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十七式河川輸送艇/哨戒艇

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17th Type River Troopship / Patrol Boat River


【概要】
民主連邦軍で大量に使用されている河川用の小型軍用船舶。
特徴的な平底と平凡な性能、そして高い量産性を誇る。
バリエーションも多く、現地改修型も含めると星の数ほどあると言われている。
ここでは大枠の輸送艇型と哨戒艇型を紹介する。


【開発経緯】
熱帯雨林と何千もの河川に覆われた民主連邦の海軍にとって、いわゆるブラウンウォーターネイビーへの志向は、現実的な選択であった。
ジャガ級河川装甲艦の配備はその第一歩であり、ある程度の成功を収めた。
河川装甲艦は現地部隊にとって火力を支援する戦車であり、後方兵站を維持する警備艇であり、平時の際には不法出入国者や密輸入の取締りにも活躍した。
民主連邦にとっては珍しく、目的と現実が高度な一致を見せた例である。
いや、本当に珍しい例である。

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〈怪しい船舶に対し臨検を行うジャガ級。ただし船速が遅いため、よく不審船に振り切られた。〉

しかしジャガ級の配備と運用が進むにつれ、その課題も明らかとなる。
最大の問題はやたらと遅いという事である。
原因は量産性の都合から民生用をそのまま流用した低速の焼玉エンジンであった。
その重量も低速っぷりに拍車をかけた。
本艦は強力であったが鈍重であり、高速性が要求される偵察や追撃、連絡といった任務にはあまり向かなかったと言える。輸送能力も高いものではなかった。

ジャガ級の成功に自信を持った海軍は、より小型で安価で高速な河川装甲艦の導入を決定する。
発注先はジャガ級の設計と生産を一手に担っていた銀星重工であった。
常に低性能ながら確実に要望を形にすることには定評がある銀星重工なので、特段設計に躓くことはなく、早くも8か月後には試作型が完成したのであった。

最初に完成したのは兵員輸送型である。
先行量産型では屋根部分は省かれていたが、実戦投入の際に敵の迫撃砲弾が艇内で炸裂し歩兵部隊が壊滅したことがあったため、それを踏まえて本格量産型では屋根がつくようになった。
これにより少なくとも雨風は防ぐことはできた。

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〈量産型の兵員輸送艇。荷物の輸送にも汎用的に使用され前線からありがたられた。〉

一方で哨戒艇型の開発は少し手間取った。
船体後部に備える砲は何にすればよいか、そして砲土台部分の設計に時間を要したためである。
連装機関砲や歩兵砲、対空砲等様々な案があったが、最終的に口径47mm程度、軽量かつ汎用的な速射砲に落ち着いた。
理由は簡単で、除籍された要塞備砲として本砲が大量に余っていたためである。
ただし砲土台を単純なターンテーブル式にしたため、標準装備の速射砲に限らず様々な武装に取り換える事もできた。
これは将兵にとってありがたがられ、前線部隊の工兵たちによって魔改造ともいえる域までバリエーションが増えることとなる。

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〈量産型の河川哨戒艇。衝角は標準装備だった。〉

極めてややこしいことに、哨戒艇型の量産が当初より遅延したため、先に量産された兵員輸送型を改造した哨戒艇型も一定程度存在する。
結局のところありものを活用するのが軍隊なので、細かな違いに拘泥するのは一部のコアなマニアだけなのであった。

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〈これは輸送艇型を改造した哨戒艇。とてもややこしい。〉


【性能】
十七式河川輸送艇は要員3人に完全武装の兵士6人が乗ることが出来た。
哨戒艇型だと、総舵手1・砲手2・機銃手1の4人の要員で運用された。
またディーゼルエンジンを積んでおり、焼玉エンジンと比較して高速性を発揮、燃費も良好だった。
一方で保守点検が面倒であり、不慣れな当初は酷使された大量の発動機が廃品となったという。
なお大多数の艦は無線機を積んでいなかった。

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〈搭載された小型船舶用ディーゼルエンジン。民生用としても多く普及した。〉

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〈内部は極めて狭い。敵に攻撃されたらおとなしく撃たれるしかできない。〉

その分ジャガ級河川装甲艦と比較して本兵器は更に大量に配備された。
煩雑なので書類上艦名がつけられることもなくなり、数字が割り振られるぐらいである。
運用形態も多彩であり、主に保有していたのは当然海軍であったが、一部は陸軍や内務軍にも譲渡され運用された。
更にそこから武装を外し民間にも払い下げられたことにより、沿岸漁船に改造された本艦が漁港では多く見ることが出来る。

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〈兵員輸送型はその特徴的な外観から「靴」と兵士からよく呼ばれた。〉

ただ利便性は高かったが、快適だったとは到底言えないだろう。
内部はとても狭く、最低限の装備しか備え付けていなかった。
基本的には長期の航海は不可能であった。
また平底で浅く作られているため、外洋に出ることも困難である。

本兵器を語るうえで欠かせないのが、その種類の豊富さである。
現地部隊の状況や資材に合わせて、様々な付属品が付けたり外されたりした。
兵員輸送艇だとよくある例として防弾用の鉄板が側面に取り付けられた。
ただし酷暑地域だとやたら熱くなるので防弾板どころか屋根すら外す例もみられる。

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〈防弾板がつけられた兵員輸送艇。陸を行く兵士と共に密林を進撃する。〉

哨戒艇型も速射砲の他、様々な武器が取り付けられた。
その中では高射機関砲型が割合多くみられたが、他にも陸軍の歩兵砲や戦車砲、迫撃砲に果ては鹵獲した墳進砲まで、現地工兵部隊の都合に合わせて組織を越えた雑多な兵器が搭載されたのである。

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〈デフォルトの速射砲搭載型哨戒艇。徹甲弾から榴弾まで発射することが出来る。〉

そのため兵員輸送艇型も哨戒艇型も最前線から後方まで、汎用的に使用された。
海軍が最も多く保有する艦艇は手漕ぎボートを除くと、紛れもなく本艦である。
海軍の一大根拠地タラント軍港から、最末端のみすぼらしい基地まで、十七式河川艇はしっかりと係留されていたのである。

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〈末端基地の例。このような何もない基地は左遷先として活用された。〉

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〈上は対空機関砲搭載型、下は速射砲搭載型の河川哨戒艇である。〉




【開発後記】
前回作った河川砲艦より汎用的な、哨戒艇と兵員輸送艇です。
やはりせっかく東南アジアっぽい位置に国があるので、こういうの作ると雰囲気がありますよね。
モデルはベトナム戦争期米軍のPBR。少し「崩す」と、よりそれっぽくなります。
『地獄の黙示録』は好きな映画です。

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ジャガ級河川装甲艦

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Jaga Class River Ironclad


【概要】
民主連邦海軍が保有する河川・沿岸用の小型船舶である。
「装甲艦」という古めかしい名前の通り、船体がある程度装甲化された平底の軍艦である。しかも衝角つき。
100年ほど前に遡った見た目だが、熱帯雨林に河川が多い同国では役立つことが多く、重宝されている。
強力な火力を持つため、川の戦車的な扱いであり、歩兵部隊の支援にも用いられる。
ただし貧弱な航行能力のため、外洋に出ることができず、たびたび高波に浚われる可哀そうな船でもある。


【開発経緯】
民主連邦は豊穣の地であった。
その源泉は、国土の至る処に河川が巡り、複雑な海岸線を形成していたことに起因していた。
張り巡らされた河川は人々の生活水準を向上させ、入り組んだ海岸線は多様な文化をもたらした。

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〈民主連邦の国土。長大な半島には大河川に国際運河が多く点在している。〉

しかしこの独特な地勢は国土と権益を守護せんとする海軍にとって、常に悩みの種であった。
沿岸警備は困難、一度上陸を許すと、河川に沿って内陸深く侵攻されることが想定された。
常時の警備や臨検も大変な業務であり、官憲の目が行き届かない地域が常に存在したのである。

それに対して、従来海軍は有効な手立てをとることができなかった。
威厳たっぷりに振舞おうとする海軍上層部は、外洋艦隊こそが最重要であるという観念を持っており、常にブルーウォーターネイビーを志向していたからである。
貴重な予算の多くは派手な計画に散在され、下地を支える沿岸警備や河川警備はあまり重視されなかった。
海軍の構造は、ニーズとは乖離した歪な形状となっていたのである。

そんな状況下でもオト―級警戒発動艇など、沿岸に適した小型船を一応それなりの数揃えていた。
しかし、オト―級の火力や耐久性は低いに、それすら配備できない最末端の基地すら存在した。
最も下に位置する基地は、粗末なバラック小屋に壊れかけの無線機と小銃が置いてあり、腐りかけの艀には中古の木製手漕ぎボートが係留してあったという。
こういった僻地の最貧基地は主に懲罰や左遷目的の人事で使用された。

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〈末端基地の様子。多くは外界から隔離されており、やる気のない兵士が詰めていた。〉

こういった粗末な状況の変化は、主に外圧からもたらされた。
国際運河や重要航路の安全を保障しなければならなかったのである。
国富の多くを貿易によって生み出している民主連邦にとって、それは死活問題となった。
海軍は夢見心地の大艦隊主義から、現実的な路線の修正へと、渋々ながらも進むこととなる。

以上から、銀星重工造船部に向けて河川・沿岸用の小型砲艦の要求が出されたのであった。
要求仕様書はいつものごとく、総花的なものであった。
主な条件は、以下の通りである。

1.水深が浅い河川でも航行できるよう、平底とすること。
2.広角に志向できるよう砲塔搭載とすること。また砲とは別途機銃も装備すること。
3.耐久力を高めるために船体を装甲化すること。
4.敵船舶に対し甚大な脅威・損害を与えるため、衝角を備えること。

特筆すべきは4である。衝角というあまりにも前時代的武器が指定されていた。
これは臨検や不審船の対応として、ぶつけて沈めればということが想定されたためである。
最ものちに完成して判明するが、むしろ味方や無関係の船を沈めることが圧倒的に多かった。
銀星重工造船部は以上の主要条件を、大手軍需企業としてそつなくこなし、試作1号艇は仕様書提出から早くも7か月後に完成したのであった。

試作艇は要求より航行能力と速度が劣っていたものの、海軍側は大変好意的に受け取った。
性能自体は凡庸であったが、銀星重工は現状を鑑みて設計にひと工夫を加えていたのである。
プラットフォーム化である。主要武装を状況に応じて変化をつけて搭載することができた。
そのため多様な任務に耐えることができたのが大きな売りであった。
海軍は早速量産を指示、短期間で民主連邦中に普及したのである。
量産1番艦は民主連邦の州名をとり「ジャガ級」と命名された。


【性能】
まず目を引くのは船体後部に載せられた大型の回転砲塔である。
これは陸軍が保有するリクトル重装甲車の砲塔をそのまま流用したものであり、銀星重工特有の計算高い生産省略化の賜物であった。
ただし武装は強化されており、75mm短身砲が装備されていた。
同砲は徹甲弾や榴弾を撃ちこむことができ、後々重宝されることになる。
更に13mm機関砲も剥き出しで積んだため、本艦は今までとは比較にならないほど強力な火力を有していた。

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〈後部砲塔。射程距離は短いものの、十分な支援火力を持っていた。〉

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〈船室後部は砲弾が所狭しと並べられている。〉

しかし大分無理して砲塔を積んだため、安定性は極めて不安なものであった。
船体に比例して砲塔や砲弾が重いため、重心は常に後ろ側に寄っていた。
後に前部衝角の強化や、荷物を全体的に前に積むなどの泥縄的施策がとられたのである。

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〈バランスをとるため、荷物室は船室前部に設けられた。弾薬の他食糧や燃料が積み込まれた。〉

もう一点の不安要素は搭載する機関の出力がかなり貧弱であったことである。
量産性を重視した銀星重工は、民間船舶用に卸している焼玉エンジンをそのまま搭載した。
焼玉エンジンは燃料の自由が効き、構造が簡易であったこと、そして船乗り出身の水兵達にとって馴染みの代物であり、扱いやすかったことは大きなメリットであったが、何分パワーが出なかった。
全力を出しても10ノット以下の速度であり、容易に振り切られた。

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〈船室中央部には焼玉エンジンが剥き出しで搭載されている。暑くて仕方なかった。〉

以上の理由から航行能力が極めて弱く、前述したとおり頻繁に高波に浚われ喪失した。
また平底であり安定性が低く状況によっては大変に揺れたので、船酔いは日常茶飯事だった。
民主連邦パインドネシア州沖合において勃発した地震では、ある河を津波が遡上したことにより、当該地域の本艦が全滅したという事件は、海軍の間では記憶に新しい。
しかし波の穏やかな河川や沿岸地域ではさして問題ではなかったので、将兵の多くは歓迎したのである。

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〈横から見たジャガ級河川装甲艦。臨検や警備のためにしばし陸戦隊員が同乗した。〉

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〈操舵室もある程度装甲化されており、ハッチから敵に銃撃を加えることができる。〉


【運用】
本艦は沿岸・河川の警備、臨検、連絡や輸送とありとあらゆる雑務に使用された。
海軍にしては珍しく現実を踏まえた兵器であったため、多くの基地に配備され任務に就いた。
事実ジャガ級が配備された後、密輸や海賊行為の検挙率は大幅に改善される。

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〈臨検する河川装甲艦。民主連邦では河川交通は未だ盛んであった。〉

戦時においても河川装甲艦は頻繁に用いられた。
特に陸上インフラが低く、河川交通を補給線とする場合において大いに重宝された。
警備だけではなく、海軍陸戦隊員と共に川や沿岸を航行し、しばし敵基地を攻撃した。
良好な火力と装甲は、まさしく水上戦車と言うべきものであった。
少数部隊で神出鬼没に奇襲をしてくる本艦を、敵兵は大いに恐れたという。

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〈陸戦隊員と共に河を遡る装甲艦。歩兵部隊の進撃と合わせることができた。〉

しかしいかんせんスピードが出ないことから、滅多打ちに合い座礁・転覆することも多かった。
本艦は大量に生産されたが、少なくない数が撃沈破されている。
装甲化されてるとはいえ、当たり所が悪ければ普通に穴が開いた。特に甲板が脆かったという。
その活躍は多くの水兵の亡骸と共にあったわけである。

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〈停泊し物資の積み込み中のジャガ級。水兵にとって貴重な休息時間である。〉




【開発後記】
河川装甲艦というロマンあふれる作品です。
直接的なモデルは特にないですが、19世紀末に思いをはせつつ作ってみました。
完成してから、旧陸軍のAB艇に似てるかなぁとも気づいたり。
こういう船があると、架空国家のリアリティがぐっと上がりますね













FS-1 汎用戦闘機コルウス

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FS-1 Fighter Bomber Corvus


【概要】
民主連邦海軍が堂々誇る単発単葉固定脚の戦闘爆撃機。
強力な発動機を搭載しており、優れた搭載力と力強い飛行能力を持つ。
これさえあれば空中戦も爆撃も偵察もできると意気込んだが、勿論そんなことはなかった。
単座型と複座型が存在するが、どちらも駄作機であることは変わりはない。
汎用的ではあるが、大体において平均未満の性能なのであった。
しかし確かに汎用的ではあるので、海軍航空隊の主力として現在君臨している。


【開発経緯】
初の国産戦闘機、撃Ⅰ型戦闘機「グラディウス」の成功は、海軍首脳部を発奮させた。
陸軍にはかっこいい全金属製単葉戦闘機があって、海軍にはない。これは耐え難い状況である。
栄えある海軍航空隊にも、全く新しい新鋭戦闘機が欲しかった。
かくて汎用戦闘機構想「NF1/17」が始動したのである。

しかも構想が進み始めた時期に、ちょうどいい形で性能の良い発動機の生産余剰があった。
天ノ川皇国が誇る最新鋭空冷発動機のライセンス版、「アリエルA型」が余っていたのである。
元はと言えばこのエンジンは撃Ⅱ型戦闘機「サウニオン」に搭載されるものであったが、高価で、操作性が難しく、また事故も多いことから、当初の予定と比較して生産数が激減していた。
それと相反して発動機は、海王自動車のほかにも銀星重工や赤星発動機が肩代わりして生産していたため、機体と比べて過剰気味に納入される羽目となっていた。
せっかくの最新鋭発動機が倉庫で埃を被る憂き目に逢っていたのである。

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〈「アリエルA型」空冷発動機。民主連邦が持つ最強の発動機である。〉

どうせならこれを使おうということで、海軍は強権をもって余ってた発動機を買い集め、民主連邦一の巨大軍需企業、銀星重工に最新鋭戦闘機の注文とともに下げ渡した。
その際に「海王自動車側も新鋭戦闘機を製作する用意がある」と連絡してきたが、何を作ってくるかわからず、海軍側はとても怖かったので、景気よく無視したのであった。
その点前線将兵の期待には応えないが、確実に要望を期間内で形にしてくれる銀星重工には抜群の安定感と信頼感があった。

海軍側は優秀な発動機に物を言わせて、多用途に使える全金属製単葉機を夢見た。
戦闘機としては強力な武装を持ち、爆撃機としては抜群の搭載量を誇り、偵察機として敵機を振り切る優速性を持つ。
既に陸軍が全く同じ構想を夢想し、惨敗していたのだが、全くの別組織である海軍は当然そんな事は知らない。
殄Ⅰ型ピルムを設計した銀星重工は熟知していたが、彼等も賢いので当然そんな事は言わない。
かくして駄作へ向かう喜劇の幕は開かれた。

銀星重工側は海軍の意向を受けて、撃Ⅰ型の武装を遥かに上回る20mm機関砲を2門取り付けた。
更に爆弾ラックや増槽を取り付け、更に偵察/爆撃機用に複座型も併せて製作した。
その配慮のきめ細かさにおいて、足りないのは前線部隊に対する配慮だけであった。
いろいろ取り付けたので、機体重量が当初より遥かに上回り、引き込み脚にすると折れるということで、固定脚となった。

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〈量産されるコルウス戦闘爆撃機。銀星重工は民主連邦随一の生産施設を有していた。〉

こうして受注から8ヶ月という順調な速度で試作機が完成、固定脚のせいで速度は当初より遥かに下回ったが、それ以外は要求項目を満たしていたこと、そして調達費用が低く安価であることが決め手となり、正式に量産されることとなる。
正式量産型はカラスを意味する「コルウス」と名付けられたが、カラスより遥かに重く、カラスより頭が悪かった。
本機は撃Ⅰ型戦闘機と並ぶ、民主連邦軍を代表する戦闘機となったのである。


【性能】

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乗員:1名
武装:20mm機関砲×2(複座型+13mm機関砲×1)
    100kg航空爆弾/焼夷弾×4 500kg航空爆弾×1

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「アリエルA型」発動機は大馬力であったが、重量過多であるため、固定脚となった。
太い固定脚は前近代性を演出するが、未整備の野戦飛行場でも着陸することができた。

20mm機関砲を2門も載せている。搭載弾数が80発と少なく、使いづらかった。
ただし大威力を誇り、地上攻撃で敵に脅威を与えることができた。
のちに代わりとして主翼に13mm機関砲を取り付けたタイプも生産された。

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複座型。後部座席に13mm機関砲の回転砲塔を取り付けたので更に重くなった。
開発コンセプトは全方位に攻撃できる戦闘機!だったが、勿論そんなことはなかった。
後部機銃座は民主連邦陸軍でも随一の危険地帯である。
単座型と比較して、わずかし機体全長が増加している他、目立った違いは見えない。

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単座型。やたら頑丈であり、整備しやすいのは本機の優れた点である。
その点については、整備兵に大いに好まれた。
単座型は戦闘機として、複座型は爆撃/偵察機として使用される傾向にある。


【運用】
海軍航空隊の主力として、ベリサリウス中型爆撃機と共にあらゆる民主連邦の軍事行動に従事した。
とりあえず何でも使えるので、戦闘から爆撃に偵察とあらゆる任務に使用された。
しかし爆撃機としてはベリサリウスに搭載量に大きく水を開けられ、戦闘機としては陸軍のグラディウスに速度で大きく劣るという、性能的にいいところはない飛行機であり、素直に駄作といえた。
本機が秀でているのは汎用性と、量産性、そして頑丈な部分であった。

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〈陸軍との共同基地にて駐機するコルウス。重いため離陸するのに時間を要した。〉

戦闘機としては鈍重であり、往々にして対空砲火の犠牲となった。
華南共和国内にて行われた軍事行動で最も喪失数が多かったのは本機である。
その分地上を這う将兵に近い存在であり、地上軍と連携して爆弾や銃弾を雨あられと放り込んだ。
グラディウスが純粋な制空戦闘機なら、本機は軽爆撃機寄りの戦闘機と言えた。

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〈裏側は特徴的な固定脚のほか、爆弾や増槽が装備されている。〉

作れば作るだけ海軍航空隊の戦力にはなるため、多少の低性能には目をつぶって量産された。
コルウスは生産された分だけ、前線に配備され、使い潰された。
本機は民主連邦の後進性と、残酷な合理性を示す一端でもあるのだ。

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〈炎上墜落するコルウス。少なくない数が対空砲火により撃墜された。〉




【開発後記】
ぬぬつきさんからいただいた発動機があまりにいい感じだったので、発動機から立ち上げて作ってみた単葉戦闘機です。
単葉単発で固定脚、一時期流行った型式ですが、レゴ作品ではあんまり見ない気がします。
かなりお気に入りの作品です。我ながら鈍臭く、鉄の塊感が出た雰囲気にとても満足しています。





BR-1中型攻撃機ベリサリウス

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BR-1 Medium Bomber Plane Belisarius



【概要】
民主連邦海軍が主力として運用している双発中型爆撃機。
元はブリック共和国の双発偵察機を一部改修の上ライセンス生産したものである。
優速性と搭載量に極振りした性能であり、量産性も高いことから、海軍は気に入って使っている。
その分一人乗りだったり、防御力に難があったりするが、些末な問題である。きっと。


【概要】
民主連邦陸軍の制式双発戦闘機、殄Ⅰ型ピルム
その正式採用の裏で、もがき苦しんだある軍需企業があった。
その名前は赤星発動機。優秀な航空機エンジンの生産を主とするメーカーである。
この会社は民主連邦の軍需を寡占的に担っている銀星重工のパイを切り崩さんと虎視眈々としていたのである。

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〈殄Ⅰ型ピルム双発戦闘機。あまりろくな性能ではないことに定評がある。〉

話は殄Ⅰ型ピルムが後に採用されることとなった要求仕様書、「F1/16」に遡る。
これは双発重戦闘機を志向したものであったが、とにかく要求が画餅が如くハイスペックなものであった。
要旨は「戦闘機・爆撃機・偵察機として十全に使える双発機」というものである。
いわば子供のわがままのような要望であったのだ。

それを受注した銀星重工は全ての要求に応えようとした結果、駄作機を作り上げてしまったことは既に述べた。
その一方、この要求仕様書「F1/16」に自主開発で挑んだのが赤星発動機である。
赤星発動機の上層部は民主連邦の軍需企業にしては珍しく、諸外国の動向をも踏まえた大局的な目線を持っており、しかもしがらみに捕らわれない野心を抱いていた(悪く言えばあまり空気が読めなかった)。
その熱心な要求を受けた民主連邦陸軍兵器局は、自主開発ならこちらの懐も痛まないしということで双発戦闘機の製造を許認可したのである。

赤星発動機側は慧眼であったため、要求仕様書に書かれた多目的双発機なるものが出来ても、どうせ役には立たないだろうと一目見て判断していた。
そこで要求された性能を選別・捨象し、両立しなさそうなものは思い切って無視することにしたのである。
重視したのは速度並びに搭載量であった。
いくら機銃が多く装備されようが防御力があろうが、鈍重ならば容易に撃墜されるであろうという判断である。
また当時民主連邦が保有していた航空機はどれも搭載量が足りないことがネックになっていた。
いわば高速爆撃機を作ろうと考えていた訳である。

赤星発動機自体に独力の開発能力は備わってなかったので、計画の当初から外国から適当な軽双発機を選定、そのライセンス生産権を獲得、一部改造し要求計画に合わせていくことを考えていた。
諸外国の高性能な双発機を総覧した上で、選定されたのは民主連邦の友好国であるブリック共和国が保有するBC/R-25ニューニ輸送/偵察機であった。
本機はもともと同共和国の二シェルインダストリー社が民間ビジネス機として売り出したものであったが、その汎用性から同国空海軍でも軍用機として採用されている双発レシプロ機であった。
それは技術後進国、民主連邦から見て卓絶した搭載能力と生産性を有していたのである。
赤星発動機は早速ライセンス生産権を共和国並びに二シェル社と交渉し、獲得したのであった。

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〈二シェル社の原型機。非常に優れたビジネス用の民間機だった。〉

元の機体は輸送機として、しかも最前線に出すことは想定しない構造であったため、赤星発動機は更に手を加えた。
主な変更点は荷物ラックから爆弾槽への変更、増加装甲の搭載、機銃等装備の追加である。
そのため最高速度はオリジナルのものから少し低下し500km/h程度となっている。
それでも高速性は健在であり、試作機は民主連邦が保有していた何れの双発機を引き離した。

そして要求仕様書「F1/16」に基づいた双発機2機が出揃った。
後に「殄Ⅰ型ピルム」となる銀星重工の試作機は、要求仕様を守りすぎてよくわからないことになっていた。
その一方赤星発動機が満を持して送り込んだ試作双発機は、前者を速度、運動性、そして搭載能力で大きく引き離す性能を硬式トライアウトでみせつけたのである。
特に搭載能力の差は圧倒的であり、銀星試作機が500kgも積めないのに対し、赤星試作機は1500kgも積むことができた。

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〈500kg爆弾を持って笑顔を見せる赤星発動機社員。それは勝利の証だった。〉

しかし兵器局は銀星試作機を正式採用したのであった。
大手の銀星重工の方が生産設備の充実度から安心できるというのが公式見解であったが、理由は別にあった。
いくら高性能だからといって、公式の要求仕様書を無視した赤星発動機に軍配を上げるわけにはいかなかったのだ。
言わば面子の問題であった。
赤星発動機は時代の趨勢は読めていたが、明らかに空気を読めていなかった。
赤星発動機社員一同は泣きながら社屋に帰ったという。

試作機はこのまま廃棄処分になるところであったが、ここで現れたのが民主連邦海軍である。
当時海軍航空隊は陸戦隊の充実を図っており、その支援として高性能な陸上攻撃機を求めていた。
そんな中ちょうど棚から牡丹餅が如く高性能な双発機が不遇をかこっていた訳である。
海軍は赤星発動機の試作双発機を陸上攻撃機として採用したい旨を同社に通達した。

赤星発動機としても、その申し出は渡りに船であったため快諾し、海軍向けに少量改造を加えた試作機を製作した。
性能は相変わらず問題なかったため、海軍は正式採用、ここにBR-1 ベリサリウス攻撃機が誕生したのである。


【性能】
先述したように、本機は類い稀なる積載量を誇り、かつ高速性を発揮できるようになっている。
胴体格納庫だけで500kg爆弾を2発積むことが可能であり、更に両翼に100kg爆弾を計4発吊るせた。
何かと引き合いに出される殄Ⅰ型ピルムが100kg爆弾*4しか積めなかったことと比較して、それは驚異的な搭載量と言えたのであった。
500kg爆弾の代わりに大型航空魚雷を2本積むこともでき、海軍航空隊でも重宝された。
それなのに500km/hという速度を叩き出したのである。

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〈かなりスリムな機体である。大きさも殄Ⅰ型双発戦闘機より一回り小さい。〉

その高性能の要因の一つは発動機である。
ブリック共和国から輸入・ライセンス生産した空冷発動機はコンパクトかつ大馬力を発揮した。
自らライセンス生産した赤星発動機によって「アルデバラン」と名付けられたこの空冷エンジンは、900hpもの出力を持っていた。
発動機自体の容積も相まって、小さくまとめられた機体に高出力のエンジンを載せることができたのである。
これはブリック共和国の先進性を示すとともに、赤星発動機の確かな技術力を示している。

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〈機首には13mm機関砲が搭載されている。「アルデバラン」発動機は精巧な出来である。〉

もう一つは徹底的な割り振りと軽量化である。
武装は13mm機銃が機首に1門であり、そのほか防御機銃は一切ついていなかった。
いろんな任務を務めようとやたら機銃をつけたピルム双発戦闘機とはまさに対照的である。
そのためいくら優速でも、自機より速い敵機がいた場合ベリサリウスは容易に喪われた。
配備当初は単独で部隊を組んでいたが、優速性が発揮されなくなって以降は常に護衛戦闘機が必要となった。
乗員がわずか1名なのも、極端な割り振りの結果である。
複数人載せるスペースや、人の体重それ自体ですら惜しかったのだ。

そんな状況であったため、決して損耗率が低い機体ではなかったが、性能そしてそれなりに安価な調達コストであったため、本機は多く量産され、民主連邦海軍の主力爆撃機もとい攻撃機となった。
本機は民主連邦国内、そして同国が関与する戦域にて汎用的にみることができる。
陸軍の要請を受け内陸へたびたび出撃し、爆弾そして時には自らを地面にぶつけたのである。

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〈高高度を編隊で飛翔するベリサリウス。その丸みを帯びた機体から「トビウオ」と愛称された。〉


【運用】
ベリサリウス中型攻撃機は大型爆弾をとりあえず敵陣に高速で届けることができるため、陸海問わず重宝された。
近年における運用のほとんどは民主連邦の傀儡国家、華南共和国にてたびたび勃発する地方軍閥との紛争において駆り出されるというものである。
けたたましい音を立てて容赦なく500kg爆弾、時には焼夷弾をぶつけてくる本機は、敵兵の間で極めて恐れられた。
当然脅威視されたので、集中的に対空砲火を浴びて少なくない数が撃墜されたが。

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〈敵地で撃墜され、密林で発見された機体の残骸。乗員は捕まると高確率で血祭りにされる。〉

以上のように大変使い勝手が良かったので、民主連邦にしてはかなりの数が生産された。
赤星発動機としては満足いく結果であったが、同企業にとって生産能力のキャパシティーを超えていたため、生産機の一部は銀星重工が担っている。

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〈前線基地にて待機するベリサリウス。指揮官機は背中が紅く塗られるため、識別が容易だ。〉

なお銀星重工が生産した本機は性能が元のものと比べて低く、乗員は露骨にテンションが下がったし、現場指揮官は袖の下を渡して密かに赤星発動機生産分を優先的に自部隊に割り当てられるようにしてたという。



【開発後記】
ブリック共和国のスコウさんから数年前に設計図をいただいて生産した双発機です。
今回記事をリニューアルついでに、少し改造を加えました。
とてもシュッとした(関西的表現)機体が素敵ですよね。本当によくできてると思います。


FBS-1戦闘飛行艇ラルス

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FBS-1 Fighter Flying Boat Larus

【概要】
民主連邦海軍が堂々配備・運用している戦闘飛行艇である。
飛行艇を戦闘機としてそれなりに勘定しているあたり軍の後進性が表れている。
しかし多くの島嶼を含む民主連邦にとってかなり便利な兵器であることもまた事実である。
制空任務に使われることは滅多になく、偵察や哨戒、連絡や救援任務で運用されることの方が多い。


【開発経緯】
民主連邦。
その国土は入り組んだパインドネシア半島を中心に無数の島嶼によって成り立っていた。
その領海と経済圏と利権と威厳を守護する民主連邦海軍は、その複雑な地形に対処せねばならなかったのである。
海軍の存在価値を強く認識している(というか大統領自体が海軍出身であった)政府は、莫大な予算を使えもしない駄作兵器と共に海軍の拡充に充てていたが、それでも膨大な海岸線と島嶼群はなお余りあるものがあった。

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〈部隊の閲兵を敢行する日虎大統領。彼の海軍拡充の意志は並大抵たるものではなかった。〉

地形上の弊害による制約は様々な所で影響していたが、その中でも深刻であったのは補給整備の問題である。
南方に置かれた基地は不足しておりかつ整備もままならず、到底万全な国防とは言い難い状況であった。
基地という名前でその実態は将兵はわずか数人、小銃が数丁、手漕ぎボートが一隻、粗末な小屋が一棟のみという散々たる様相が末端のあちらこちらでみられた。
それら遥か彼方辺境の島々への勤務は、海軍組織内での懲罰人事として一部では使われていたという。

そういう有様であったから、飛行場を有した前線基地等はその母数に比して相当数に少なかった。
また書類上では飛行場が「ある」にもかかわらず、実際は「ない」もしくは「使えない」という例も多く、不足なく使用できる飛行場となると更に少なくなったのであった。
極端な事例では、現地部隊の将校達が飛行場設営の費用を着服していたため、記録ではある飛行場が全く存在せず、飛来した味方航空機が全く着陸できず、仕方なく海に不時着したということもあったのである。

幸いにしてちゃんと存在する前線飛行場でも多くは未舗装であり、ヤシの木々を切り開いて造成した所が殆どであった。
少なくない数の飛行機が着陸時に破損したり劣化したりしており、海軍上層部としても深刻に捉えていたのである。
そこで飛行場を使わない飛行機…すなわち飛行艇を新しく配備しようと考えたのも割と普通な道理であった。
しかもどうせなら迫りくる敵航空機を屠り、制空権も握ってしまおうということでいきなり作るのはばりばりの戦闘飛行艇である(戦闘艇というジャンル自体旧式なのではないかという理論はいつものごとくこの国では無視された)。

早速兵器局から民主連邦軍需企業の雄、銀星重工に要求仕様書「FB1/16」が提出されたのであった。
大まかな要求は二点であった。
一点目は敵戦闘機に追随できる機動性と速度(400km/h以上)を持つ事。
二点目はある程度の余裕積載量を持ち、物資や人員の輸送を行える事であった。
結局いつもの通り軍上層部による絵に描いた餅的な要求である。

銀星重工はそれに対し、当時社内で持っていた最強の発動機である「デネブB型」(1300馬力)を投入した。
この水冷発動機は、依然進められていた大型重爆に搭載しようと試作されたものだが計画が頓挫した上、やたら巨大化したせいで持て余した結果、倉庫の奥底で眠っていたものである。
この大型発動機を戦闘艇に載せようと躍起になった結果、設計は発動機を起点として進められたのであった。

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〈「デネブ」発動機を囲む銀星重工社員達。体躯と比してその巨大さがわかる。〉

他にも流線形を志向した艇体、新型の主翼形状等、どうにもならないものをどうにかしようと奮闘した結果、仕様書提出から1年後に完成した試作機では、戦闘艇としては驚異の最高速度400km/hを達成したのであった。
この結果にいたく満足した民主連邦海軍は、早速銀星重工に試作機の量産を明示したのである。

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〈精悍で美しい艇体。銀星重工設計陣の無駄な努力の賜物である。〉


【性能】
いろいろと気を遣って設計されたため、飛行艇としてはかなりの高速性を誇る。
といっても水上戦闘機にすればよかったのでは程度の能力である。
しかし飛行艇型式にした結果、胴体に容量の余裕ができたため、人員が4人も乗った。

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〈内部の様子。見えにくいが操縦手と後部機銃手の間には無線機手が乗る。〉

武装は13mm機関砲を2挺装備した。
前方機銃は前方向に約100度の角度をつけて志向することができるが、前方機銃手は剥き出しであるため、常に風が当たり、時には敵の弾が当たり、更には操縦手の視界を著しく制限するという欠点を持っている。
後方機銃はそれに比べると遥かにましである。90度の旋回が可能である。
わずかながら命中率を高めるため、照準には倍率を変えることができるスコープが何故か取り付けられた。

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〈剥き出しの前方機銃席。海軍飛行隊でも随一のスリルを体験することができる。〉

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〈艇内と後方機銃。一段下がって無線機やちょっとした机も備え付けられている。〉

発動機はわずか1基でそこそこ大きい艇体を持ち上げる。その分、艇に比例してかなり巨大である。
乗員は常に強い振動と騒音に晒されることが特徴である。
的が大きいためよく被弾し停止し、往々にして墜ちるという。

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〈後方から。弱点である発動機周りは堂々と晒され、敵兵にとって格好の的となった。〉


【運用】
「FBS-1戦闘飛行艇ラルス」(ちなみにFBS-1は銀星重工(Silver Star Arsenal)によって作られた制式1番目の飛行艇(Flying Boat)という意味の略である)と名付けられた本艇は、特に南方の諸飛行隊を中心に配備された。
ようやくまともに使える航空機が来たと前線部隊ではそれなりに好評であったという。
桟橋を整えるだけで前線飛行場として機能したからである。
ただし発動機周りの整備は面倒であり、多くの整備兵が天を恨みながら揺れる艇の上で作業したという。

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〈南方の碌な設備がない島々でもラルスなら降り立つことができた。〉

戦闘飛行艇という名前であったが、本機はむしろ偵察・観測や輸送、洋上での救援任務で重宝された。
今まで飛行機が配備できなかった場所でも運用することができたのも相まって、南方の部隊にとって空の目であり続けた。
しかし速度および機動性は普通の陸上航空機と比べると当然低く、まったく太刀打ちできないのは容易に想定できる。
現状南方や西方の島嶼部では平和を享受しているがために活躍できているのであって、戦闘地域に投入されたら一たまりのないことは明らかなのであった。
それでも本艇は今日も緑の島々と碧い海を背景に、民主連邦の国益を守護せんと今日も飛び続けているのである。




【開発後記】
大好きな映画『紅の豚』を観て早速欲望を昇華せんと作った飛行艇です。
水上飛行機と比べて明確な流線形なのが大好きです。あと剥き出しの機銃も推しのポイントです。
結構に気に入っている作品で、よくオフ会に持っていったりしています。






プロフィール

けーにっひ

Author:けーにっひ
駄作兵器と失敗兵器と旧兵器が大好きな人。
ロマン溢れる歪んだ兵器をレゴで作るのが趣味。
コメントいただけると嬉しいです。
どうかよしなに。

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