BR-1中型攻撃機ベリサリウス

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BR-1 Medium Bomber Plane Belisarius



【概要】
民主連邦海軍が主力として運用している双発中型爆撃機。
元はブリック共和国の双発偵察機を一部改修の上ライセンス生産したものである。
優速性と搭載量に極振りした性能であり、量産性も高いことから、海軍は気に入って使っている。
その分一人乗りだったり、防御力に難があったりするが、些末な問題である。きっと。


【概要】
民主連邦陸軍の制式双発戦闘機、殄Ⅰ型ピルム
その正式採用の裏で、もがき苦しんだある軍需企業があった。
その名前は赤星発動機。優秀な航空機エンジンの生産を主とするメーカーである。
この会社は民主連邦の軍需を寡占的に担っている銀星重工のパイを切り崩さんと虎視眈々としていたのである。

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〈殄Ⅰ型ピルム双発戦闘機。あまりろくな性能ではないことに定評がある。〉

話は殄Ⅰ型ピルムが後に採用されることとなった要求仕様書、「F1/16」に遡る。
これは双発重戦闘機を志向したものであったが、とにかく要求が画餅が如くハイスペックなものであった。
要旨は「戦闘機・爆撃機・偵察機として十全に使える双発機」というものである。
いわば子供のわがままのような要望であったのだ。

それを受注した銀星重工は全ての要求に応えようとした結果、駄作機を作り上げてしまったことは既に述べた。
その一方、この要求仕様書「F1/16」に自主開発で挑んだのが赤星発動機である。
赤星発動機の上層部は民主連邦の軍需企業にしては珍しく、諸外国の動向をも踏まえた大局的な目線を持っており、しかもしがらみに捕らわれない野心を抱いていた(悪く言えばあまり空気が読めなかった)。
その熱心な要求を受けた民主連邦陸軍兵器局は、自主開発ならこちらの懐も痛まないしということで双発戦闘機の製造を許認可したのである。

赤星発動機側は慧眼であったため、要求仕様書に書かれた多目的双発機なるものが出来ても、どうせ役には立たないだろうと一目見て判断していた。
そこで要求された性能を選別・捨象し、両立しなさそうなものは思い切って無視することにしたのである。
重視したのは速度並びに搭載量であった。
いくら機銃が多く装備されようが防御力があろうが、鈍重ならば容易に撃墜されるであろうという判断である。
また当時民主連邦が保有していた航空機はどれも搭載量が足りないことがネックになっていた。
いわば高速爆撃機を作ろうと考えていた訳である。

赤星発動機自体に独力の開発能力は備わってなかったので、計画の当初から外国から適当な軽双発機を選定、そのライセンス生産権を獲得、一部改造し要求計画に合わせていくことを考えていた。
諸外国の高性能な双発機を総覧した上で、選定されたのは民主連邦の友好国であるブリック共和国が保有するBC/R-25ニューニ輸送/偵察機であった。
本機はもともと同共和国の二シェルインダストリー社が民間ビジネス機として売り出したものであったが、その汎用性から同国空海軍でも軍用機として採用されている双発レシプロ機であった。
それは技術後進国、民主連邦から見て卓絶した搭載能力と生産性を有していたのである。
赤星発動機は早速ライセンス生産権を共和国並びに二シェル社と交渉し、獲得したのであった。

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〈二シェル社の原型機。非常に優れたビジネス用の民間機だった。〉

元の機体は輸送機として、しかも最前線に出すことは想定しない構造であったため、赤星発動機は更に手を加えた。
主な変更点は荷物ラックから爆弾槽への変更、増加装甲の搭載、機銃等装備の追加である。
そのため最高速度はオリジナルのものから少し低下し500km/h程度となっている。
それでも高速性は健在であり、試作機は民主連邦が保有していた何れの双発機を引き離した。

そして要求仕様書「F1/16」に基づいた双発機2機が出揃った。
後に「殄Ⅰ型ピルム」となる銀星重工の試作機は、要求仕様を守りすぎてよくわからないことになっていた。
その一方赤星発動機が満を持して送り込んだ試作双発機は、前者を速度、運動性、そして搭載能力で大きく引き離す性能を硬式トライアウトでみせつけたのである。
特に搭載能力の差は圧倒的であり、銀星試作機が500kgも積めないのに対し、赤星試作機は1500kgも積むことができた。

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〈500kg爆弾を持って笑顔を見せる赤星発動機社員。それは勝利の証だった。〉

しかし兵器局は銀星試作機を正式採用したのであった。
大手の銀星重工の方が生産設備の充実度から安心できるというのが公式見解であったが、理由は別にあった。
いくら高性能だからといって、公式の要求仕様書を無視した赤星発動機に軍配を上げるわけにはいかなかったのだ。
言わば面子の問題であった。
赤星発動機は時代の趨勢は読めていたが、明らかに空気を読めていなかった。
赤星発動機社員一同は泣きながら社屋に帰ったという。

試作機はこのまま廃棄処分になるところであったが、ここで現れたのが民主連邦海軍である。
当時海軍航空隊は陸戦隊の充実を図っており、その支援として高性能な陸上攻撃機を求めていた。
そんな中ちょうど棚から牡丹餅が如く高性能な双発機が不遇をかこっていた訳である。
海軍は赤星発動機の試作双発機を陸上攻撃機として採用したい旨を同社に通達した。

赤星発動機としても、その申し出は渡りに船であったため快諾し、海軍向けに少量改造を加えた試作機を製作した。
性能は相変わらず問題なかったため、海軍は正式採用、ここにBR-1 ベリサリウス攻撃機が誕生したのである。


【性能】
先述したように、本機は類い稀なる積載量を誇り、かつ高速性を発揮できるようになっている。
胴体格納庫だけで500kg爆弾を2発積むことが可能であり、更に両翼に100kg爆弾を計4発吊るせた。
何かと引き合いに出される殄Ⅰ型ピルムが100kg爆弾*4しか積めなかったことと比較して、それは驚異的な搭載量と言えたのであった。
500kg爆弾の代わりに大型航空魚雷を2本積むこともでき、海軍航空隊でも重宝された。
それなのに500km/hという速度を叩き出したのである。

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〈かなりスリムな機体である。大きさも殄Ⅰ型双発戦闘機より一回り小さい。〉

その高性能の要因の一つは発動機である。
ブリック共和国から輸入・ライセンス生産した空冷発動機はコンパクトかつ大馬力を発揮した。
自らライセンス生産した赤星発動機によって「アルデバラン」と名付けられたこの空冷エンジンは、900hpもの出力を持っていた。
発動機自体の容積も相まって、小さくまとめられた機体に高出力のエンジンを載せることができたのである。
これはブリック共和国の先進性を示すとともに、赤星発動機の確かな技術力を示している。

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〈機首には13mm機関砲が搭載されている。「アルデバラン」発動機は精巧な出来である。〉

もう一つは徹底的な割り振りと軽量化である。
武装は13mm機銃が機首に1門であり、そのほか防御機銃は一切ついていなかった。
いろんな任務を務めようとやたら機銃をつけたピルム双発戦闘機とはまさに対照的である。
そのためいくら優速でも、自機より速い敵機がいた場合ベリサリウスは容易に喪われた。
配備当初は単独で部隊を組んでいたが、優速性が発揮されなくなって以降は常に護衛戦闘機が必要となった。
乗員がわずか1名なのも、極端な割り振りの結果である。
複数人載せるスペースや、人の体重それ自体ですら惜しかったのだ。

そんな状況であったため、決して損耗率が低い機体ではなかったが、性能そしてそれなりに安価な調達コストであったため、本機は多く量産され、民主連邦海軍の主力爆撃機もとい攻撃機となった。
本機は民主連邦国内、そして同国が関与する戦域にて汎用的にみることができる。
陸軍の要請を受け内陸へたびたび出撃し、爆弾そして時には自らを地面にぶつけたのである。

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〈高高度を編隊で飛翔するベリサリウス。その丸みを帯びた機体から「トビウオ」と愛称された。〉


【運用】
ベリサリウス中型攻撃機は大型爆弾をとりあえず敵陣に高速で届けることができるため、陸海問わず重宝された。
近年における運用のほとんどは民主連邦の傀儡国家、華南共和国にてたびたび勃発する地方軍閥との紛争において駆り出されるというものである。
けたたましい音を立てて容赦なく500kg爆弾、時には焼夷弾をぶつけてくる本機は、敵兵の間で極めて恐れられた。
当然脅威視されたので、集中的に対空砲火を浴びて少なくない数が撃墜されたが。

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〈敵地で撃墜され、密林で発見された機体の残骸。乗員は捕まると高確率で血祭りにされる。〉

以上のように大変使い勝手が良かったので、民主連邦にしてはかなりの数が生産された。
赤星発動機としては満足いく結果であったが、同企業にとって生産能力のキャパシティーを超えていたため、生産機の一部は銀星重工が担っている。

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〈前線基地にて待機するベリサリウス。指揮官機は背中が紅く塗られるため、識別が容易だ。〉

なお銀星重工が生産した本機は性能が元のものと比べて低く、乗員は露骨にテンションが下がったし、現場指揮官は袖の下を渡して密かに赤星発動機生産分を優先的に自部隊に割り当てられるようにしてたという。



【開発後記】
ブリック共和国のスコウさんから数年前に設計図をいただいて生産した双発機です。
今回記事をリニューアルついでに、少し改造を加えました。
とてもシュッとした(関西的表現)機体が素敵ですよね。本当によくできてると思います。


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FBS-1戦闘飛行艇ラルス

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FBS-1 Fighter Flying Boat Larus

【概要】
民主連邦海軍が堂々配備・運用している戦闘飛行艇である。
飛行艇を戦闘機としてそれなりに勘定しているあたり軍の後進性が表れている。
しかし多くの島嶼を含む民主連邦にとってかなり便利な兵器であることもまた事実である。
制空任務に使われることは滅多になく、偵察や哨戒、連絡や救援任務で運用されることの方が多い。


【開発経緯】
民主連邦。
その国土は入り組んだパインドネシア半島を中心に無数の島嶼によって成り立っていた。
その領海と経済圏と利権と威厳を守護する民主連邦海軍は、その複雑な地形に対処せねばならなかったのである。
海軍の存在価値を強く認識している(というか大統領自体が海軍出身であった)政府は、莫大な予算を使えもしない駄作兵器と共に海軍の拡充に充てていたが、それでも膨大な海岸線と島嶼群はなお余りあるものがあった。

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〈部隊の閲兵を敢行する日虎大統領。彼の海軍拡充の意志は並大抵たるものではなかった。〉

地形上の弊害による制約は様々な所で影響していたが、その中でも深刻であったのは補給整備の問題である。
南方に置かれた基地は不足しておりかつ整備もままならず、到底万全な国防とは言い難い状況であった。
基地という名前でその実態は将兵はわずか数人、小銃が数丁、手漕ぎボートが一隻、粗末な小屋が一棟のみという散々たる様相が末端のあちらこちらでみられた。
それら遥か彼方辺境の島々への勤務は、海軍組織内での懲罰人事として一部では使われていたという。

そういう有様であったから、飛行場を有した前線基地等はその母数に比して相当数に少なかった。
また書類上では飛行場が「ある」にもかかわらず、実際は「ない」もしくは「使えない」という例も多く、不足なく使用できる飛行場となると更に少なくなったのであった。
極端な事例では、現地部隊の将校達が飛行場設営の費用を着服していたため、記録ではある飛行場が全く存在せず、飛来した味方航空機が全く着陸できず、仕方なく海に不時着したということもあったのである。

幸いにしてちゃんと存在する前線飛行場でも多くは未舗装であり、ヤシの木々を切り開いて造成した所が殆どであった。
少なくない数の飛行機が着陸時に破損したり劣化したりしており、海軍上層部としても深刻に捉えていたのである。
そこで飛行場を使わない飛行機…すなわち飛行艇を新しく配備しようと考えたのも割と普通な道理であった。
しかもどうせなら迫りくる敵航空機を屠り、制空権も握ってしまおうということでいきなり作るのはばりばりの戦闘飛行艇である(戦闘艇というジャンル自体旧式なのではないかという理論はいつものごとくこの国では無視された)。

早速兵器局から民主連邦軍需企業の雄、銀星重工に要求仕様書「FB1/16」が提出されたのであった。
大まかな要求は二点であった。
一点目は敵戦闘機に追随できる機動性と速度(400km/h以上)を持つ事。
二点目はある程度の余裕積載量を持ち、物資や人員の輸送を行える事であった。
結局いつもの通り軍上層部による絵に描いた餅的な要求である。

銀星重工はそれに対し、当時社内で持っていた最強の発動機である「デネブB型」(1300馬力)を投入した。
この水冷発動機は、依然進められていた大型重爆に搭載しようと試作されたものだが計画が頓挫した上、やたら巨大化したせいで持て余した結果、倉庫の奥底で眠っていたものである。
この大型発動機を戦闘艇に載せようと躍起になった結果、設計は発動機を起点として進められたのであった。

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〈「デネブ」発動機を囲む銀星重工社員達。体躯と比してその巨大さがわかる。〉

他にも流線形を志向した艇体、新型の主翼形状等、どうにもならないものをどうにかしようと奮闘した結果、仕様書提出から1年後に完成した試作機では、戦闘艇としては驚異の最高速度400km/hを達成したのであった。
この結果にいたく満足した民主連邦海軍は、早速銀星重工に試作機の量産を明示したのである。

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〈精悍で美しい艇体。銀星重工設計陣の無駄な努力の賜物である。〉


【性能】
いろいろと気を遣って設計されたため、飛行艇としてはかなりの高速性を誇る。
といっても水上戦闘機にすればよかったのでは程度の能力である。
しかし飛行艇型式にした結果、胴体に容量の余裕ができたため、人員が4人も乗った。

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〈内部の様子。見えにくいが操縦手と後部機銃手の間には無線機手が乗る。〉

武装は13mm機関砲を2挺装備した。
前方機銃は前方向に約100度の角度をつけて志向することができるが、前方機銃手は剥き出しであるため、常に風が当たり、時には敵の弾が当たり、更には操縦手の視界を著しく制限するという欠点を持っている。
後方機銃はそれに比べると遥かにましである。90度の旋回が可能である。
わずかながら命中率を高めるため、照準には倍率を変えることができるスコープが何故か取り付けられた。

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〈剥き出しの前方機銃席。海軍飛行隊でも随一のスリルを体験することができる。〉

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〈艇内と後方機銃。一段下がって無線機やちょっとした机も備え付けられている。〉

発動機はわずか1基でそこそこ大きい艇体を持ち上げる。その分、艇に比例してかなり巨大である。
乗員は常に強い振動と騒音に晒されることが特徴である。
的が大きいためよく被弾し停止し、往々にして墜ちるという。

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〈後方から。弱点である発動機周りは堂々と晒され、敵兵にとって格好の的となった。〉


【運用】
「FBS-1戦闘飛行艇ラルス」(ちなみにFBS-1は銀星重工(Silver Star Arsenal)によって作られた制式1番目の飛行艇(Flying Boat)という意味の略である)と名付けられた本艇は、特に南方の諸飛行隊を中心に配備された。
ようやくまともに使える航空機が来たと前線部隊ではそれなりに好評であったという。
桟橋を整えるだけで前線飛行場として機能したからである。
ただし発動機周りの整備は面倒であり、多くの整備兵が天を恨みながら揺れる艇の上で作業したという。

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〈南方の碌な設備がない島々でもラルスなら降り立つことができた。〉

戦闘飛行艇という名前であったが、本機はむしろ偵察・観測や輸送、洋上での救援任務で重宝された。
今まで飛行機が配備できなかった場所でも運用することができたのも相まって、南方の部隊にとって空の目であり続けた。
しかし速度および機動性は普通の陸上航空機と比べると当然低く、まったく太刀打ちできないのは容易に想定できる。
現状南方や西方の島嶼部では平和を享受しているがために活躍できているのであって、戦闘地域に投入されたら一たまりのないことは明らかなのであった。
それでも本艇は今日も緑の島々と碧い海を背景に、民主連邦の国益を守護せんと今日も飛び続けているのである。




【開発後記】
大好きな映画『紅の豚』を観て早速欲望を昇華せんと作った飛行艇です。
水上飛行機と比べて明確な流線形なのが大好きです。あと剥き出しの機銃も推しのポイントです。
結構に気に入っている作品で、よくオフ会に持っていったりしています。






民主連邦海軍

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陸軍は最大の敵。海洋国家の民主連邦を護り、予算獲得のために尽力する組織こそ栄光の民主連邦海軍である。


【民主連邦海軍について】
・その編成と特徴
・陸戦隊について


【陸戦兵器】

十三年式七糎半速射砲
十三年式速射砲


【航空兵器】

FS-1 汎用戦闘機コルウス
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FBS-1戦闘飛行艇ラルス
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BR-1中型攻撃機ベリサリウス
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BR-2攻撃機シンマクス
シンマクス重攻撃機


【艦艇】

十一式強襲揚陸艇
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オトー級警戒発動艇
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ヘルガバルス級掃海艇
ヘルガバルス級掃海艇

ヨウィアヌス級防空哨戒艇
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ユリウス・ネポス級兵員輸送艦
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トリマルキオ級給糧艦/十五式特殊回転翼機ギトン
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ペトロニウス・マクシムス級潜水艦
ペトロニウス・マクシムス級潜水艦

ロムルス・アウグストゥス級巡洋潜水艦
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ホノリウス級一等駆逐艦
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ユリアヌス級特等駆逐艦
ユリアヌス

マルクス・アウレリウス・カルス級航空巡洋艦
飛行船4

トリマルキオ級給糧艦/十五式特殊回転翼機ギトン

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Trimalchio Class Food Supply Ship
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Type 15 Autogyro Plane Giton


【概要】
民主連邦海軍待望の大型給糧艦。
一艦隊を維持するに十分な食事を提供することができる。海上のレストランである。
実際に温かくかつ美味しいご飯が食べることができると将兵には極めて好評であり、涙を流して喜ぶ者もいた。
艦付属の専用オートジャイロは偵察用というよりは遠隔地に料理を運ぶためのものである。
その証拠に後部にはピザ保温・調理窯が取り付けられている。
いずれにせよ民主連邦にしては有用な兵器を開発したと諸外国から評された。


【開発経緯】
世界中どの軍でも食事の美味しさと敢闘意欲は比例するものである。
その中でもレゴランド民主主義連邦はその最右翼といってもいいぐらい兵站に士気が左右された。
民主連邦将兵は厳しい状況でも質の良い糧食を求め、叶わないと士気が大幅に低下した。
例えば陸軍はどんなに水不足の状況でもパスタを茹で、ピザを食した。
また作戦行動中に食事が不足したら雪崩を打つように脱走兵が相次いだのである。

その事情は海軍でもさほど変わらなかった。
長期間の航海が必要な海軍は缶詰を糧食とすることが多かったが兵員の中には明らかに不満を表す者もいた。
ましてや食糧が足りなくなった場合叛乱さえ起こりかねないと想定されていたのである。
艦内の士気に大きく関わる為艦隊は定期的に寄港せざるを得なかったのであった。
食糧問題は艦隊司令官を常に悩ませ続けたのであった。

こうなると艦隊と同行する厨房…給糧艦が欲しくなるのも当然であった。
海軍は「航海中にて兵員の食糧を改善し、その士気を上げ、維持するため」という名目で大型給糧艦の導入を決意する。
一艦隊の食糧をまかない、かつ高品質の食事を提供するには巨大な厨房を持つ船舶が必要なのであった。
そしてその巨大な厨房を維持するために民主連邦内の各地から腕利きの料理人が集められたのである。
また船内には電熱式コンロやガス式の大窯、大型野菜カッターといった最新の調理器具が詰め込まれた。
他にも長期間の航海に耐えられるために冷凍室を作るなど、本気の造船で将兵の期待に挑んだのであった。
これは全て美味しいご飯が食べたいという海軍全兵員の強い意気込みがなせる技であった。

こうして発案からわずが3ヶ月と言う極めて迅速な速度で本艦…トリマルキオ級給糧艦は完成したのであった。
既存の船体(民間の貨物船を買い取った)とはいえ異常な早さで改装が終了し、タラント軍港に姿を現した。
工員も含めた将兵全員が全力を挙げて造船したため異次元の速度で進水までこぎつけたのである。
港にいた非番の水兵までもが全くのボランティアで建造を手伝ったという。
それだけ美味しいご飯に対する執着は凄かったわけである。

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【乗員:11名 武装:75mm軽砲*2 13mm機関砲*1 7.7mm機関銃*1 】

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技術の粋を集めた艦内厨房。最小限の人数で多数の料理を作れる設備が揃っている

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①:電子調理機。いわゆる電子レンジである。細かな調理をするときに適している。
②:電気焜炉。二口ある便利なコンロ。焼物に向いている。
③:大型電気釡。大人数の糧食にも対応可能な巨大釡。煮炊きはオールを使って撹拌する。

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④:冷温水貯蔵機。ウォーターディスペンサーである。熱湯も供給可能。
⑤:自動式野菜皮剥機。野菜を細かく自動で切り刻む。刃を変えればいろんな野菜に対応できる。
⑥:高火力ピザ窯。高い出力により極めて短時間で焼き立てピザが作れる。ピザは将兵に人気である。

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⑦:冷凍倉庫。長期航海でもある程度はバリエーション豊富な糧食を提供することができる。

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厨房は大変暑いので平時は側面装甲を開くことができる。防御力なんて当然ない

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給糧艦なので申し訳程度の武装しか持っていない。側面の75mm軽砲は陸軍の歩兵砲を無断コピーした

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上艦橋部分。視界が採れるように作られている

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艦橋内部。艦隊司令艦としての任務もこなせないこともない

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LEGO大国から輸入した最新鋭レーダー。敵をいち早く察知し安全な海域に避難することができる

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後部から。付属オートジャイロのためのヘリポートが設けられている

【運用】
トリマルキオ級給糧艦は海軍内の士気に革命をもたらした。
新鋭の調理システムから生み出される温かい食事は司令長官から一兵卒まで諸手を挙げて歓迎されたのである。
数ある民主連邦の兵器の中でも実際これが一番役に立つものであった。
「民主連邦の独自開発兵器の中で唯一見るべきもの」とある海外の軍事評論家は評している。

給糧艦が付随した艦隊の兵士たちはご飯の美味しさに感涙したという。
それはそうであろう。死ぬほど硬い乾パンと死ぬほど塩辛い塩漬け肉と缶詰から解放されたのだから。
軍諜報部が調査したところによると、給糧艦がある場合とない場合では将兵の勤務効率に平均3倍の差があったという。

上層部としても、貧弱な水上戦力しか持たないくせにやたらと外洋に出たがる民主連邦海軍にとって常に問題となる兵站をアシストしてくれるきわめて頼もしい船舶であった。
現在も階級を問わず、多くの将兵に愛される艦となっている。


〈十五式特殊回転翼機ギトン〉

無題

トリマルキオ級給糧艦で作られた食事は保温箱に入れられ他の艦艇にカッター等で搬入されることが当初から想定されていた。
しかし保温箱に入れているとはいえ船等で内陸の遠隔地等に温かい食事を届けることは困難である。
それに対して多くの高級将校が不満を示していた。彼等は前線でも贅沢な食事が楽しみたいのだ。
遠くの場所にも美味しいご飯を届けるためにわざわざ製作されたのが本機、十五式特殊回転翼機ギトンである。
他国ではまず見られない特殊な兵器であり、食事に執念をかける民主連邦軍らしい兵器といえるだろう。

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ギトンはいわゆるオートジャイロであるが、特殊と銘打っている通り通常のオートジャイロと異なった特徴を持つ。
後部がピザ保温器となっているのである。一度に4枚のピザを運ぶことができる。
これによって遠隔地にも熱々のピザを提供することができるようになった。
また保温器は温度を上げるとピザ窯にもなるため、簡易的な野戦炊事としても活躍することができたのである。
内陸深く進攻した味方海軍部隊への補給を想定した仕様である。

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勿論、艦備え付けヘリとして偵察・観測任務にも就くことができる。
しかしピザ保温器を後部に後ろに抱えた状態なので飛行性能は良くないし非武装である。
何よりも敵に撃墜されてしまった場合、温かい食事が頂けなくなると将兵の士気が大幅に下がる。
ということで戦闘や偵察任務につくことは皆無である。

この十五式特殊回転翼機ギトンはトリマルキオ級給糧艦のために設計されたので配備数は極めて少ない。


【実戦】
トリマルキオ級給糧艦が直接戦闘に参加したことは現在のところまだない(というかその状況はいろいろとまずい)。
ただし主力艦隊の航海の際にはほとんどといっていいほど随伴として派遣されている。
また災害時には人民へ食事を提供するために出動し、大きな成功をおさめた事例も存在している。
オートジャイロで着地さえできれば海岸沿いの奥地なら食料品を運ぶことができるためである。
民主連邦的な兵器の珍しい成功系と言えるであろう。

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海外植民地の港に停泊するトリマルキオ級。艦としてはかなり大型の部類に入る




【開発後記】
ミリタリーなレゴ作品で給糧艦ってみたことないな?と思いあまった既成船体で作ったものです。
この一体パーツの船体は内部が広くとれるのでいろいろと作り込めますねぇ。
何気なく作ってみたらツイッターでの反響が大きく驚いた作品です。
兵站とか糧食をあれこれ想像するのが結構好きですね。うん。

ユリウス・ネポス級兵員輸送艦

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Julius-Nepos Class troopship


【概要】
民主連邦海軍が迅速な兵員輸送の実現のために開発・配備した輸送艦。
カッターボートやゴムボートを格納でき陸地に向けて無駄のない輸送が可能。
内部に病院機能を備えているのも地味に嬉しい。
島嶼部が多く海を越えた輸送が必須の民主連邦軍にとってありがたい存在である。
当然輸送艦なので武装はほぼ無いに等しい。味方艦に守ってもらおう。


【開発経緯】
半島国家であり、見境のない領土拡張をした民主連邦にとって迅速な兵員輸送は当初からの課題であった。
領土となる島や海外領土はあまりにも多く、すべての領土に十分な守備隊を置くのは到底不可能であった。
しかし丸腰という訳にもいかず、万一侵攻された場合即刻に援軍や奪還部隊を派遣しなくてはならない。
そしてそれには当然スピードが必須であった。侵攻軍が十分な兵力を投入してきた場合奪還は厳しいからである。

今まで海軍は民間船を利用して部隊や物資を輸送していた。
そして有事の際にはそのまま徴用して戦地に派遣することを考えていたのである。
(この国は軍国であり、民間からの乱暴な徴用は無理なくこなすことができた。)
しかしいくら軍事国家だからと言って民間からの徴用は時間がかかった。
手続き上書類を提出し議会で諮問しなければならず、即応性に乏しいものであった。

そして海軍が専用の陸戦部隊、陸戦隊を創設した時、余勢をかって海軍の兵員輸送船を開発することを決定した。
陸戦隊は上陸戦・島嶼防衛・奪回に秀でた精鋭部隊であった。
しかし輸送船を迅速に用立てることができなければその能力も無駄となる危険性が大いにあったのである。
せっかくの新設精鋭部隊を活かしたかった海軍上層部は早急に兵員輸送船の開発を命じた。

船体は民間用の船体を流用するなど、製作期間の短縮に努めた軍需メーカー、銀星重工の努力により構想からわずか3ヶ月で本船の一番艦は完成した。
実際兵員さえ輸送できればいいのだから楽なものであった。

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【乗員:3名(輸送可能定員15名) 武装:5インチ速射砲*1】

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指令室内部。半分吹きさらしで寒い。あと火災が怖いのでいろんなところに消火器がある

【実戦】
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〈上陸用にカッターボートを下す本艦。クレーンは曳航や修理等多用途である。〉

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〈カッターボートの他ゴムボートも備える。敵前上陸は多分無理だとは思う。〉

本艦は日ごろから物資の輸送や兵員の輸送に使用されており重宝されている。
また接岸しなくても小型船で輸送できるメリットも大きく、港湾機能が未整備の遠隔島嶼部でも重宝されている。
しかし武装は貧弱であり5インチ速射砲の他は歩兵用自動小銃や機関銃を載せるための架が舷側に備えられているのみである。


P1020031.jpg
病院船としての側面も持つ。軍医が常駐している。

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対空・対水上レーダーも駆逐艦には劣るが周辺の小型船の司令塔となる程度の能力は持ち合わせている。




【開発後記】
大分前から作っていた兵員輸送船。
手直しして内部を病院船ぽくしてみました。こういう船があると多分重宝するだろうなぁと。
その分ネタ的要素が薄まってしまったのでちょっと残念だったりする。
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Author:けーにっひ
駄作兵器と失敗兵器と旧兵器が大好きな人。
ロマン溢れるいろいろと歪んだ兵器をレゴで作るのが趣味。

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