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ようこそこのサイトへ!ダメな性能ですが、愛しくて哀しいレゴの兵器を作っています。
架空国家と架空国家の軍隊についての設定と解説が主なコンテンツです。
感想いただけると大変嬉しいです。

最新記事:地下司令部を更新しました!

目次

民主連邦について
私、ケーニッヒが作った架空国家、レゴランド民主主義連邦(通称DUL)についての設定です。

民主連邦陸軍
メインコンテンツ1。主に陸戦兵器についての作品集です。ロマンに生きる残念な性能です。

民主連邦海軍
メインコンテンツ2。主に海戦兵器についての作品集です。同じく残念な性能です。

内務軍
民主連邦の防空とか治安維持とかそういうのを担当する三つ目の軍、内務軍の兵器です。

雑記
管理人の近況です。

オフレポ
管理人が参加したオフ会のレポート。内容察してね!

民主連邦の過去設定
レゴ国際連合があった頃の民主連邦の兵器とか設定の記事です。現在は引き継いでいません。



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地下司令部

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Democratic Union Army Underground Headquarters

【概要】
民主連邦陸海軍が備えた奥深くにある地下壕である。
有事の際はここに陸海軍の首脳達が集い、戦争計画を練る。
その重要性と機密性のため、首都プノンペンネの何処かにあるという以外、ごく一部の将兵以外には知らされていない。
内部はとても入り組んでおり、網の目のように部屋や通路が連なっていると言われている。
その入り口出口は首都全体に渡っていると噂されるぐらい広大な施設である。


【開発経緯】
民主連邦軍の高官達にとって、最も重要な論題は身の安全であった。
もちろん蓄財もそれなりに最大の関心を持たれていたが、命あっての金である。
彼等は贅沢もそこそこに、何よりも死なない事を重要視していた。

そんな陸海軍のエリート達にとって、従来の陸海軍省は安全性が保障できないと考えていた。
いずれの建物も荘厳な作りであったが、とてもテロや爆撃に耐えられるとは思えなかった。
もちろん平時の際は市民に威厳を示せるからそれでいい。
しかし有事の際に最高の軍首脳達がそこに籠って戦争計画を立案するのは、リスクが高い。
テロや爆撃に晒される危険性があった。
そこでより安全で、より秘密な施設を作るべきではないかと考えたのである。

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〈海軍省外観。贅沢な建物であった〉

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〈陸軍省内観、陸軍大臣室。贅沢な作りであった〉

末端の兵士や人民のことはあんまり気にかけない大統領以下高官達も、自らの安全のためならカネと手間を惜しまなかった。
ということで早速首都プノンペンネの地下を土竜のように開削する作業がひっそりと、しかし大々的に始まったのである。
まさに土建国家万歳的な政策は、数年に渡る建設期間と莫大な費用をかけて行われた。
予算は非民主主義的国家らしく、誤魔化しと粉飾がなされ計上がなされなかったので総額は不明である。

また時間がやたらとかかったのは、機密性を重視するため主な作業を夜間に極秘で行っていたためである。
そのため一時期のプノンペンネでは、夜中に地面に聞き耳を立てると、明らかに振動していたと言われる。
疑問を持たれるのを嫌がった政府は、夜間に憲兵を彼方此方に配置して、暇そうにしている人間を片っ端から取り締まった。
昼間にやむを得ず作業する場合は、下水道や電話線の工事と粉飾をかけてなされた。

涙ぐましい努力を以て機密性を保ちつつ、何とか使用可能な状態に持っていったと思った政府並びに軍であったが、諸外国の諜報機関はかなり正確にその計画を捉えていたと言われている。
何しろ首都プノンペンネの複数場所から、尋常じゃない量の排土が目撃されたためである。
また大々的な工事だったため、将兵を大規模に動かした事も、ばれる要因に繋がった。
政府や軍がポンコツである民主連邦では仕方のないことなのであった。

そういった状況のため、機密を保全しようと現在も新しい通路や部屋を付けたし作られ続けているようである。
しかし新しい施設を作り、結局その様相が露見し、その対策にまた新しい施設を改築するといういわばいたちごっこのような状況に陥っている。
この地下司令部は今も労力と費用を底なし沼のように飲み込んでいるのだ。


【性能】
ごくたまに政府が発表する報道写真では、作戦指令室/大会議室の様子が写っている。
この部屋は見た目から頑丈であり、驚異の強靭性と耐久性を備えている。
地下数十メートルに位置するため、爆弾の直撃を受けてもびくともしない。
また別室には発電室を複数設けており、空気も自己生産できるようになっている。
有事の際や定例合同会議の際はここに大統領や陸海軍首脳部が集う。
ちなみに文官はその存在を知らないものがほとんどである。

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〈立体地図を用意して作戦を討議する高官たち。部屋に入ることができる人間は極めて限られる〉

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〈同盟国の首脳会談もここで行われる。写真は民主連邦大統領とアストメリア共和国首相〉

階級配列
〈同盟国との合同作戦会議でもここが使用される。民主連邦軍だけでは不安なのである〉

ちなみに官僚主義に凝り固まった民主連邦軍らしく、陸海軍で勝手に別個で増築している状況である。
両軍の区画は分かれており、一方から一方に移る時は事前連絡と身分証明が必要だという。

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〈大統領自ら行う布告もここでなされることがある。威厳があるように見えるからいい施設である〉

スプロール現象的に広がっていく地下司令部は、制御不可能な規模になっている。
例えば水道工事の際に、間違えて地下通路に穴を開けてしまう事故は年10件を下らない。
おそらく行政側もどこに何があるのかそろそろ把握できない状況になっているといえよう。




【開発後記】
兵器というよりはジオラマに近い作品です。32*16のジオラマです。
黄色ブロックが余ったので作ってみました。
これで作戦会議シーンとか撮ると雰囲気出るんですよね。
こういうドラマ性を持たせる小道具、なかなか作ってて楽しいです



十五年式軽装甲車ウェリテス

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15th Year Type Light Vehicle Velites


【概要】
民主連邦陸軍にて運用されている軽装甲車。
安価で量産性も高いことから、多く配備されており、機甲部隊の数的主力を担っている。
その頼りない見た目から期待される通り、絶妙な打たれ弱さと攻撃力不足が特徴である。
小銃弾程度なら跳ね返すことができるが、重機関銃まで行くと少し怪しい程度の防御力を持つ。
当然ながら将兵たちからは車輪がついた棺桶呼ばわりされている。

しかし後方警備や治安維持ではそれなりに使え、一応は装甲車両なのでそれなりに重宝されている。
本車両は民主連邦陸軍が行く処どこでも見られ、戦い、そして戦場に骸を晒しているのである。


【開発経緯】
民主連邦陸軍ほど機械化に無関心であった軍隊は世界広しと言えどもなかなか無かったであろう。
陸軍上層部は歩兵こそ戦場の主役と信じていたし、その充活こそが勝利の鍵であると疑わなかった。
結果として歩兵火力が異常に高く、砲兵火力はまぁまぁ、そして機甲戦力は皆無という歪な組織となっていた。
彼等は妄想の戦場を想定し、卓上の戦略と立てていた訳である。

その代償はたっぷりと払う事となった。
勢いと虚勢だけはあった民主連邦はたびたび権益拡張のため侵略行動を繰り返したが、哀れ大抵の場合遠征軍は現地で袋叩きにされて帰ってきた。
歩兵部隊だけでは近代戦争を遂行するにはあまりにも脆弱で、あまりにも遅かったのである。
別に直接血を流しているわけではない本国の陸軍高官達もその現実に気付いたのであった。

戦訓を分析した結果、問題の一つとして機甲戦力の不足があることが指摘された。
当時機甲戦力の中心は、鉄の棺桶と名高い十三年式主力戦車であったが、脆弱な割にコストがかかったため前線に十分な数が行き渡っていなかった。
その穴埋めとなるべく開発されていた十二年式重装甲車も戦車の代替という性格が強く、決して安価なわけではなかった。
もっと安く、手軽に運用でき、歩兵部隊を掩護する装甲車が求められたのである。

そこで、陸戦兵器の開発を一手に担っていた軍需企業、銀星重工に早速開発指示が出された。
要求仕様書は例のごとく分厚かったが、主な点は以下の通りであった。
・小型かつ軽量にして良好な機動力を有する装輪車両とする事
・敵歩兵もしくは敵陣地を制圧するために回転式砲塔を有し、武装を軽砲もしくは機銃とする事
・生産性を重視した簡便な構造とすること

銀星重工は以前から有象無象の駄作陸戦兵器をいろいろと開発製造していたため、手慣れたものであった。
要求仕様書をそつなくこなし、試作車は開発指示から半年後に早くも姿を現したのであった。
高官達が集った試験場でも、試作装甲車は問題なく動作し、大過なく生産されることになった。
ただし試作型は機銃搭載型と軽砲搭載型が存在したが、後者は排煙が酷く、一発撃つごとに乗員が酸欠で死にそうになったので、機銃搭載型のみ採用されることとなったのであった。

銀星重工は製造設備も充実していたため、生産指示が出されて早急に諸部隊に納入された。
前線部隊には大量の本車が送られることとなり、すぐに機甲部隊の中軸となったのである。
その真価が試される時は予想以上に早く、早速紛争耐えない華南地域に送られることとなった。


【性能】
本車両の最大の特徴は生産性の向上のためにいろいろと割り切った構造であろう。
銀星重工は慣れた手つきで無慈悲にもかなり徹底した機能の縮小化を行った。
例えば、従来全ての装甲車両に搭載されていた無線機は本兵器には搭載されていない。
他にも発動機周りを当時生産していた民生用自動車と同一のものにする等、なるべく楽に作れるようにしていた。
そのため、この哀れな車両は始動する時、前面のハンドルを回さなければならなかったのである。
ちなみに発動機の馬力はわずか50hpであった。

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〈搭載されている発動機。馬力が弱く時代遅れであったが、とにかく頑丈で簡易な構造だった。〉

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〈まさかの手動スターター。クランク棒は本装甲車で標準装備されている。〉

既にあった十二年式重装甲車リクトルと比較して重量が半分程度であったため、本車両は「十五年式軽装甲車ウェリテス」という正式名称を賜ったのであった。ウェリテスは共和政ローマ期の軽装歩兵である。
「装甲車」という名前だが、装甲は脆く、ありとあらゆる対戦車兵器に太刀打ちできなかった。
対戦車兵器どころか、口径13mm以上の重機関銃に撃たれても場合により貫通したぐらいである。
特に旋回式銃塔部分はコンパクトにしたため限りなく装甲を削っており、最も脆弱であった。
それでも小銃弾は弾くので、生身の肉体よりは安全である。

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〈後部には乗り降り用の大きなハッチが存在する。当然ながらここも弱点だ。〉

十五年式軽装甲車の唯一の武装である13mm機関砲は全周旋回できる銃塔に載せられていた。
内部は激烈に狭く、また車長が銃手を兼任するので、なかなか大変な仕様である。
車長は足元にあるフットペダルを用いて銃塔を回転させるというなかなか面白い方式である。
なお13mm機関砲自体は敵歩兵や軟目標に対し効果的であり、割と好評であった。

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〈銃塔装甲部分は外すことができる。如何に狭いかが一目でわかる。〉

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〈13mm機関砲。歩兵部隊が用いる7.7mm機関銃は威力不足であったため、重宝された。〉

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〈予備弾倉ラックは側面スペアタイヤの下に備え付けてある。ここを狙って撃つと爆ぜる。〉

防御上数えきれないぐらいの問題点があったが、高い量産性がそれを誤魔化し、一線級部隊から後方治安維持部隊まで様々な陸軍部隊、地域、役割で運用されることとなった。
民主連邦の将兵たちはこの車両と苦楽を共にし、時には死を分かち合ったのである。


【運用】
従来民主連邦軍においてそれなりに装甲車は貴重であったため、車長は下士官もしくは将校が務めていた。
しかし本車両の高い生産性と2人乗りというコンパクト性は、下士官以下ですら車長になった。
また、実戦力はともかくとして数的には大幅に保有車両数は増加したため、今まで難しかった機甲戦力の集中運用が可能となったのである。

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〈基地にて待機する十五年式軽装甲車群。民主連邦では多く見られる光景だ。〉

最前線においても十五年式軽装甲車は多用されたが、やはりその装甲の薄さは致命的であった。
敵対軍閥が用いる対戦車ライフルや速射砲によって、どの角度からも大体はボコボコにされた。
当初は兵士達も対応に苦慮し、脆弱箇所に装甲板を張り付ける等して対処していたが、そのうちどの方向からも大体撃ち抜かれることが判明したため、乗員達はもがくのをやめお札やお守りを車内に持ち込むぐらいしかやることがなくなった。

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〈市街地にて歩兵部隊と共闘する様子。歩兵達にとって最も身近な装甲車だった。〉

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〈十三年式主力戦車改との比較。一回り小さいが、どちらも弱いことには変わりはない。〉

しかしどれだけ酷使されても動く高い耐久性や簡便な構造は、前線部隊にありがたがられている。
日々不条理にもがく民主連邦兵達は、感謝と侮蔑の矛盾した思いを抱きながら本車両に対し、「車輪の付いた棺桶」と愛着を持ちながら呼称しているのである。

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〈前線に赴くウェリテス。後ろからの様子はロマンに満ち溢れている。〉




【開発後記】
1920年代の装甲車を念頭に置きつつ、作ってみたやつです。
そこはかとなく漂う頼りなさとブリキ感を狙ってみました。
人や機関砲が乗りつつコンパクトな回転式銃塔を製作するのは初めてでしたが、なかなかうまくいって満足です。
これもお気に入りの作品ですね。





撃Ⅱ型戦闘機サウニオン

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Type Ⅱ Interceptor Saunion


【概要】
民主連邦陸軍航空隊が誇る小型の要撃戦闘機。
撃Ⅰ型グラディウスと比較して、高速性と重武装に特化している。
特筆すべきは推進式という極めて野心的な機体を持つことである。
その機体形式は良くも悪くも(大体は悪くも)本機の尖った性能を生み出した。
価格や整備性の観点から、本機はごく一部の部隊にのみ配備されているが、その未来的な外観から人気は高く、陸軍航空隊に於いてたびたび人民に向けて喧伝されている。


【開発経緯】
民主連邦における航空技術にとって、撃Ⅰ型グラディウス戦闘機の成功は大きな変革をもたらした。
他国からのライセンス生産とはいえ、今後の規範・スタンダードとなったのである。
撃Ⅰ型は陸軍航空隊の中心を占め、あらゆる戦場で姿を現す戦闘機であった。

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〈前線飛行場にて出撃を待つ撃Ⅰ型グラディウス戦闘機の様子。〉

そんなグラディウスは、軍需企業の最大大手である銀星重工が生産を司っていた。
その一方、民主連邦には他にも軍需企業が存在した。海王自動車と赤星発動機がその代表である。
両企業は戦闘機に関しては未経験であり、グラディウス製造の下請けをやっていたのみであった。
当然ながら両社はその状況を肯定せず、独自の軍用機を作る一心で機会を虎視眈々と狙っていたのである。

先に抜け出したのは海王自動車であった。
そもそも海王自動車はやたらと早くやたらと燃費の悪くてかっこいいスポーツカーを製造する自動車メーカーであったが、その無駄に高い技術力を生かして陸戦兵器を中心とした設計生産をおこなっていた。
その主任設計者フェルナンド・ポルッシェ博士は、精力的な独自交渉により天ノ川皇国の最新鋭空冷発動機(1200hp)のライセンス生産権を入手したのである。
その背景には航空技術の発展を狙った軍兵器局による甘めの裁量があったといわれる。
いずれにせよ銀星重工に対抗できる発動機を入手した海王自動車は独自の軍用機を試作することにした。
しかも野心的なポルッシェ博士の強い要望もあり、いきなり作るのは一線級の戦闘機からである。
海王自動車設計陣は撃Ⅰ型戦闘機にとって代わらんとする新型戦闘機を目指したのだ。

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〈天ノ川皇国からライセンス生産を果たした「アリエルA型」星型空冷発動機。極めて強力だった。〉

撃Ⅰ型は汎用性が高く優秀な戦闘機であったが、徐々に不足点も前線から指摘されていた。
主な問題点として挙げられていたのは航続距離の短さ、そして武装の貧弱さである。
それらの改善を踏まえ、海王自動車は特に高速性を重視した設計にすることにした。
スピードに拘るあたり、やはり彼等は生粋の走り屋であり、自動車会社であった。
ポルッシェ博士は「最高速度でグラディウスを100km/h以上凌駕する」と豪語。まさに野心の塊であった。
そんな海王自動車に対し、それなりに興味を抱いた民主連邦軍兵器局は、新型戦闘機の開発予算並びに試作機生産の補助金を珍しく気前よく与えたのであった。

稀代の天才設計者にして独創的思考の塊であったポルッシェ博士は、機体配置として何と推進式を採用した。
試作機生産の下命を出してから半年後、兵器局の高官達は海王自動車で木製モックアップを見学した。
そのあまりに特異な機体に驚愕し、何名かは失神し、残りの大部分はそもそも飛ぶのか懐疑的であったという。
喧々諤々の高官達に対して、ポルッシェ博士は推進式のメリットを滔々と述べた。
・洗練された胴体になるため、空気抵抗が少なく高速性を発揮できる
・コクピット周りが広くとることができ、特に前方視界が良好である
・機首に大口径機銃を配置することができ、重武装かつ命中率の向上が見込まれる
などであった。
理路整然とした説明に、兵器局の高官達もなんだかよくわからないけどまぁいっか!と開発続行を指示した。

そして更に半年後、ついに試作機は首都プノンペンネ近郊の飛行場にて姿を現した。
未来感溢れる銀色に輝いた推進式の機体は、見学しに来た軍高官達を唸らすものがあったという。
その期待は飛行場から飛び立ち、澄みゆく青空を飛翔しても裏切られることはなかった。

最高速度は撃Ⅰ型を優に100km/h超える600km/h以上を叩き出した。
上昇・加速性能も申し分なく、また武装も大口径機関砲(20mm相当)の搭載に成功していた。
まさにポルッシェ博士は当初の大言壮語を実現したのである。
それは海王自動車の技術力の高さを証明するものであった。

後に撃Ⅰ型戦闘機と比較検討し精査した所、旋回性能以外はほとんど勝っているとされた。
問題となったのは製造コスト(撃Ⅰ型の2倍程度だった)だったが、高性能ぶりに十分元は取れると判断された。
性能にいたく満足した陸軍航空隊は早速本機を正式採用、「撃Ⅱ型サウニオン戦闘機」の名称をつけ、海王自動車に逐次量産を命じたのであった。量産1号機は2カ月後に前線部隊に配備される。
前線部隊の将兵たちはその先進性と空想科学じみた本機の姿に民主連邦の未来を感じた。
もちろん、これでそのまま終わればよかったのだが、ここは駄作兵器が跳梁跋扈する民主連邦である。
当然配備されてすぐ後に様々な問題が噴出することになるのであった。


【性能】
推進式という野心的な機体選択は、ある程度の成功を収めたのは間違いない。
事実本機は当時民主連邦軍が保有するどの軍用機をも凌駕する速度であった。
ひたすらに速度を求めた自動車会社の面目躍如といったところである。
また武装も申し分なく、大型機に対する20mm翼内機関砲、そして機首の13mm機関砲は中心軸に沿っていたため命中率が良く、パイロットの多くから好評を得たのである。
他にも一体型曲面キャノピー、改良された照準装置や無線機等、様々な新機軸が盛り込まれていた。

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〈連邦の空を飛ぶサウニオン戦闘機。流線形を基調とした美しいラインがそこにはある。〉

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〈広々としたコクピット内部。操作機器周りはかなり洗練されていた。〉

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〈横からの様子。ライセンス元ではもともと爆撃機用の発動機だったため、かなり大型である。〉

本機はその高性能を鑑み、まずは首都の最精鋭防空部隊から配備されることが決定された。
もっとも、やたらと高価でやたらと複雑であり、また海王自動車の生産体制が不満足な規模であったため、量産当初の予定と比較して遅々として進まなかった。
それでも「アリエルA型」星型発動機を銀星重工や赤星発動機に生産を一部肩代わりしてもらう等して、どうにか量産体制は軌道に乗ったのである。
まとまった数が供給できるようになったのは試作機量産が半年後である。

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〈溌溂と空を飛ぶ撃Ⅱ型サウニオン。翼内には必殺の20mm機関砲が搭載されている。〉

栄光に輝いたサウニオンの名声。しかしその一方異変は着実に前線部隊にて起こり始めていた。
配備されてからしばらく後、衝撃的な報告が陸軍航空隊司令並びに兵器局へ舞い込んだ。
一か月で配備されたサウニオン戦闘機のおよそ半分が事故で損耗していたのである。
更に残り半数の機体も整備にてこずり、現在飛行可能な機体はわずか30%に過ぎなかった。
幾人かの将校が失神し休職する中、兵器局は前線部隊の将兵たちに聞き取りを開始した。

操縦員達は異口同音にその操縦の不安定さを口にした。
推進式の機体はいきなり失速するという厄介極まりない状況を引き起こしていたのだ。
わけもわからないまま失速する上、脱出しようとすると後ろのプロペラに巻き込まれる事故が多発していた。
既にパイロットの間では「全自動挽肉生産機」という極めて有り難くない名前が冠されていた。
後にこの問題は修正され、脱出時は火薬カートリッジにより発動機ごと後方に脱落させる方式が採用された。

地上作業員達は発動機の信頼性が絶望的であることを次々と兵器局に伝えた。
機体の後ろにあるため、発動機の冷却が不完全であり、最悪の場合文字通り「止まる」代物だったのだ。
それを防ぐためには頻繁な整備点検が必要であり、その信頼性の無さは24時間に1回の整備が前線飛行場にて義務付けられるほどであった。
もちろん、それは発動機自体のせいではなく(ライセンス元の天ノ川皇国軍では、むしろ故障が少ないと称されるぐらいだった)、根本的な機体構造の欠陥にあったのだ。

海王自動車は極めてデリケートなチューニングに優秀な作業員を擁していたため、噴出する問題に気が付かなかった。
後に以上の問題点を踏まえた改良型が現在の生産機になっているものの、根本的な問題は推進式の機体構造にあるのだから、あまり状況は変わっていないといえる。
ある海外の軍事評論家は「レースカーの理論をそのまま持ち込んでしまった失敗兵器」と評している。

【運用】
操縦や整備に重篤に問題がある本機ではあるが、カタログデータ上ではかなりのスペックであるため、一応正式な迎撃戦闘機ということで今日も民主連邦の空を元気に飛び回っている。
しかしそもそも調達費用が高価であり、またパイロットに高度な技術が要求されること、整備保守要員が多くとられることから一部の航空部隊(首都をはじめとする重要拠点等)にのみ配備されている。
配備数はグラディウスと比較して、極めて限定的である。
また、本機の数ある欠点の一つに、機体バランスの異常からやたらと降着装置が破損するというものがあり、整備された上位の飛行場にしか発着陸できず、更に配備先を狭めているのであった。

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〈問題の降着装置。僅かな振動で根元から折れ胴体着陸を余儀なくさせるお茶目な代物である。〉

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〈多発する離着陸事故。もはや見慣れた風景であった。〉

それでも現在のところ民主連邦陸軍航空隊で最も能力が高い戦闘機であることには変わりがない。
慣熟した操縦手が一撃必殺を念頭に扱えば撃Ⅰ型グラディウスより強力な迎撃力を有するのである。
撃Ⅰ型とⅡ型はいわば民主連邦でのハイローミックスと言えることもできるだろう。
もっともその半分は欠陥機で構成されているのだが。

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〈飛行場にて並ぶ撃Ⅰ型とⅡ型。大体同じ大きさだ。〉




【開発後記】
天ノ川皇国のぬぬつきさんからいただいた発動機があまりにも雰囲気が良かったため、発動機剥き出しの推進式戦闘機を作ってみました。
推進式の戦闘機はかっこいい発動機が映えるのです。
モデルはSaab21とか閃電とかXP54とかいろいろな推進式戦闘機を参照しつつ楽しく作りました。
理想は高いけど、現実に打ちのめされる設定こそ、推進式戦闘機が醸し出す試作機感にふさわしいと思うのです。














FBS-1戦闘飛行艇ラルス

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FBS-1 Fighter Flying Boat Larus

【概要】
民主連邦海軍が堂々配備・運用している戦闘飛行艇である。
飛行艇を戦闘機としてそれなりに勘定しているあたり軍の後進性が表れている。
しかし多くの島嶼を含む民主連邦にとってかなり便利な兵器であることもまた事実である。
制空任務に使われることは滅多になく、偵察や哨戒、連絡や救援任務で運用されることの方が多い。


【開発経緯】
民主連邦。
その国土は入り組んだパインドネシア半島を中心に無数の島嶼によって成り立っていた。
その領海と経済圏と利権と威厳を守護する民主連邦海軍は、その複雑な地形に対処せねばならなかったのである。
海軍の存在価値を強く認識している(というか大統領自体が海軍出身であった)政府は、莫大な予算を使えもしない駄作兵器と共に海軍の拡充に充てていたが、それでも膨大な海岸線と島嶼群はなお余りあるものがあった。

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〈部隊の閲兵を敢行する日虎大統領。彼の海軍拡充の意志は並大抵たるものではなかった。〉

地形上の弊害による制約は様々な所で影響していたが、その中でも深刻であったのは補給整備の問題である。
南方に置かれた基地は不足しておりかつ整備もままならず、到底万全な国防とは言い難い状況であった。
基地という名前でその実態は将兵はわずか数人、小銃が数丁、手漕ぎボートが一隻、粗末な小屋が一棟のみという散々たる様相が末端のあちらこちらでみられた。
それら遥か彼方辺境の島々への勤務は、海軍組織内での懲罰人事として一部では使われていたという。

そういう有様であったから、飛行場を有した前線基地等はその母数に比して相当数に少なかった。
また書類上では飛行場が「ある」にもかかわらず、実際は「ない」もしくは「使えない」という例も多く、不足なく使用できる飛行場となると更に少なくなったのであった。
極端な事例では、現地部隊の将校達が飛行場設営の費用を着服していたため、記録ではある飛行場が全く存在せず、飛来した味方航空機が全く着陸できず、仕方なく海に不時着したということもあったのである。

幸いにしてちゃんと存在する前線飛行場でも多くは未舗装であり、ヤシの木々を切り開いて造成した所が殆どであった。
少なくない数の飛行機が着陸時に破損したり劣化したりしており、海軍上層部としても深刻に捉えていたのである。
そこで飛行場を使わない飛行機…すなわち飛行艇を新しく配備しようと考えたのも割と普通な道理であった。
しかもどうせなら迫りくる敵航空機を屠り、制空権も握ってしまおうということでいきなり作るのはばりばりの戦闘飛行艇である(戦闘艇というジャンル自体旧式なのではないかという理論はいつものごとくこの国では無視された)。

早速兵器局から民主連邦軍需企業の雄、銀星重工に要求仕様書「FB1/16」が提出されたのであった。
大まかな要求は二点であった。
一点目は敵戦闘機に追随できる機動性と速度(400km/h以上)を持つ事。
二点目はある程度の余裕積載量を持ち、物資や人員の輸送を行える事であった。
結局いつもの通り軍上層部による絵に描いた餅的な要求である。

銀星重工はそれに対し、当時社内で持っていた最強の発動機である「デネブB型」(1300馬力)を投入した。
この水冷発動機は、依然進められていた大型重爆に搭載しようと試作されたものだが計画が頓挫した上、やたら巨大化したせいで持て余した結果、倉庫の奥底で眠っていたものである。
この大型発動機を戦闘艇に載せようと躍起になった結果、設計は発動機を起点として進められたのであった。

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〈「デネブ」発動機を囲む銀星重工社員達。体躯と比してその巨大さがわかる。〉

他にも流線形を志向した艇体、新型の主翼形状等、どうにもならないものをどうにかしようと奮闘した結果、仕様書提出から1年後に完成した試作機では、戦闘艇としては驚異の最高速度400km/hを達成したのであった。
この結果にいたく満足した民主連邦海軍は、早速銀星重工に試作機の量産を明示したのである。

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〈精悍で美しい艇体。銀星重工設計陣の無駄な努力の賜物である。〉


【性能】
いろいろと気を遣って設計されたため、飛行艇としてはかなりの高速性を誇る。
といっても水上戦闘機にすればよかったのでは程度の能力である。
しかし飛行艇型式にした結果、胴体に容量の余裕ができたため、人員が4人も乗った。

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〈内部の様子。見えにくいが操縦手と後部機銃手の間には無線機手が乗る。〉

武装は13mm機関砲を2挺装備した。
前方機銃は前方向に約100度の角度をつけて志向することができるが、前方機銃手は剥き出しであるため、常に風が当たり、時には敵の弾が当たり、更には操縦手の視界を著しく制限するという欠点を持っている。
後方機銃はそれに比べると遥かにましである。90度の旋回が可能である。
わずかながら命中率を高めるため、照準には倍率を変えることができるスコープが何故か取り付けられた。

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〈剥き出しの前方機銃席。海軍飛行隊でも随一のスリルを体験することができる。〉

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〈艇内と後方機銃。一段下がって無線機やちょっとした机も備え付けられている。〉

発動機はわずか1基でそこそこ大きい艇体を持ち上げる。その分、艇に比例してかなり巨大である。
乗員は常に強い振動と騒音に晒されることが特徴である。
的が大きいためよく被弾し停止し、往々にして墜ちるという。

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〈後方から。弱点である発動機周りは堂々と晒され、敵兵にとって格好の的となった。〉


【運用】
「FBS-1戦闘飛行艇ラルス」(ちなみにFBS-1は銀星重工(Silver Star Arsenal)によって作られた制式1番目の飛行艇(Flying Boat)という意味の略である)と名付けられた本艇は、特に南方の諸飛行隊を中心に配備された。
ようやくまともに使える航空機が来たと前線部隊ではそれなりに好評であったという。
桟橋を整えるだけで前線飛行場として機能したからである。
ただし発動機周りの整備は面倒であり、多くの整備兵が天を恨みながら揺れる艇の上で作業したという。

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〈南方の碌な設備がない島々でもラルスなら降り立つことができた。〉

戦闘飛行艇という名前であったが、本機はむしろ偵察・観測や輸送、洋上での救援任務で重宝された。
今まで飛行機が配備できなかった場所でも運用することができたのも相まって、南方の部隊にとって空の目であり続けた。
しかし速度および機動性は普通の陸上航空機と比べると当然低く、まったく太刀打ちできないのは容易に想定できる。
現状南方や西方の島嶼部では平和を享受しているがために活躍できているのであって、戦闘地域に投入されたら一たまりのないことは明らかなのであった。
それでも本艇は今日も緑の島々と碧い海を背景に、民主連邦の国益を守護せんと今日も飛び続けているのである。




【開発後記】
大好きな映画『紅の豚』を観て早速欲望を昇華せんと作った飛行艇です。
水上飛行機と比べて明確な流線形なのが大好きです。あと剥き出しの機銃も推しのポイントです。
結構に気に入っている作品で、よくオフ会に持っていったりしています。






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Author:けーにっひ
駄作兵器と失敗兵器と旧兵器が大好きな人。
ロマン溢れるいろいろと歪んだ兵器をレゴで作るのが趣味。

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