開発経緯】
近代以降の軍隊において、鉄道は必要不可欠である。
機械化が他国と比較して著しく立ち遅れている民主連邦において、それはさらに顕著であった。
動員計画は鉄道と船舶輸送が基軸であり、あらゆる陸軍部隊の兵站は鉄路によって賄われていた。
自動車もある程度配備されていたが、それはあくまで輸送網の末端あるいは補助にとどまっていた。

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〈駅にて貨車に乗り込む兵士達。〉

鉄道の維持管理は、兵站輸送を担う内務軍の最も主要な任務の一つである。
円滑な人員・物資輸送を敢行するためには、あらゆる努力が犠牲をいとわず払われた。
巨大な軍隊を動かすためには、正確なるダイヤグラムと緻密な輸送計画が必要とされた。
そして当然それを遂行するためには、鉄路の安全が確保されることが肝要であった。

インフラ
〈民主連邦の主要インフラ一覧図。〉

しかし広大な線路網の警備は困難を極めた。
特にそれは未だ戦闘が断続的に勃発する民主連邦の傀儡国家、華南共和国内で顕著であった。
敵対する軍閥兵士や民兵たちは容易に駅を襲撃し、線路を爆破し、貨車を叩き壊した。
警備する共和国軍や民主連邦駐屯軍は常に後手に回った。

特に深刻なのは車両の被害であった。
輸送中の部隊は脆弱であり、また後方の兵站が脅かされることは軍事行動に深刻な影響を与えた。
主要拠点ごとに警備兵を置いて収まるには、華南の地はあまりにも広大であった。
まさに点と線の支配である。
共和国政府は泥縄的に馬賊を雇って治安維持を図ったが、抜本的な解決にはならなかった。

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〈鉄道警備を担当する馬賊たち。あまり当てにならなかった。〉

内務軍は前線から日々聞こえる苦痛を鑑みて、車両自体に攻撃力・防御力を付与することにした。
装甲列車の始まりである。
もっとも初めは既存の貨車や機関車に鉄板を取り付け、機関銃を備え付ける程度であった。
しかし鉄道を破壊しようとする軍閥側が躍起となり、大砲や爆薬付貨車、ついには軍用機まで持ち出し、対抗するため列車側も飛躍的に増強した結果、世界でも屈指の装備となってしまった。
そもそも先進的な国家軍では装甲列車自体不要だと思う。

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〈初期の警備車両。このころはまだ可愛かった。〉

完全編成の装甲列車が持つ火力は、1個方面軍に匹敵すると言われるぐらいである。
軍用車両も必要に応じて多様な種類が製作・運用されており、内務軍はオーソドックスな車両から特殊車両まで、豊富な種類を保有している。
なお内務軍自体は管理と運用を専門としており、搭乗する警備兵は陸軍が派遣している場合が多い。


【各車両の紹介】

A.十六年式先頭重火砲車
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本車両は極めて重武装であり、47mm速射砲塔2門、側面に75mm歩兵砲を4門も備え付けている。
側面に砲を載せたこともあり非常識な幅を持つため、限られた路線しか走ることができない。
先頭部分は衝角が備えつけてあり、正面に立ちふさがった障害物を文字通り粉砕することが出来る。

47mm速射砲塔は十三年式主力戦車等に載せられているものと同一のものである。
砲塔は某東側国家が保有していた戦車砲塔の設計を無断で流用しコンパクトにしている。
75mm歩兵砲は機動十五年式七糎半野砲と同じ砲を流用しており、射角が狭いことに定評がある。

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〈計6門もの火砲を搭載しているため、内部は極めて雑然としている。〉

空間のほとんどは砲弾が隙間なくびっしりと並べられていることがわかる。
何しろ砲手だけでも6名も必要なのである。
尊大な見た目と裏腹に装甲厚は控えめなので、ごくまれに敵弾が貫通して大爆発を起こす。
よりによってスポンソン側面部分にハッチがついている点も、その脆弱性に拍車をかけている。
それでもその火力は敵部隊にとって脅威であり、内務軍にはそれなりに尊重されている。
なお余りにも重量があるため、大型の機関車じゃないと編成に入れることが出来ない。


B.十七年式中間重火砲車
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十六年式先頭重火砲車の設計を全面的に見直し、利便性と常識性を高めた火砲車である。
武装は47mm速射砲塔2門。
側面砲を除去し衝角を控えめにした結果、車高を抑え、先頭でなくても運用できるようになった。
全方位に向けて安定して砲を指向でき使いやすいため、装甲列車の編成に多く使われている。
重量も軽減したため小型の機関車でも無理すれば牽引できるようになった。
2階には完全武装の内務軍兵士が搭乗しており、銃眼から安全に銃撃を加えることができる。

本車両は民主連邦海軍にも注目され、なんと秘かに台車を外し改造、装甲艦として使用された。
後の彼らの言い分では「理論上は可能だった」という事だが、当然うまくいくはずもなく、新造装甲艦「パインドネシア」として揚々進水したのち30分で浸水沈没することとなった。

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〈装甲艦「パインドネシア」級。この写真の後すぐ沈んだ。〉


C.十八年式重機関車
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連なる軍用車両を牽引する機関車。
その中でも十八年式重機関車は最も馬力が高いものであり、2基の発動機を内蔵している。
外見は実に武骨で、乗り込みやすいようにあちこちに手摺が取り付けられている等実用最優先の造りをしており、頑丈かつ整備性が高いのが強みである。

本車は他のものと比較して、設計が大幅に見直されていることも特徴である。
民主連邦が独自で製作した機関車として、十六年式軽機関車〈写真〉や十七年式重機関車が挙げられるが、設計技術が未熟であったため、両車両とも欠陥車として名高い。

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〈十六年式軽機関車。足回りに重篤な問題を抱えており、カーブが曲がれなかった。〉

本車両に限らず、民主連邦軍が使う機関車や貨車は、平時では民間需要を賄うために使用されている(ただし大半は国有鉄道によって運用される)。
準戦時や戦時に認定されると、内務軍が動員計画に従い段階的に徴用するシステムが構築されており、そのため戦時状態が長引くと国民生活に著しく悪影響を与えるという、実に軍事政権らしい愉快な仕様になっている。


D.十七年式速射砲車
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列車警備用の砲車である。
要塞用に使われていた57mm速射砲を2門備え付けており、即応火力を担う車両となっている。
乗員は4名。
速射砲は、要塞用としては貧弱だったためお役御免となったものを、内務軍が拾ってきた。
頑張れば装甲車両も撃破できるかもしれない。

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〈57mm速射砲。可もなく不可もなくといった性能である。〉

仰角は広めにとれるが、対空砲にはならない。
中央部分には申し訳程度の装甲天蓋と砲弾ラックが備え付けている。
砲弾ラックに敵弾が命中すると、綺麗に貨車ごと吹っ飛ぶことで悪名高い。
本車両は比較的軽く汎用性が高いので、多くの編成で使用されている。


E.十八年式重速射砲車
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十七年式速射砲車に小改良を施し、より高威力な75mm速射砲を搭載した列車警備車両である。
75mm速射砲は同じく不要となった要塞からもぎ取ってきたものであり、贅沢にも防盾までつけたため、かなり図体が大きくなってしまった。
そのため1門しか載せる空間がなく、それでもギリギリなので旋回半径がかなり制限されている。

しかし57mm速射砲と比較して貫徹力や爆風半径は大きく、射角をつければ射距離をのばせる。
列車警備用のみならず、前線に引っ張り出されて火力支援に当たることもある。
車両は一応装甲化しているが、装甲天蓋部分に砲弾が詰め込まれていることは改良前と特に変わりがないため、往々にして貨車ごと吹き飛ぶことも変わりはない。


F.十七年式指揮車
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装甲列車を指揮する、いわば頭脳の機能を果たす車両。
車内にはぎっちりと通信機械や電子機器が詰め込まれており、武装は皆無である。
大きな鉢巻きアンテナが特徴。簡易的な編成の場合は持て余すので、大規模編成時に接続される。

高性能の通信設備を備えているため、陸軍が連隊や大隊本部として内務軍から借りることがある。
つまり外からみたら本車両に指揮官がいることが丸わかりなので、逆によく集中攻撃を食らう。
そのため一部の将校からは忌避されているという。やたらと高価なのも欠点である。

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〈指揮車を用いて臨時の司令部を設立している様子。〉


G.貨車
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ある意味円滑な輸送を担う装甲列車のメインと言うべき車両。
大型と小型の無蓋貨車が民主連邦では汎用的に使用されている。

大型無蓋貨車は4輪のボギー車であり、民間貨車に小改良を加えて軍用にしたものである。
具体的には側面に軽く装甲板を取り付け、自衛用と対空攻撃用に機銃架を設置した程度である。
歩兵部隊の大半はこの車両に詰められ、戦地に動員されていく。
快適度も何もかも取っ払った簡便なそのスタイルは、兵士たちから極めて評判が悪い。
鉄道輸送を担当する内務軍も、さすがに兵士がかわいそうだなと思い、屋根付きの客車を新規設計することも考えたが、そのコストから動員計画が破綻することが判明したため、事実上棚上げとなってしまった。

小型無蓋貨車は2軸の簡易的なものである。
大型貨車と同じく大量に使用されているが、こちらはどちらかというと荷物用である。
通常警備兵が1人搭乗する。


H.十六年式観測機搭載車
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小型の観測用オートジャイロを内部に格納した特殊車両である。
その限定的な用途レアリティが高く、国内外の撮り鉄が虎視眈々と狙っていることで有名である。

オートジャイロを飛ばすことで装甲列車の目となること、そして列車と地上部隊の通信連絡も見越して設計・生産されたが、発着手順が頗る面倒くさいため編成から外されがちだったりする。
オートジャイロ発進の際には一度停車し、格納庫を開けた上でクレーンを使用して機体を外に出し、機材を組み立て、さぁめでたく発進となる。
当然格納する際も同じ手順を巻き戻すため、停車したまま時間が大変かかる。
それでも砲弾の着弾観測や周辺の哨戒には便利なので、特に重要な編成の際には編入される。

I.十七年式警備歩兵車
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列車護衛する歩兵部隊を載せるための2軸無蓋車である。13mm機関砲を1門装備。
内務軍ではなく、陸軍歩兵が搭乗するのが原則である。
小銃用の銃座も取り付けられており、全方位に向けて銃撃を加えることが出来る。

簡易的な編成から大規模な列車群にまで車列に加えられており、最後尾に置かれることが多い。
全周を装甲板で覆われているが、特に防御力は高くないため、搭乗兵士の安全性はあまりない。
それでも貨車に載せられるよりはましである。
車内には折り畳み式の対空機銃架が備え付けられており、必要に応じて機銃を取り付けなおし、対空攻撃を敢行することが可能である。


【運用】
任務に応じて編成を柔軟に変えることができるのが、装甲列車の強みである。
以下民主連邦軍列車編成の代表的な三例を示してある(下図)。

民主連邦軍装甲列車編成案図

1は最も気合が入った編成であり、列車単体で自己完結性を持つことを目指したものである。
定期輸送便でこの編成にすると差し引きで大赤字なので、特に重要な編成もしくは鉄路を利用して、装甲列車自体が能動的に敵部隊を襲撃する際に用いられる。
砲や機銃火力だけ見れば通常編成の1個連隊を凌駕する火力を持っており、将官クラスが直接指揮に当たることが通例となっている。
この規模は本国では示威行動の時以外は滅多に見られず、華南共和国内で限定的に運用される。

2は最も汎用的に使われている編成であり、物資の効率的な輸送を主目的としているものである。
火砲は少ないが、自衛程度には十分な攻撃力を有し、コストパフォーマンスが高い特徴を持つ。
華南共和国内の軍用鉄道や、後方から前線の物資集積地を結ぶ路線はこの編成を多くとっている。
歩兵車が先頭に置くことで前方の脅威に対し機銃を掃射することができ、また万一線路に危害が加えられた場合でも、最悪先頭の歩兵車が犠牲となることで、後方の高価な機関車を守ることができる。

戦地輸送におけるもっとも実用的な編成が3である。
先頭に貨車を置くことで、線路に爆発物が仕掛けられる等の事態でも、被害を最小限に抑えられる。
小型貨車には大抵歩兵数名が搭乗し警備につくが、吹きっさらしなうえ最も死傷率が高い場所なので、拒否権がない新兵が当たることが多い。
また火砲車をつけることで、戦場における限定的な火力支援にも使用される。


【性能】
 装甲列車が警備に当たったことにより、鉄路の安全性は格段に高まったことは間違いない。
以前は特に本国外の地域においては、主要インフラでさえ当てにならないものであり、一部では馬匹を中心とした前近代的な輸送光景が随所で見られた。
しかしインフラ専門の内務軍の創設を契機として効率的な兵站輸送計画が実施されたこともあり、装甲列車の配備運用に反比例して鉄道の破壊件数は減少していったのである。
装甲列車の運用はつまりまとまった数の部隊と火砲を驚異的な速度で移動させることができるわけで、後進的な民主連邦軍にとっては大変重宝されたのであった。

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〈橋を渡る装甲列車。威圧感はたっぷり。〉

装甲列車は民主連邦が有する兵器で最も強力なものの一つである。
その運用は内務軍に大きな権力を与えたことも重要な点である。装甲列車を基点として、内務軍は人員や予算を以前とは比較にならないほど自由に取り扱えるようになった。
一方でそれは民主連邦の軍事費が雪だるま式に拡大し続けることを意味しているのである。




【開発後記】
装甲列車です。足かけ2年ぐらい、ちまちまと車両を作りこの規模まで増えました。
車両単体ごとに記事を書くことも考えたのですが、やはりひとくくりで書くことにしました。
展示会等では自作品の顔みたいなもので、大変気に入っています。
とても脆くて幅がトレイン作品としてはおかしなぐらいあるのも、ご愛敬ってやつです。
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十四年式二糎機動対空機関砲

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20mm Mobile Anti Aircraft Gun 14th Year Type


【概要】
民主連邦内務軍や陸軍を中心に配備されている対空機関砲。
砲架部分に取り付けられている車輪が最大の特徴である。
対空兵器としては貧弱だが、その汎用性と手軽さから大々的に使用されている。
前線ではむしろ強力な対地上用兵器として使われることが多い。


【開発経緯】
民主連邦軍の数多くある欠点の一つに、防空というものがあった。
元々敵地に打って出る思考であったため、防御的兵器を軽視しがちであったということもある。
その最たるものが、防空兵器であった。
事実本国都市部の防空配備が問題視されるようになったのは、驚くほど後のことだった。

部隊や重要拠点についての防空も、その状況に似たり寄ったりである。
対空砲や照空灯に費用を投じるよりも、その金で戦闘機を買えばいいのでは的発想だった。
現地部隊では、せいぜい対空銃架に既存の機関銃を備え付けるぐらいしかやらなかった。
そもそも民主連邦が砲火を交えていた敵はいずれも小規模で、爆撃機すら満足に保有してなかった。

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〈四輪自動車に取り付けられた歩兵用機関銃。対空機銃としても用いられたが、貧弱だった〉

しかし同盟国の敵対国から亡命した戦闘機が堂々と、民主連邦の首都に着陸するという大事件が起きて以降、防空に対して本格的に取り組まなくてはいけないようになってしまった。
接近する戦闘機を監視網は捉えられず、戦闘機が要撃することもなかったのである。大失態だった。
これにより、数段構えの防空網の必要性が、上層部の間に広まったのである。
ということで移動対空砲防空レーダーなどの兵器が開発されたのであった。

そうなると次に必要なのは即応性が求められる対空機関砲であった。
低空から飛来してくる敵航空機に、有効な弾幕が張れるようにしたかったのである。
しかし既存の7.7mm機関銃や13mm機関砲では威力が不足していた。
そこで陸軍並びに内務軍は共同で新たな口径の野戦対空機関砲を発注することにした。
依頼先は相変わらず火砲に定評のあった銀星重工である。

銀星重工側は「一撃で敵機を屠れるように」という指示から、連射できる口径としては技術的限界いっぱいいっぱいである30mmを選択した。
特筆すべきは砲架三脚部分に鉄輪を装備したことであった。
これは、どうせ機械化していない我が国軍は人力で対空機関砲を動かすに違いないであろう、という読みであったのだが、哀しいことに結果的に大当たりしてしまう。
砲架の設計に少し苦労したものの大胆な割り切りで、命令から約半年で試作機が完成したのだった。

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〈陸軍部隊に先行配備された機動対空機関砲。最初は好評だった〉

陸軍や内務軍の一部部隊で先行量産型が早速配備された。
少数の本兵器が実際に戦地で持ち込まれ、実際に使用されたのである。
30mm機関砲の威力は凄まじく、狙った敵兵を木々叢と共に文字通り粉砕した。
歩兵部隊が擁していた武器兵器では、紛れもなく最も破壊的な威力を発揮した。

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〈配置展開する30mm対空機関砲。特に陣地防御に活躍したという〉

しかしそう簡単に行かないのが民主連邦という国である。
前線からの絶え間ない苦情により、この機関砲は使用すると爆発するという事が明らかになった。
特殊鋼の耐久力不足のため、使用すると本当に砲身部分が暴発した。
爆発は射手を巻き込み、酷いときは弾倉に引火し、大惨事となったのだ。

ということで本兵器は将兵達に「爆発する銃」と恐れられたため、早急に対策が求められた。
といっても冶金技術を一昼夜でどうにかなるわけでもなく、銀星重工側は結局弾薬をサイズダウンして負担を減らすようにするしかなかったのである。
30mmから20mmに口径を変更し砲身も短くする改造が取られ、特に問題が見受けられなかったため、以後このタイプが本格的に量産されたのであった。


【性能】

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〈後部から。量産型からは機銃手用に座席が設けられた〉

20mm機関砲にサイズダウンしたことで、威力は低減したが、格段に取り回しが向上した。
一弾倉辺りの弾数も大幅に増えたため、火力が持続するようになった。
もっとも弾倉は非常に重く、兵士は扱いに苦労したという。

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〈擬装陣地を設け敵を迎え撃たんとする本機関砲。砲高を自在に変えれるのも強みである〉

先行量産型と同じく、本兵器は地上に向かって発射されることが多かった。
重機関銃より威力が高く、歩兵砲より簡便であったため、兵士達から信頼された。
徹甲弾や榴弾、焼夷弾といった多種の砲弾を発射でき、火力支援としては大変有能だった。
陸軍の一部部隊では、歩兵砲の代わりに高射機関砲が配備された。

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〈悪路でも人力で移動が可能だった。兵士にとっては大変な作業だったけど〉

しかし肝心な対空兵器としての性能は甚だ怪しいものである。
発射速度が毎分100発程度と遅く、有効な弾幕を張るには複数台必要であると想定された。
そもそも対空機関砲がどれほど役に立つのかは未知数である。
演習時に空中目標に向けて発砲したところ、航空機の敏捷性に追随できるか極めて怪しかった。
もっとも民主連邦内ではあまり問題視されず、今日も使われている。
なぜなら実際に空の敵に向けて発砲された例は数えるほどしかないからである。

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〈半壊した建物の屋上を対空陣地に転用する事例も存在した〉

車輪付砲架に取り付けられたタイプが大半を占めるが、一部は重トラックにも搭載された。
重トラック搭載型の20mm機関砲は、内務軍のみが使用している。
対空砲搭載型と同じ部隊に括られて配備されているという。
人力で一々運ばなくてよくなり、機動性も高まったのでおおむね好評であった。

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〈市街地を走る20mm機関砲搭載型重トラック〉



【開発後記】
数年前に作った対空機関砲を少しリメイクしたものです。
T字バーをいろんなところに使ったので、いろんな角度でぐりぐり動くのが楽しい奴です。
こういう小物だけど、前線の雰囲気を演出できるようなたたずまいの兵器、いいですよね。



十四年式電源車ネロンガ

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14th Year Type Power Unit Neronga


【概要】
民主連邦防空軍が現在運用している電源車。まぁ特に変わっているところはない。
十四年式対空電探モチロンや各種照空灯を動かす電力を供給する防空部隊陰の立役者である。
この機械のおかげで電源の事を気にせず防空に従事することができるようになったのである。
野外で電気を使えるのは何かと便利なので陸軍部隊にも一部貸出されている。


【開発経緯】
内務軍の使用する防空兵器は基本的には電気を大食らいする物であった。
対空電探や照空灯は当然だし、各種の算定機も少しだが動力として電気が必要であった。
これらの兵器は野外で使用する状況を当然のこととして電池で動くようになっていた。

しかし電池が非力であり、何よりも要求する電力が多大だったため使える時間が大変短いのであった。
対空電探は3時間しか持たないし、照空灯も同じぐらいしか空を照らすことができなかった。
国内の、それも市街地ならば市井の電気をそのまま使用すればよかったが、地方部や外地だと不可能であった。
ましてやここ数年砂漠や寒冷地で軍事行動をするようになったため、電源を探すことは絶望に近かった。
携帯できるような電源がほしいという現場の声は高まっていたのである。

そこで内務軍を統括する内務省は電源車を製作することにした。
実は内務省が独自に兵器を発注するのはこれが初めてだったのである。
通例は軍が使っている兵器をそのまま防空軍内で使っていたためである。
製作依頼は民主連邦軍の兵器の大部分を開発・製作している銀星重工に委託された。

銀星重工側はそこまで電源車を作る意欲は無かったし、余裕も無かった。
その当時、デクタニア戦役が起きており、友邦であるアストメリア共和国を支援するために民主連邦軍も出動していた。
戦役の長期化に伴い弾薬の製造や破損車両の修理などで銀星重工の工廠はフル回転していたのである。
そこで修理に回された十二年式重装甲車リクトルのエンジンをそのまま電源車の動力部分として流用したのである。
リクトルのエンジン自体性能が高かったため結果的に割とまとまった電源車となったのであった。
本格的な兵器ではなかったため内務省の要求からわずか1ヶ月で試作型は完成したのであった。

試作型も特に問題ない出来であったため早速量産に移され完成次第順次現場に送られた。
リクトルのエンジンを流用しているため量産も簡易だったようである。
現場からも電源確保に奔走する手間が省けるため、大まか好評の声で迎えられたのであった。

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運搬が簡易なようにタイヤつきである。
牽引自動車の他、高機動車(ジープ)や四輪自動貨車(トラック)でも運ぶことができる。

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聴音機へ電気を供給するネロンガ。
バッテリー切れを心配する必要がなくなったのである。

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対空電探(レーダー)にも重宝された。
なお燃料はガソリンを使用している。




【開発後記】
至極シンプルな作品、電源車。
でもこれがあると重宝するだろうなぁと思って作ってみました。
あとウルトラマンは大好きです。

機動十四年式防空電探モチロン

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14th Year Type Mobile Anti Aircraft Radar Motilon


【概要】
民主連邦内務軍防空部隊が誇る防空レーダー。ハイテク!
真空管とか精密素材をたくさん使っているので高級品である。
取り扱いは大切なので陸海軍には配備されず、専門集団の防空部隊が使っているのである。
本国要地に置いたり、適時軍の要請に応じて専門要員ごと派遣したりする。
「機動」とあり移動できるわけだが決して簡単に移動できるわけでは無かったりする。


【開発経緯】
民主連邦が防空に向けて割と真面目になったのはここ数年来の事である。
もっともそれ以前より航空攻撃に対する脆弱性は指摘されていた訳ではあるが。
膨大な人口を抱えた巨大都市をいくつも持ち、周りを海に囲まれている地勢は敵に空母等を持ち出されるとまずい。
また北方は大陸であるとはいえ長距離爆撃機による攻撃では対応が難しいというのであった。
しかし軍や政府は「国民の士気低下に繋がる」としてその報告書をまともに取り合わなかった。

ところがとある事件がこの甘い認識を吹っ飛ばした。
当時民主連邦と交戦中であったデクタニア国から亡命機が飛来して首都に降り立ったのである。
衝撃的だったのはこの時民主連邦軍の防空網は全くこの亡命機を探知できなかったことであった。
陸海軍の消極的な権限争い、そして情報の非共有が原因であった。
兵器もそうだがそもそも組織が駄目だったのだ。

もしこれが亡命機ではなくて攻撃の意思を持っていたら?
政府高官たちはさすがに防空を深刻に受け取り始めた。
自分の命が危なくなり始めたら人間やはり焦るものである。

まずは敵機を見つけなければ話にならない。
防空レーダーの配備は必須であった。しかし根本的に技術が全くなかった。
そこでエレクトロニクス部門の雄、同盟国のアストメリア共和国のStud System社(以下SS社)に開発を依頼したのである。
SS社も長年民主連邦へ兵器を開発してきた老舗軍需企業である。
最新鋭の兵器は民主連邦では見た目的に好まれない事を見越して旧式の対空レーダーを手直しして試作した。
ちなみにこの元のレーダーは対空警戒レーダー装置Mk.1(Anti Air Warning Radar Mk.1)と言う名称で数十年前にアストメリア国防軍で使用されていたものだったという。

型落ちだったがその形状、そして割といい性能だったことに満足した民主連邦兵器局は早速量産し配備したのであった。
こうして初のまともな防空レーダーが本国に次々と配置されていったのである。
前線兵士からは以前の見張りのみの防空と比べて格段の安心感を得たという。

しかし導入当初は目視できないのに探知できるか理解できない兵士が多く、最初は疑心暗鬼であったという。
しかし実際に200km先の飛行物体を探知し、それが正しかったのを知った兵士たちは感嘆し、次々と本レーダーの前で拝復していた…とSS社の社員は後に初導入時の様子を感慨深げに語っている。

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【要員:2名 探知距離:最大半径200km】

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レーダーは360度回転する。8本の八木アンテナを装備しており、実際威圧感を醸し出している。

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周波数帯がVHFなので探知精度は低い…らしいが十分使える性能であった。
ステルス機もすごく頑張れば探知することができる。

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内部は精密機械の集合体である。一台当たりの単価は結構痛い。
そのため専門員が附属し移動も大変丁寧に行われる。

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海岸沿いに置かれるモチロン防空レーダー。
本国の海岸や国境、離島に次々と配備されていった。

このモチロン防空レーダーにより民主連邦の防空能力は飛躍的に高まったと言える。
更に聴音機や監視網を複合した防空システムを内務軍は構築していくことになるのである。
もっとも見つけたからと言って撃ち落とせるかどうかが問題点なのではあるが…。
その点旧式の防空兵器しかない民主連邦には頭痛の種だったのである。




【開発後記】
設定に無理をしてちょっと古めのレーダーをアストメリア共和国さんに造っていただきました。感謝です!
この時代のレーダーの方が個人的に好きなんですよ…。
いいですよね八木アンテナ。なかなか迫力があって好きです。

内務軍の兵器一覧

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民主連邦陸海軍から独立した、本国の防空・輸送・兵站・治安維持等を受け持つ3つ目の軍。
性質上本国の市民生活を制限できるまでの強い影響力を持つ。
陸海軍の対立ではどうにもならない業務をまとめた感じが強い。
喧嘩ばかりしていたら戦争できないからである。


【陸戦兵器】

装甲列車
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【防空兵器】

十四年式二糎機動対空機関砲
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十六年式対空誘導弾
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十四年式重対空自動貨車フェリクス
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機動十四年式防空電探モチロン
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十四年式電源車ネロンガ
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プロフィール

けーにっひ

Author:けーにっひ
駄作兵器と失敗兵器と旧兵器が大好きな人。
ロマン溢れる歪んだ兵器をレゴで作るのが趣味。
コメントいただけると嬉しいです。
どうかよしなに。

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