十五年式回転翼機アラウダ

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15th Year Type Autogyro Plane Alauda


【概要】
民主連邦陸軍が保有する一人乗りの小型オートジャイロ。
着弾観測用として製作されたが、偵察や連絡もこなすことができる器用な兵器である。
便利な代物なので前線で多く使われており、将兵たちに愛されている。
もっとも防御力は皆無なので、多く使われる分損耗も激しく、パイロットは生きた心地がしない。


【開発経緯】
多くの見栄っ張りな軍隊の例に漏れず、民主連邦軍も正面装備ばかり追い求める傾向にあった。
煌びやかな歩兵や大砲、戦車を揃えるのが大国のステータスのつもりだったわけである。
それと比較して、支援装備の方はまことに心許ないものであった。
輸送車両は慢性的に足りなかったし、民主連邦の気候は陸路での運輸を大いに制限したのである。

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〈トラックで輸送される歩兵部隊。熱帯雨林とか泥とか沼とか酷い環境下で動かさざるを得ない。〉

輜重の他、民主連邦軍が弱い分野として偵察や観測が挙げられた。
正面装備に拘泥し歪な予算を組んだツケは、確実に支援装備に影響していた。
優良部隊の偵察部隊には偵察車が与えられていたが、ほとんどは四輪車がそのまま配備されていた。
まして辺境の部隊には自転車が支給されていたという。何をかいわんやである。

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〈最前線の橋を必死に渡ろうとする偵察部隊。辛い任務であった。〉

つまり不十分な情報を基に、不十分な軍事作戦を取らざるを得なかったのが陸軍の現状だった。
同盟国や友好国軍と比較して、立ち遅れていることを実感した陸軍兵器局は、空から偵察・観測できるような兵器を導入することを決意する。
そこで小型オートジャイロの設計を、銀星重工に下命したのである。
同社はすでに海軍用のオートジャイロを製造しており、十分な実績があると判断されたのである。

銀星重工は、設計にあたり「コンパクト性」を非常に重視した。
発動機は馬力が比較的弱い者の軽量なものを選択し、徹底的に軽量化を図った。
また輸送時の利便性を鑑みて、翼や羽を折り畳めるようにしたのである。
そのため多少強度は弱まったが、見て見ぬふりをしたのであった。

設計指示から約8か月の期間を得て試作機が完成、斬新な折り畳み機構やコンパクトな外見は見学に訪れた軍高官たちを唸らせたという。
それは地を這いつくばって戦う、前近代的な戦闘からの脱却と未来の象徴にも見えたのである。
性能は要求より低かったものの、全体的な雰囲気が良かったため、正式発注が決定したのであった。
正式発注後、ラテン語で雲雀を意味する「アラウダ」という名称が付与された。
量産機は優良部隊から逐次配備され、将兵の多くはその姿に進歩を感じたのである。


【性能】

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〈かなり小型のフォルム。オートジャイロとしての最低限の機能しかついていない。〉

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〈いろんな部分が折り畳めた。しかしその分いろんな部分が脆くなった。〉

兵器としては可愛いと思えるほど小さく低速であったが、観測機材としてはうってつけであった。
本機の多くは砲兵部隊に付属し、空から着弾観測をおこなった。
民主連邦陸軍の大砲はその旧さも相まって命中精度が非常に劣悪であったが、アラウダの配備により多少は数字が改善したという。それでも他国と比較すると酷かったが。

観測任務と比較すると、偵察任務はあまり良い数値を残したとは言えなかった。
確かに空からの視覚は多くの情報を地上部隊にもたらしたが、その分本機の損害は大変多かった。
低速かつ非武装のアラウダは、敵部隊に見つかった瞬間高確率で死を意味した。
一説によると、陸軍で最も損耗率が高かったのは本機のパイロットだと言う。

現場で装甲板を張り付けたりする等の改善はなされたが、有効な程度の装甲板を張り付けつつ、飛ぶことができなかった。重すぎたのである。
同様の理由で機関銃等の武器を載せることも失敗した。爆弾なんて到底無理な相談である。
アラウダの装備はパイロットの手に握られた拳銃、それが全てであった。

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〈野営地で駐機するアラウダ。墜ちやすいことから兵士からは「蚊」と呼ばれた。〉


本機の一部は珍しい運用方法が取られた。装甲列車である。
わざわざ専用のオートジャイロ搭載貨車が製作され、そこから飛ばすような工夫が取られた。
装甲列車部隊の目となり脚となる重要な機材であるが、発進まで手続きが煩雑なので兵士達からは嫌がられている。

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〈オートジャイロ搭載貨車からクレーンで吊り下げられるアラウダ。〉

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〈クレーンで地上に降ろされた後、簡単な組み立てを経て発進となる。〉





【開発後記】
缶詰パスタ氏が製作されていたオートジャイロを参考に、自分で製作したものです。
こういう支援装備もいいですよね。寸詰まりの機体は鳥山明味があって結構好きです。
ただし結構接続がシビアなのが難点ですが…。
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十五年式小型乗用車カルス

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15th Year Type Light Vehicle Carrus


【概要】
十三年式偵察車ロリカを本体部分を流用した、4人乗りの小型乗用車である。
軽く、ある程度の悪路走破性もあり、更に安いことから、大量に生産され、前線で消費されている。
十一年式四輪自動貨車と共に、最も民主連邦軍で普及している車両であり、将兵に最も近い兵器の一つなのである。


【開発経緯】
十三年式偵察車の存在は、民主連邦陸軍に大変なるインパクトを与えた。
このよくできた兵器は、隣国であり同盟国でもあるアストメリア共和国からライセンス生産したものであったが、速く小回りが利き、生産コストも低いという化け物のように優秀さを誇っていた。
何よりも恐ろしい事はこれが共和国軍では半世紀以上前に使用され、博物館で置かれていた骨董品であったということであったが、それはともかくとしてこの優秀な車両を偵察車程度で留めておくのも勿体ない話である。
既にロリカを一部改造した弾薬車も配備されていたが、その使いやすさに将兵は更に絶賛した。
同車をより汎用的に使える乗用車にしよう!という声は日増しに高まっていったのである。

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〈ロリカ弾薬車。重い弾薬の運搬に苦しめられていた将兵にとってありがたい存在だった。〉

将兵の声を無視する事に定評のある上層部としては珍しく、この要望に乗り気であった。
民主連邦の輸送能力は常にパンク気味であり、特に鉄道輸送後から末端へ物資が届くまでが壊滅的に滞った。
それはさながら血管が塞がり、末端の神経が死んでいくがごとしであった。
既に四輪自動貨車のほか、陸軍には十年式中型乗用車があったが、この車両の走破能力は低い。
乗用車が乗り付けられない低インフラの戦地へは、多くは馬匹、時には人力で輸送しており、さながらその光景は到底近現代の軍隊と言えないものであった。

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〈前線の物資集積所。民主連邦の兵器が刷新されるほど、必要な物資は加速度的に増えた。〉

早速陸軍兵器局は、低調だが堅実な仕事ぶりに定評のある銀星重工に、十三年式偵察車を改造した汎用自動車を製作することを命じた。
銀星重工としても、楽な仕事であった。
主な仕事は弾薬輸送車の後部を改修して、座席を取り付ければよかっただけなのだから。
他にもオープントップにしたり、重機関銃用の銃架を取り付けたりしたが、基礎は殆ど変わっていない。
それほど初期設計が優秀だったのである。

銀星重工設計陣は、3ヶ月という驚異の開発速度で試作車を完成させた。
4人乗りという少ない搭載能力ながら、親譲りの走破性、そして生産性にいたく満足した兵器局は、早速生産を指示した。
こうして本車は劇的な生産速度で、瞬く間に部隊に普及したのである。


【性能】

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乗員は4名。2名なら100km/hというかなりの速度を出すことが出来る。なお二輪駆動である。

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後部には十二年式重機関銃を乗っける銃架を装備。簡易的な偵察や追撃任務にも使用された。

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発動機は前部のクランクを回してかける。他国軍では絶滅した、古式ゆかしき風景である。

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後部には牽引器具が取り付けられている。数字は部隊番号だ。


本車両は他国と比較していろいろと原始的な車両だったが、それが幸いして全体的に堅牢な設計であり、またすぐ壊れてもすぐに修理することができた。
馬力が低く、そもそも発動機自体旧式であったが、そもそも民主連邦国内ではその程度の車両しか民間に普及していなかったため、哀しいことに特に問題はなかったと言える。
むしろ兵士にとって扱いやすい代物と言え、一部の一般歩兵でも直せたぐらいである。

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〈フィールドキッチンを牽引するカルス。まことに将兵に近い存在であった。〉 

4人しか乗れないことは確かにネックであったが、6人乗りの十年式中型乗用車が補完した。
歩兵連隊に一定程度割り当てられ、偵察や連絡、輸送に移動と様々な局面で酷使されたのである。
大量に生産されたカルス小型乗用車は、民主連邦軍の行くところ、戦地に大量に持ち込まれ、大量に酷使され、敗退して大量に放棄された。
またつつがなく兵役を務めた車両は民間に安価に払い下げられた。
その結果として、多くの本車両を民主連邦の街角で観ることができるのである。

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〈歩兵連隊には必ず付属した。歩兵部隊だけではなく、海軍や内務軍でも用いられた。〉




【開発後記】
ポポさんに作っていただいた車体をそのまま流用し製作した民主連邦のジープです。
主な改良点はオープントップにして座席を付けたぐらい。本当に基礎設計が優秀ですね。
とても作りやすいので、たくさん製作しちゃいました。こういう車両は数があると、雰囲気が出ていいものです。






民主連邦陸軍の編成と特徴

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Organizations And Characteristics Of Democratic Union Of Legoland Army


民主連邦陸軍の基幹にして中心となる存在こそ、歩兵部隊である。
歩兵こそが戦場を支配し、統治する主役だからである。
特に他国と比較して機械化比率が低く、歩兵以外の戦力が乏しかったこの国ではその傾向が顕著であった。
極端に言えば、歩兵こそが軍の主力であり、そのほかの兵器はそれを支援する存在に過ぎなかったのだ。

そのため、陸軍においては部隊の編成に大変こだわった。
均質性・等質性こそ近代軍隊の要である。
戦力を正確に量ることができてからこそ、初めて作戦を立案することができるのだ。
全ての兵器、それこそライフル一挺に至るまで、建前上兵器局は計数し、厳格に管理されていた。
もっとも実際は長年の癒着と慣習で機能していなかったのだが。
では部隊はどういった編成をしていたか、本国軍を代表に観てみることにする。

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〈整列する民主連邦陸軍兵士。銃剣付きライフルは整列する時美しく見えるから気に入られている。〉


もっとも根幹の部隊は中隊である。
中隊は兵士6人、下士官2人、そして指揮する将校1人の計9人で構成される。
近年指揮系統の円滑化を目指し、下士官の比率が大幅に増えたことが特徴である。
また中隊規模まで携帯無線機が配備された。
なお無線機手は下士官であるが、急激な配備に頭数が足りなかったため、急きょいろんな工業高校から卒業生を引っ張り出し、半強制的に無線機手にした経緯を持つ。
そのため近年下士官の身体能力大幅低下が問題となっていたりする。

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〈中隊定員。ちなみに歩兵は全員ライフル手である。〉


中隊が2個集まることにより、大隊が編成される。
大隊になると、軍旗や重機関銃、そして中型トラックが付属する。
残念ながら中型トラック1台では全兵士を同時に載せることなどできず、自動化は程遠いのであった。
軍旗は大切なものなので、無くしたり奪われたりすると凄く怒られる。
なお大隊定員は中隊2つ(18名)に軍旗(1名)重機関銃(2名)で21名。

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〈1個大隊の様子。重機関銃は重いので、よくトラックに載せる。〉

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〈やたら重いことに定評がある十二年式重機関銃。2名で運用される。〉


1個連隊は大隊を2個組み合わせることにより、主に構成される。
連隊になると更に機動十五年式野砲が1門、そして十五年式小型自動車が付属する。
更にさらには連隊司令部として、将官が1名、補佐する将校と下士官がそれぞれ1名ずつついてくる。
連隊は2個大隊(42名)に連隊司令部(3名)、そして連隊砲要員(3名)で合計48人である。

民主連邦陸軍の大砲や装甲兵器は、ほぼ全て旅団編成である。独立していない。
歩兵連隊には往々にして砲兵旅団や戦車旅団が付属しており、連隊で独立した戦闘が可能である。
例えば本国軍のすべての連隊には10cm榴弾砲が旅団としてついている。
編成から見てわかる通り、民主連邦は歩兵部隊を主力としているのである。

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〈1個連隊の様子。機動力なんてそんなものはなかった。〉

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〈連隊砲もとい機動十五年式野砲。歩兵にとって身近な砲火力であり、重宝された。〉

連隊が2つ集まると師団である。
ここまで大規模な編成になることは稀である。全面的な戦争を想定したものである。
師団になると旅団が複数付属することもあり、陸軍の総力と言ってもいい。
いるだけでも物資を莫大に消費するのであった。

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〈1個師団の様子。更に旅団やらでいろいろ付属する。〉

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〈残念ながら、自動車化していないため輸送はピストンとなる。列車輸送が基本である。〉

なお、以上紹介したのは本国陸軍の編成である。
民主連邦陸軍には、そのほかにも華南共和国軍(旧民主連邦自動車化連隊)や、西部国境に駐屯させてある山岳歩兵大隊も指揮下に収めている。
名前からわかる通り前者は連隊規模、後者は大隊規模であり、本国軍のそれとそこまで乖離しない。
海軍にも陸戦隊が存在するが、これも数的に大隊規模である。
ただし装備は本国軍のものと大きく異なり、多分に先進的であった。




【設定後記】
いわゆるミニマムサイズに編成しなおした歩兵部隊です。
100人余りの歩兵をうまいこと分配することができました。
こういう頭数とか考えて配分するのが私は大好きです。
そのうえで並べるのが楽しくて仕方ありません。いやぁいい。

地下司令部

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Democratic Union Army Underground Headquarters

【概要】
民主連邦陸海軍が備えた奥深くにある地下壕である。
有事の際はここに陸海軍の首脳達が集い、戦争計画を練る。
その重要性と機密性のため、首都プノンペンネの何処かにあるという以外、ごく一部の将兵以外には知らされていない。
内部はとても入り組んでおり、網の目のように部屋や通路が連なっていると言われている。
その入り口出口は首都全体に渡っていると噂されるぐらい広大な施設である。


【開発経緯】
民主連邦軍の高官達にとって、最も重要な論題は身の安全であった。
もちろん蓄財もそれなりに最大の関心を持たれていたが、命あっての金である。
彼等は贅沢もそこそこに、何よりも死なない事を重要視していた。

そんな陸海軍のエリート達にとって、従来の陸海軍省は安全性が保障できないと考えていた。
いずれの建物も荘厳な作りであったが、とてもテロや爆撃に耐えられるとは思えなかった。
もちろん平時の際は市民に威厳を示せるからそれでいい。
しかし有事の際に最高の軍首脳達がそこに籠って戦争計画を立案するのは、リスクが高い。
テロや爆撃に晒される危険性があった。
そこでより安全で、より秘密な施設を作るべきではないかと考えたのである。

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〈海軍省外観。贅沢な建物であった〉

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〈陸軍省内観、陸軍大臣室。贅沢な作りであった〉

末端の兵士や人民のことはあんまり気にかけない大統領以下高官達も、自らの安全のためならカネと手間を惜しまなかった。
ということで早速首都プノンペンネの地下を土竜のように開削する作業がひっそりと、しかし大々的に始まったのである。
まさに土建国家万歳的な政策は、数年に渡る建設期間と莫大な費用をかけて行われた。
予算は非民主主義的国家らしく、誤魔化しと粉飾がなされ計上がなされなかったので総額は不明である。

また時間がやたらとかかったのは、機密性を重視するため主な作業を夜間に極秘で行っていたためである。
そのため一時期のプノンペンネでは、夜中に地面に聞き耳を立てると、明らかに振動していたと言われる。
疑問を持たれるのを嫌がった政府は、夜間に憲兵を彼方此方に配置して、暇そうにしている人間を片っ端から取り締まった。
昼間にやむを得ず作業する場合は、下水道や電話線の工事と粉飾をかけてなされた。

涙ぐましい努力を以て機密性を保ちつつ、何とか使用可能な状態に持っていったと思った政府並びに軍であったが、諸外国の諜報機関はかなり正確にその計画を捉えていたと言われている。
何しろ首都プノンペンネの複数場所から、尋常じゃない量の排土が目撃されたためである。
また大々的な工事だったため、将兵を大規模に動かした事も、ばれる要因に繋がった。
政府や軍がポンコツである民主連邦では仕方のないことなのであった。

そういった状況のため、機密を保全しようと現在も新しい通路や部屋を付けたし作られ続けているようである。
しかし新しい施設を作り、結局その様相が露見し、その対策にまた新しい施設を改築するといういわばいたちごっこのような状況に陥っている。
この地下司令部は今も労力と費用を底なし沼のように飲み込んでいるのだ。


【性能】
ごくたまに政府が発表する報道写真では、作戦指令室/大会議室の様子が写っている。
この部屋は見た目から頑丈であり、驚異の強靭性と耐久性を備えている。
地下数十メートルに位置するため、爆弾の直撃を受けてもびくともしない。
また別室には発電室を複数設けており、空気も自己生産できるようになっている。
有事の際や定例合同会議の際はここに大統領や陸海軍首脳部が集う。
ちなみに文官はその存在を知らないものがほとんどである。

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〈立体地図を用意して作戦を討議する高官たち。部屋に入ることができる人間は極めて限られる〉

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〈同盟国の首脳会談もここで行われる。写真は民主連邦大統領とアストメリア共和国首相〉

階級配列
〈同盟国との合同作戦会議でもここが使用される。民主連邦軍だけでは不安なのである〉

ちなみに官僚主義に凝り固まった民主連邦軍らしく、陸海軍で勝手に別個で増築している状況である。
両軍の区画は分かれており、一方から一方に移る時は事前連絡と身分証明が必要だという。

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〈大統領自ら行う布告もここでなされることがある。威厳があるように見えるからいい施設である〉

スプロール現象的に広がっていく地下司令部は、制御不可能な規模になっている。
例えば水道工事の際に、間違えて地下通路に穴を開けてしまう事故は年10件を下らない。
おそらく行政側もどこに何があるのかそろそろ把握できない状況になっているといえよう。




【開発後記】
兵器というよりはジオラマに近い作品です。32*16のジオラマです。
黄色ブロックが余ったので作ってみました。
これで作戦会議シーンとか撮ると雰囲気出るんですよね。
こういうドラマ性を持たせる小道具、なかなか作ってて楽しいです



十五年式軽装甲車ウェリテス

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15th Year Type Light Vehicle Velites


【概要】
民主連邦陸軍にて運用されている軽装甲車。
安価で量産性も高いことから、多く配備されており、機甲部隊の数的主力を担っている。
その頼りない見た目から期待される通り、絶妙な打たれ弱さと攻撃力不足が特徴である。
小銃弾程度なら跳ね返すことができるが、重機関銃まで行くと少し怪しい程度の防御力を持つ。
当然ながら将兵たちからは車輪がついた棺桶呼ばわりされている。

しかし後方警備や治安維持ではそれなりに使え、一応は装甲車両なのでそれなりに重宝されている。
本車両は民主連邦陸軍が行く処どこでも見られ、戦い、そして戦場に骸を晒しているのである。


【開発経緯】
民主連邦陸軍ほど機械化に無関心であった軍隊は世界広しと言えどもなかなか無かったであろう。
陸軍上層部は歩兵こそ戦場の主役と信じていたし、その充活こそが勝利の鍵であると疑わなかった。
結果として歩兵火力が異常に高く、砲兵火力はまぁまぁ、そして機甲戦力は皆無という歪な組織となっていた。
彼等は妄想の戦場を想定し、卓上の戦略と立てていた訳である。

その代償はたっぷりと払う事となった。
勢いと虚勢だけはあった民主連邦はたびたび権益拡張のため侵略行動を繰り返したが、哀れ大抵の場合遠征軍は現地で袋叩きにされて帰ってきた。
歩兵部隊だけでは近代戦争を遂行するにはあまりにも脆弱で、あまりにも遅かったのである。
別に直接血を流しているわけではない本国の陸軍高官達もその現実に気付いたのであった。

戦訓を分析した結果、問題の一つとして機甲戦力の不足があることが指摘された。
当時機甲戦力の中心は、鉄の棺桶と名高い十三年式主力戦車であったが、脆弱な割にコストがかかったため前線に十分な数が行き渡っていなかった。
その穴埋めとなるべく開発されていた十二年式重装甲車も戦車の代替という性格が強く、決して安価なわけではなかった。
もっと安く、手軽に運用でき、歩兵部隊を掩護する装甲車が求められたのである。

そこで、陸戦兵器の開発を一手に担っていた軍需企業、銀星重工に早速開発指示が出された。
要求仕様書は例のごとく分厚かったが、主な点は以下の通りであった。
・小型かつ軽量にして良好な機動力を有する装輪車両とする事
・敵歩兵もしくは敵陣地を制圧するために回転式砲塔を有し、武装を軽砲もしくは機銃とする事
・生産性を重視した簡便な構造とすること

銀星重工は以前から有象無象の駄作陸戦兵器をいろいろと開発製造していたため、手慣れたものであった。
要求仕様書をそつなくこなし、試作車は開発指示から半年後に早くも姿を現したのであった。
高官達が集った試験場でも、試作装甲車は問題なく動作し、大過なく生産されることになった。
ただし試作型は機銃搭載型と軽砲搭載型が存在したが、後者は排煙が酷く、一発撃つごとに乗員が酸欠で死にそうになったので、機銃搭載型のみ採用されることとなったのであった。

銀星重工は製造設備も充実していたため、生産指示が出されて早急に諸部隊に納入された。
前線部隊には大量の本車が送られることとなり、すぐに機甲部隊の中軸となったのである。
その真価が試される時は予想以上に早く、早速紛争耐えない華南地域に送られることとなった。


【性能】
本車両の最大の特徴は生産性の向上のためにいろいろと割り切った構造であろう。
銀星重工は慣れた手つきで無慈悲にもかなり徹底した機能の縮小化を行った。
例えば、従来全ての装甲車両に搭載されていた無線機は本兵器には搭載されていない。
他にも発動機周りを当時生産していた民生用自動車と同一のものにする等、なるべく楽に作れるようにしていた。
そのため、この哀れな車両は始動する時、前面のハンドルを回さなければならなかったのである。
ちなみに発動機の馬力はわずか50hpであった。

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〈搭載されている発動機。馬力が弱く時代遅れであったが、とにかく頑丈で簡易な構造だった。〉

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〈まさかの手動スターター。クランク棒は本装甲車で標準装備されている。〉

既にあった十二年式重装甲車リクトルと比較して重量が半分程度であったため、本車両は「十五年式軽装甲車ウェリテス」という正式名称を賜ったのであった。ウェリテスは共和政ローマ期の軽装歩兵である。
「装甲車」という名前だが、装甲は脆く、ありとあらゆる対戦車兵器に太刀打ちできなかった。
対戦車兵器どころか、口径13mm以上の重機関銃に撃たれても場合により貫通したぐらいである。
特に旋回式銃塔部分はコンパクトにしたため限りなく装甲を削っており、最も脆弱であった。
それでも小銃弾は弾くので、生身の肉体よりは安全である。

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〈後部には乗り降り用の大きなハッチが存在する。当然ながらここも弱点だ。〉

十五年式軽装甲車の唯一の武装である13mm機関砲は全周旋回できる銃塔に載せられていた。
内部は激烈に狭く、また車長が銃手を兼任するので、なかなか大変な仕様である。
車長は足元にあるフットペダルを用いて銃塔を回転させるというなかなか面白い方式である。
なお13mm機関砲自体は敵歩兵や軟目標に対し効果的であり、割と好評であった。

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〈銃塔装甲部分は外すことができる。如何に狭いかが一目でわかる。〉

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〈13mm機関砲。歩兵部隊が用いる7.7mm機関銃は威力不足であったため、重宝された。〉

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〈予備弾倉ラックは側面スペアタイヤの下に備え付けてある。ここを狙って撃つと爆ぜる。〉

防御上数えきれないぐらいの問題点があったが、高い量産性がそれを誤魔化し、一線級部隊から後方治安維持部隊まで様々な陸軍部隊、地域、役割で運用されることとなった。
民主連邦の将兵たちはこの車両と苦楽を共にし、時には死を分かち合ったのである。


【運用】
従来民主連邦軍においてそれなりに装甲車は貴重であったため、車長は下士官もしくは将校が務めていた。
しかし本車両の高い生産性と2人乗りというコンパクト性は、下士官以下ですら車長になった。
また、実戦力はともかくとして数的には大幅に保有車両数は増加したため、今まで難しかった機甲戦力の集中運用が可能となったのである。

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〈基地にて待機する十五年式軽装甲車群。民主連邦では多く見られる光景だ。〉

最前線においても十五年式軽装甲車は多用されたが、やはりその装甲の薄さは致命的であった。
敵対軍閥が用いる対戦車ライフルや速射砲によって、どの角度からも大体はボコボコにされた。
当初は兵士達も対応に苦慮し、脆弱箇所に装甲板を張り付ける等して対処していたが、そのうちどの方向からも大体撃ち抜かれることが判明したため、乗員達はもがくのをやめお札やお守りを車内に持ち込むぐらいしかやることがなくなった。

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〈市街地にて歩兵部隊と共闘する様子。歩兵達にとって最も身近な装甲車だった。〉

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〈十三年式主力戦車改との比較。一回り小さいが、どちらも弱いことには変わりはない。〉

しかしどれだけ酷使されても動く高い耐久性や簡便な構造は、前線部隊にありがたがられている。
日々不条理にもがく民主連邦兵達は、感謝と侮蔑の矛盾した思いを抱きながら本車両に対し、「車輪の付いた棺桶」と愛着を持ちながら呼称しているのである。

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〈前線に赴くウェリテス。後ろからの様子はロマンに満ち溢れている。〉




【開発後記】
1920年代の装甲車を念頭に置きつつ、作ってみたやつです。
そこはかとなく漂う頼りなさとブリキ感を狙ってみました。
人や機関砲が乗りつつコンパクトな回転式銃塔を製作するのは初めてでしたが、なかなかうまくいって満足です。
これもお気に入りの作品ですね。





プロフィール

けーにっひ

Author:けーにっひ
駄作兵器と失敗兵器と旧兵器が大好きな人。
ロマン溢れる歪んだ兵器をレゴで作るのが趣味。
コメントいただけると嬉しいです。
どうかよしなに。

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